表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/18

『第2話 TAKE2』


 今日もアライグマとキツネがご挨拶。


 どうやら待ち合わせをしていたみたい。



 キツネから挨拶します。


「おはようタヌ(きち)くん」


 アライグマは答えます。


「タヌキじゃないから! アライグマだから!」


 そんないつものやりとりで、アライグマとキツネは挨拶をします。



 二匹は今日も仲良くピクニック。


 今日のピクニックはどこに行くのかな?



「よしキツネ! 今日は約束通りドングリ池に行くぞ!」


「ごめんアライグマくん、今日は果物広場に行きたいんだ」


「なんだよ〜! まあ、いいけどさ」


 今日は果物がたくさんなっている果物広場へ、二匹は向かうことに決めたようです。





 ピクニックの途中、二匹はお空を見上げてお話しします。


「おい、キツネ見てみろよ! 珍しい逆さまの虹が架かっているぜ!」


 そう、普通はま~るい時計の9時から3時に、時間が進む形をしている虹です。


 でも今日は逆さまみたい。


 ま~るい時計の9時から3時に、時間が戻る形で、お空に浮かんでいるのでした。



 アライグマに言われて、キツネはロマンチックに返事をします。


「もしかしたら、虹が逆さまじゃなくて、ボクたちが逆さまの世界にいるのかもね」


 そんな話しをしながら歩いていると、二匹は果物広場につきました。





 果物広場には、ヘビくんがおりました。


「もぐもぐ、もぐもぐ」


 ヘビくんは果物を食べています。


 食べすぎかな?


「もぐもぐ、もぐもぐ」



 キツネはヘビくんに言いました。


「ヘビくん、そんなに食べたら動けなくなるよ。それに泳げなくなってしまうかも」


 ヘビくんは答えます。


「でも果物がとっても美味しいから、食べるのをやめられないんだ」


 答えてヘビくん。

 また、果物を食べるのです。


「もぐもぐ、もぐもぐ」





 困ったキツネはアライグマに言います。


「おい、タヌキ! ちょっと相談があるのだけれどいいかな?」


「たぬくぃもぐじゃねーもぐもぐ……どうした?」


「ヘビくんが果物を食べすぎないように、ちょっと協力して欲しいんだ」


「もぐもぐ」


「君も果物を食べすぎないようにね」


「もぐもぐ……俺もか!?」





 そんな相談の後……


 ヘビくんとキツネとアライグマ。

 三匹は仲良く、果物を食べています。


 キツネが言いました。


「ねえ、みんな。食べ終わったら鬼ごっこをしようよ!」


 アライグマは答えます。


「いいね〜!」


 ヘビくんも笑って答えます。


「いいね、やろう、やろう!」


 キツネはヘビくんに言いました。


「でもヘビくん。それ以上果物を食べすぎると、体が重くて動けなくなっちゃうんじゃないかな?」


 ヘビくんは答えます。


「でも果物が美味しくて、食べるのをやめられないんだ」



 すると、キツネとアライグマが果物を食べるのをやめました。

 そして、二匹は手を合わせて言うのです。


「ごちそうさま!!」


 それを見てヘビくんは、果物を食べるのをやめました。

 そして、言います。


「ごちそうさまでした」


 三匹はごちそうさまをしたのでした。





 ごちそうさまの後……


 みんなで楽しく鬼ごっこです。



 ゴロンゴロン


 ゴロンゴロン



 途中でゴロンゴロンと、大きな岩が鬼になって追いかけてきましたが、誰も捕まりませんでした。



「よーし、次はキツネくんが鬼だぞ~」


「待て~、タヌ吉~」


「いや、タヌキじゃねーし!」



 三匹はたくさんたくさん遊びました。



 その後、ヘビくんとさよならをします。



「さよなら、ヘビくん」


「じあーな! ヘビ」


「うん、二匹とも帰りは気をつけてね」



 二匹は楽しく遊んで、今日のピクニックは帰ることにしたのです。









 その夜。

 悲しいおしらせが届きます。


 コマドリさんと、リスくんが、川で(おぼ)れて死んでしまったらしいのです……









 次の朝。


 キツネが朝起きてお空を見上げると、そこには逆さまの虹が架かっておりました。


「キレイな虹さん。もう少しで、ボクの願いごとは叶うのでしょうか?」


 キツネはそんな風に、

 お空の虹に話しかけるのでした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ