『こばなし その4』
ここは、逆さ虹の森。
その森の中、
願いが叶うというお池がありました。
ある日、お池のそばで、
ヘビくんが果物を食べていました。
「あ!」
あらあら、ヘビくん。
リンゴを一つお池に落としてしまいます。
すると、お池がパーっと光ります。
そして、お池の中から、
美しい女神様が現れたのです!
女神様は金と銀のリンゴを持っています。
そして、
女神様はヘビくんに言いました。
「あなたが落としたのは、
この金のリンゴですか?
それとも、この銀のリンゴですか?」
ヘビくんは正直に答えます。
「いいえ、女神様。
ボクが落としたのは、
普通の美味しいリンゴです」
その答えを聞いて、
女神様は優しい笑顔。
女神様はヘビくんに言いました。
「あなたは正直者ですね。
正直者のあなたには、この金のリンゴと銀のリンゴ、そして落とした普通のリンゴ、みんなあなたにあげましょう」
そう言って、
女神様はヘビくんにリンゴを渡します。
そうして、
女神様はお池の中に消えていきました。
リンゴをもらったヘビくん。
「もぐもぐ、もぐもぐ、もぐもぐ」
あらあら、ヘビくん。
金のリンゴも銀のリンゴも、
み〜んな、食べてしまいました!
「う~ん、美味しくないし、
体がとっても重いな~」
その時です!
恐ろしいことが起きました!
ゴロンゴロン。
ゴロンゴロン。
大きな岩が転がってきたのです!
ゴロンゴロン。
ゴロンゴロン。
「う〜ん。体が重くて動けない……」
ヘビくん、大ピンチ!
「とう!」
「とう!」
そこに、
森のお困りごとを解決する正義の味方。
アライグマとキツネがやってきました!
「もう、大丈夫だよ、ヘビくん」
「俺たちが運んでやるよ!」
動けないヘビくんを、二匹が運びます!
ゴロンゴロン。
ゴロンゴロン。
ゴロンゴロン……ぼちゃーん!
こうして、
ヘビくんは、無事に助かったのでした!
良かったですね!
「ありがとう。二匹とも」
「もう、ヘビくん食べすぎはダメだよ」
「金銀のリンゴは食いもんじゃねーよ」
「ははは、ごめんなさい」
そんな風に仲良くお話ししていた時です。
急にお空が暗くなりました。
三匹は不思議に思って、お空を見上げます。
すると、そこには……
金と銀と普通の、大きな岩を、
天空高く掲げた女神様がいたのです!
女神様は言いました。
「あなたたちが落としたのは、この金の岩ですか? それとも、この銀の岩ですか?」
みんなは正直に答えます。
「ボクたち、岩なんて落としてません!」
「勝手に岩が転がっていったんだ!」
「うんうん! ボクたち知らないよ!」
その答えを聞いて、
女神様は優しい笑顔。
女神様は言いました。
「あなたたちは正直者ですね。
正直者のあなたたちには、この金の岩と銀の岩、そして普通の大きな岩、全部、ぜ〜んぶ、あげましょう」
「うわーー!」
「うわーー!」
「うわーー!」