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地の妖精ノームの大冒険  作者: 風 ふわり
みゅーちゃん編
1/97

旅の意味

 挿絵(By みてみん)


 ノーム【ノーム:地の小人。人々を心地好い眠りに誘い、時間を少しだけ奪う妖精】




 ノームの "みゅー" は、 "トリュフ" と言う物と間違えられて、紆余曲折を経て、この屋敷のキッチンで生まれる事となった。


 だがしかし、それはみゅーにとって、幸運の女神と出会う為の経緯だったと思われる。


 この屋敷に住む奥方は、異世界から【交流交換御霊】として選ばれた者で、宝箱の様な、面白くて優しい人だった。


 最初に、無意識に魔法を使ってしまい、この屋敷の主人の竜騎士に捕まり、叱られて泣いていると……柔らかい布に包んでくれて、甘い "プリン" と言う物を食べさせてくれたのだ。


 それからそれから、 "みゅー" と言うこの呼び名も、その大好きな人が最初に呼んでくれたものなのだ。


 それだから、みゅーは、その奥方の事が大好きになり、服のどこかに潜り込んでは、色々なところに着いて行った。


 そして、荘厳な竜に乗せてもらって、山や不毛地帯に行ったりもした。


 そんな楽しい三年を過ごしてしまったので、ここから離れ難い思いで一杯だったのだ。




 「みゅーよ。早く向かわねば、その先はないのだぞ?」


 この屋敷の庭に住みついている、 "緑の精霊" に教えられた事で、全ての妖精は妖精の国に行き、真名を授からなければならない事を知った。


 そうしなければ、十年以内に消えてしまうそうなのだ。


 全ての妖精が、生まれて直ぐに目指す場所……それは、妖精の国。


 みゅーの様に何らかの事情で、仲間からハグレた妖精の為に、十年の猶予があるのだそう。




 「みゅみゅ。地の妖精のみゅーには不利なの」


 小さなノームでは、移動に、どれだけかかるのか分からない。


 ノームの里は、隣りの領にある山の中にあり、その山の連なりの先、つまり、隣国の山脈の中に妖精の国がある。


 「みゅー、帰っちぇ来りぇるかなぁ」



 笑顔がないみゅーを心配して、奥方は緑の精霊に相談していた。


 「妖精は、旅をして世界を知るもの。その意味も含まれた選択であるから、手を出す事はまかりならん」


 そう釘を刺されて、どうしてやる事も出来ずに、日々が過ぎていったのだ。

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