『第2話 TAKE2』
今日もアライグマとキツネがご挨拶。
どうやら待ち合わせをしていたみたい。
キツネから挨拶します。
「おはようタヌ吉くん」
アライグマは答えます。
「タヌキじゃないから! アライグマだから!」
そんないつものやりとりで、アライグマとキツネは挨拶をします。
二匹は今日も仲良くピクニック。
今日のピクニックはどこに行くのかな?
「よしキツネ! 今日は約束通りドングリ池に行くぞ!」
「ごめんアライグマくん、今日は果物広場に行きたいんだ」
「なんだよ〜! まあ、いいけどさ」
今日は果物がたくさんなっている果物広場へ、二匹は向かうことに決めたようです。
ピクニックの途中、二匹はお空を見上げてお話しします。
「おい、キツネ見てみろよ! 珍しい逆さまの虹が架かっているぜ!」
そう、普通はま~るい時計の9時から3時に、時間が進む形をしている虹です。
でも今日は逆さまみたい。
ま~るい時計の9時から3時に、時間が戻る形で、お空に浮かんでいるのでした。
アライグマに言われて、キツネはロマンチックに返事をします。
「もしかしたら、虹が逆さまじゃなくて、ボクたちが逆さまの世界にいるのかもね」
そんな話しをしながら歩いていると、二匹は果物広場につきました。
果物広場には、ヘビくんがおりました。
「もぐもぐ、もぐもぐ」
ヘビくんは果物を食べています。
食べすぎかな?
「もぐもぐ、もぐもぐ」
キツネはヘビくんに言いました。
「ヘビくん、そんなに食べたら動けなくなるよ。それに泳げなくなってしまうかも」
ヘビくんは答えます。
「でも果物がとっても美味しいから、食べるのをやめられないんだ」
答えてヘビくん。
また、果物を食べるのです。
「もぐもぐ、もぐもぐ」
困ったキツネはアライグマに言います。
「おい、タヌキ! ちょっと相談があるのだけれどいいかな?」
「たぬくぃもぐじゃねーもぐもぐ……どうした?」
「ヘビくんが果物を食べすぎないように、ちょっと協力して欲しいんだ」
「もぐもぐ」
「君も果物を食べすぎないようにね」
「もぐもぐ……俺もか!?」
そんな相談の後……
ヘビくんとキツネとアライグマ。
三匹は仲良く、果物を食べています。
キツネが言いました。
「ねえ、みんな。食べ終わったら鬼ごっこをしようよ!」
アライグマは答えます。
「いいね〜!」
ヘビくんも笑って答えます。
「いいね、やろう、やろう!」
キツネはヘビくんに言いました。
「でもヘビくん。それ以上果物を食べすぎると、体が重くて動けなくなっちゃうんじゃないかな?」
ヘビくんは答えます。
「でも果物が美味しくて、食べるのをやめられないんだ」
すると、キツネとアライグマが果物を食べるのをやめました。
そして、二匹は手を合わせて言うのです。
「ごちそうさま!!」
それを見てヘビくんは、果物を食べるのをやめました。
そして、言います。
「ごちそうさまでした」
三匹はごちそうさまをしたのでした。
ごちそうさまの後……
みんなで楽しく鬼ごっこです。
ゴロンゴロン
ゴロンゴロン
途中でゴロンゴロンと、大きな岩が鬼になって追いかけてきましたが、誰も捕まりませんでした。
「よーし、次はキツネくんが鬼だぞ~」
「待て~、タヌ吉~」
「いや、タヌキじゃねーし!」
三匹はたくさんたくさん遊びました。
その後、ヘビくんとさよならをします。
「さよなら、ヘビくん」
「じあーな! ヘビ」
「うん、二匹とも帰りは気をつけてね」
二匹は楽しく遊んで、今日のピクニックは帰ることにしたのです。
その夜。
悲しいおしらせが届きます。
コマドリさんと、リスくんが、川で溺れて死んでしまったらしいのです……
次の朝。
キツネが朝起きてお空を見上げると、そこには逆さまの虹が架かっておりました。
「キレイな虹さん。もう少しで、ボクの願いごとは叶うのでしょうか?」
キツネはそんな風に、
お空の虹に話しかけるのでした。