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『第3話 PART2』


 ここは根っこ広場。


 ()づくろいを終えたコマドリさんは、木の枝からキツネの頭に飛び移ります。


 キツネは不思議に思って、言いました。


「どうしたんだい?

 ボクの頭になんか乗って」


「え? だってキツネ、あたしの歌を近くで聴きたいでしょ? あたしが近くにいて欲しいでしょ?」


「うん、そうだね」


 キツネの答えに、コマドリさんは顔を赤くして嬉しそう。


 そのやりとりを、あきれた顔で見るアライグマ。


 アライグマは言いました。


「キツネ、責任(せきにん)とれよ」


「うん、そうなんだ。

 ボクは責任を果たしにドングリ池に行かないと!」


 アライグマとキツネの会話を聞いたコマドリさん。

 キツネの頭の上で真っ赤になっています。


「せ! き! に! ん!」


 コマドリさんは、そう叫んで、羽根と口をひろげたままで、固まってしまいました!



 ――コマドリさんは面白いな。


 二匹はそう思いながら、果物広場に向かいました。





 ここは果物広場。


 ヘビくんが果物を食べています。


 キツネは言いました。


「ヘビくん、一緒にピクニックに行くよ」


「うん、でも果物が美味しくて、食べるのをやめられないんだ」


 すると、キツネも、アライグマも手を合わせます。


 そして、二匹は言います。


「ごちそうさま!」


 それを見て、ヘビくんも、食べるのをやめて言いました。


「ごちそうさまでした」


 それで、ヘビくんも一緒にピクニック。



 ゴロンゴロン。


 ゴロンゴロン。



 うしろで何か聞こえますが、だ〜れも気にしません。


 みんなで、野菜広場に向かいました。





 ここは野菜広場。


 リスくんがクマさんを、ゴボウで叩いています。


 アライグマがリスくんに言います。


「リス、やめろ!」



 ポカッ!



 アライグマはリスくんを怒って、ポカッとゲンコツをしました!


「うわ〜ん! うわ〜ん!」


 あらあら、リスくん泣き出します。



 キツネはクマさんに言いました。


「クマさん、リスくんをなでなでしてあげて」


「うん、わかった〜」


 クマさんがリスくんをなでなで。


「うわ〜ん! うわ〜……やめろよ、クマ、やめ、や……キャハ、キャハハハ!」


 リスくん、泣きやんで、

 今度はとっても嬉しそう。



 リスくんとクマさんも一緒に、

 森のみんなでピクニックになりました。





 ピクニックの途中で、みんなはお空を見上げてお話しします。


「おい、クマ! 珍しい逆さまの虹が出てるぜ!」


 そう、普通はま~るい形の上の形をしている虹ですが、今日は逆さま。

 ま~るい形の下の形で、お空に浮かんでいるのでした。


「わたし、はじめて見た〜」


「おいしそ〜」


「きれい! 一曲歌おうかしら!」


「みんな、あの虹はね、きっともう二度と見られないから、よく見ていてね」


 そうキツネは言いました。


 本当かな?



 コマドリさんは歌います。



「あすにかかるは〜し〜は〜♪

 なないろにひ〜かる〜は〜し〜♪

 あめのあとに ひかりあびて

 やさしくかが〜やい〜て〜る〜♪

 どんなかなしみ〜も〜

 どんなせつなさ〜も〜

 のりこえ〜させ〜て〜くれるよ〜に〜♪」



 その歌を聴きながら、キツネはロマンチックに話しだしたのです。


「そう、虹は明日に架かる橋なんだ。

 だから、逆さまだと明日に渡れない。

 ボクはドングリ池に、あの虹を元の形にもどしてもらいにいくんだよ」


 アライグマは言います。


「あいかわらずロマンチストだな」


 キツネは言います。


「前にね、ボクはドングリ池にお願い事をしたんだよ。今日、悲しいことがあったから、無かったことにして欲しいってね。

 そうしたら、お池が力を貸してくれて、明日にならずに、今日の朝に戻してくれる、あの、逆さまの虹が架かったんだよ」


「そんな話し誰が信じる!?」


「信じてもらえなくてもいいんだ。

 ボクはドングリ池に、お礼を言いに行かないといけない!」


 キツネは真剣(しんけん)


 だからアライグマも、お話しは信じられませんが、(だま)って聞きます。


「悲しいことが無くなったのに、明日が来なくって、ボクは困って泣いたんだ。そしたらね、タヌキの友達が言ったんだ」


 キツネは嬉しそうに話します。


「タヌキは言った。

 バカだな。力を貸してくれたんなら、願いが(かな)ったってお知らせしないと、いつやめたらいいか、お池はわかんないだろ? ってね」


 アライグマは不思議な顔です。

 そして、一つ聞きました。


「お前にタヌキの友達なんていたんだな?」


 その言葉に、キツネは、と〜ても嬉しそうに、答えるのです!



「ああ! 親友さ!」



 そんな会話をしていたら、

 みんなはオンボロ橋につきました。


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