『こばなし その2』
逆さ虹の森の中。
願いが叶うというお池がありました。
ある日、お池に願いごとをしようと、
アライグマとキツネがやってきました。
あら、どうしたのでしょう?
キツネがアライグマをお池に落とします。
「えい!」
ぼちゃん!
「な、なにすんだ! キツネ!」
ブクブク……
アライグマはお池に沈んでいきました。
すると、お池がパーっと光ります。
そして、お池の中から美しい女神様が現れたのです!
女神様は、金色と銀色のなにかを持っていました。
そして、女神様はキツネに言いました。
「あなたが落としたのは、この金のタヌキの置物ですか? それとも、この銀のタヌキの置物ですか?」
キツネが落としたのはアライグマです。
だから、キツネは正直に答えます。
「いいえ、女神様。ボクが落としたのは金のタヌキの置物でも、銀のタヌキの置物でもありません。普通のタヌキです」
その答えを聞いて、
女神様は微笑みます。
そして、キツネに言いました。
「あなたは正直者ですね。
正直者のあなたには、この金のタヌキの置物と銀のタヌキの置物、そして落とした普通のタヌキ、みんなあなたにあげましょう」
「女神様! ありがとうございます!」
女神様に抱かれたアライグマは言いました。
「いや、タヌキじゃねーし」