恋物語
彩花は光輝を屋上へ呼び出し。
告白をする。そうしてふたりの恋物語は
始まりの鐘を鳴らした。
――病院の屋上。
やばいやばいやばい。心臓飛び出る。
言えるかな。言えるのかな。やばいよ〜!!!
そして、その時が来る。
「駿河 光輝くん。私の彼氏になってくれませんか?」
やばい!!!!!
いっちゃった!!!
どうしよう!!振られたら!!!
「え?」
やばいよぉ!!戸惑ってるよぉ?!?
「えと、その。だから。」
胸がはち切れそう。
こんなに恋って辛かったっけ
「だから?」
「光輝の笑顔とか。光輝の優しさとか。全部全部大好きだから。付き合ってほしい。です。。」
あー。終わった。絶対振られたよ。
どうしよう。いやだなぁ。
関係崩れちゃうのかなぁ。
「おう。いいよ。俺なんかでいいならいいよ。」
光輝が顔を赤らめる。
それを彩花は認識した。
「光輝。ほっぺ赤いよ??」
クスッと笑顔で笑いながら彩花は言う。
「え?わかるのか?」
光輝も恥ずかしさを隠せずにありのままで照れる。
「えぇっと。それじゃあ。」
「お、おう。」
「末永く。よろしくお願いします。」
「おう。こちらこそ宜しくな。彩花。」
「うん!ありがとう!!」
青い海と水色の空をバックに彩花は告白した。
そうして、両者は顔を赤らめる。
こうして、二つの儚き糸が交じり始めた。
――二人が付き合ってから三週間
「うん。やっぱりおかしい。」
彩花は自室で自問自答する。
彩花と光輝はあの日たしかに付き合った。
そして、そらから三週間が経った。
しかし。変わった事は何もなかった。
「もっと恋人っぽいことしたいなぁ。」
「へぇ?それは誰とかなぁ?彩花ちゃん!」
「う、うわぁ!!月姫花さん?!な!なんでしゅか!」
「口回ってないわよ。恋する乙女ねぇ。」
月姫花はからかうように言う。
「ええと。光輝くんと付き合ったんですよ。」
「ええええええっ?!?!?!?」
「あれ?そんなに驚きます?てっきりさらっと流すかと」
「光輝と?!?!これから大変だねぇ。」
「大変??何がですか??」
「あ、いや。なんでもないのよ。」
フフフっと月姫花は誤魔化す。
光輝くんったら。ガンのこと。
言わずに付き合ったのね。バカな子。辛くなるのは
彩花ちゃんでしょう。。
「あ!そうだ!!月姫花さん!」
彩花が何かを閃いたように言った
「ん?どうかしたのかしら?」
「えっとですね〜。ごにょごにょごにょ。」
「ふむふむ。いいわね。乗ったわ!やりましょう!」
「やったー!!ありがとうございます!!」
こうして彩花の作戦が始まった。
光輝とのいちゃラブ作戦が。
――光輝自室。
「はぁ。付き合ったのはいいけど。恋人らしいことなんもしてないなぁ?なんかしてやらないと。」
「そー思うなら頑張りなさい?光輝くん」
「げっ。月姫花さん。。」
「げってなによ。げって。」
「いや、その。一番嫌な人が来たなって。」
「失礼すぎない?!?!」
「いや、だって。たくさんいじるから。月姫花さん。」
「そんなことないでしょう?!え!?あるっ?!」
「あはは。動揺してますね。」
光輝は笑いながら言った。
「もう。やりやがったわね。」
「まぁまぁ、普段の仕返しです。」
「そうね。けど、付き合ったのは知ってるわよ?彩花ちゃんから聞いたし。」
「そ、そうですか。」
光輝は顔を赤らめる。
「何顔を赤くしてるのかしら〜?」
「や、やめてください。」
「それにしても。それで良かったの?」
「何がですか。」
「貴方はガンなのよ。そんな簡単に女の子となんて。」
「簡単にじゃない!!俺だってこの病気を治して。彩花を幸せにするんです!」
光輝はベットから起き上がり机を叩いてはっきりと言った。
「え、えぇ。なんか。。ごめんなさいね。」
「いや。その!こちらこそすいません。月姫花さん。」
「いいのよ。私が悪いわ。なら早くガン治さないとね!」
「はい、絶対治します。」
「えぇ、それじゃあ診断行きましょうか。」
「診断ですか。」
「今日は診断よ?昨日言ったでしょう?」
「え?言いましたっけ?忘れました!」
「え?大丈夫かしら。本当に忘れたの??」
「いや、嘘です。多分。逃げてるんですよ。自分でもよくわかりません。」
「大丈夫よ。きっと治るわ。私からも先生に言っておくから。」
「ありがとうございます。それじゃ行きますか。」
「えぇ、行きましょうか。」
「ん?あれはぁ。光輝くん??何してるんだろう?月姫花さんが一緒ってことは診断かなー?そういえば光輝くんの病気。私、知らないな。彼女なんだから。しっかりしなきゃ。月姫花さんとの作戦もあるし。今度ゆっくり聞いておこうー!」
診断に行く光輝を横目で見ながら自室へ戻る彩花だった。
――診断室。
「うーん。診断結果から言うと。良くはないね。」
「そう…ですか。。」
「まぁ、幸いなことにステージは上がっていない。少しの回復の結果も見られる。」
「回復してるんですか?!」
「まぁ。ね。しかしだ。進行の速度と。回復の速度。どちらが早いかと言われれば察したらわかるだろう?」
「なるほど。そうゆことですか。そろそろ抗がん剤も考えないといけませんね。」
「それを決めるのは君自身だ。私にそれを強要する権利はない。」
「はい、少し考えさせてください。」
「ああ。ゆっくり考えたまえ。」
――ガラガラ
「 だそうですよ。月姫花さん。」
「大丈夫よ。きっと。大丈夫だから。」
「えぇ、そうですね。そう信じましょう。」
「まったく。強いわね。」
月姫花は小声で言った。
「何か言いましたか?」
「いえ、なにも?あ!そういえば彩花ちゃんが病室で待ってるわよー。」
「えぇ?!彩花が?!?!」
「そうよ?彩花ちゃんよ?行ってらっしゃい」
「はい!すいません!少し走ります!!」
「あ!!もう!!!気をつけるのよー!さてとっ。」
――ガラガラ
「おや、月姫花くん。何か用かな?」
「先生。駿河 光輝くんについて。お話があります。」
「なんだね。彼の事は全力で取り組んでるつもりだが」
月姫花は頭を下げる。
「看護師の身分でありながら一人の患者に肩入れするのは良くないとわかっています。ですが。どうかお願いです。彼を。駿河光輝を必ず救ってください…。お願いします!!」
「月姫花くん。。そうだな。あんな若い命をここで枯らせるわけにはいかない。私の持てる力を全て尽くそう。約束する。」
「ありがとうございます!!!」
「ああ。それに月姫花くん。看護師としてそれはいい心がけだ。患者を最優先に。素晴らしいじゃないか。成長したな。月姫花。」
「うん、ありがとう。お父さん。」
「私が光輝くんを救おう。」
光輝は走っていた。人にぶつかりそうになる。
「す、すいません!!あ!あの!のります!!」
手を上げてエレベーターに走る。
「ふぅ。なんとか間に合った。」
ピンポーン。12階です。
機械の音声がなり光輝はエレベーターから降りた。
そうして自分の部屋に向かう。
「彩花!!!いるか?!?!」
「おぉー。光輝だー!おかえり!まってた!」
「お、おう。なんか、緩いな。」
「そーかなぁ?あのね。思うことがあるの。」
「ん?思うことって?」
「恋人らしいことしてない!!」
「ぐっ。そ、そうかなぁ??」
「そうでしょ!?手も繋がないし!私、高校生なんだから!き、き、き、キスとかしたい!!!」
「は、は、はぁぁぁぁぁ?!?!?!」
「だから!手を繋いで!キスをしたい!!」
「手を繋ぐのはできる!!キスは無理だ!!!
「じゃあ!!手を繋いで!!」
「はい!繋ぎます!!」
二人は大声で叫び。顔を真っ赤にしてやりとりをして
手を繋ぐ手前まで来た。が、ここから前に進まない。
「彩花。早く手を出せよ。」
「光輝くんも!だ、だしてよ!!」
「俺はあるだろ!!」
「も、もう!!えいっ!!」
そう言って彩花は勢いで光輝の手を強く握る。
「お、お、おぉおぉ!!」
光輝は顔を真っ赤にしていた。
「わ、わたし。頑張ったから!次は光輝くんの番!」
「お、俺?!なにすればいいんだよ!!」
「だ、だ、だ、だから!!キスだってば!!」
「ったく。こーなったら。」
「あ?え?ちょ?待って!まっ。んっ。」
彩花が喋ってる途中で声は途切れる。
光輝に唇を塞がれたのだ。しかし、光輝は触れた瞬間にすぐ離した。
「こ、これでいいだろ?!」
「だ、だめ!!ちゃんと準備する!!」
そう言いながら。興奮して乱れた髪を整えた彩花は光輝の方を向いて目を瞑る。
「いいよ。優しくね。」
「おう。ちゃんとやるぞ。」
「彩花。好きだ。」
「私も光輝が好き。んっ。」
唇と唇が触れ合う。
そうして二人は普通に繋いでいた手を恋人繋ぎにして。
彩花は光輝に身を任せる。
時間は一瞬。
しかし、唇と唇が触れ合っているこの時間は
二人にとって永遠にも思える。
そうして
光輝は彩花に優しくキスをする。
いま、この瞬間。
二人は恋人になった。儚き糸は解けぬように強く
絡まり合った。
「えへへ、キスしちゃった。」
「そうだな。キスしたな。」
「恥ずかしいや。けど、すごく嬉しい。」
「ああ。俺もだよ。すごい嬉しい。」
「光輝。好きだよ。大好き。」
「俺も好きだよ。彩花。大好きだ。」
絡み合う糸は解けるのか。
解けぬように強く結ばれるのか。
ここから新たに始まる。本当の恋物語。
「恋は虹色に光輝く」第4話。「恋物語」を
読んでくださりありがとうございます。
作者の治崎 龍也です。
※ネタバレを含みます。
今回のお話はイチャラブ多めにしてみました。
どうでしょうか笑笑個人的にはよくわからない出来に仕上がったかなと思っています笑笑
あと2話か3話で完結する予定です。
このお話を書いてると喜怒哀楽が激しくて
体が疲れます笑笑
最後に
読んでくださりありがとうございました。
このラブストーリーを書き終わったら。
二作同時進行を予定しています。
たくさんみてくださると幸いです。
ありがとうございました。
ちざきりゅうやでした!!!