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モブ、寝ても覚めても。

「んー!」

よく寝ました、気分スッキリ身体はまだ少し怠いですが、昨日より全然調子が良いです。

ところで、何故私はヴィルヘルム様にガッチリ抱き締められているのでしょうかね?

これ自体は温もりが感じられて好きなのですが、なんでしょう?

「ん?リリー起きたのか」

「はい、おはようございます」

「ああ、おはよう」

「あの、ヴィー、これは?」

ガッチリホールドの理由を尋ねます

「リリー、昨日の夜の事は覚えているか?」

「昨日?早めに寝ただけですよね?」

「リリー、君は寝ぼけて徘徊していた」

「えっ!?」

何その病気みたいな行動、

「裸足で廊下に出た所、侍女に会い、子供が泣いていると言って子供部屋へ、」

「え?え?」

全く覚えが無いです

「3人とも泣いていたから授乳させて寝かせた、最後力尽きてミリエルと一緒に寝ていたのだ」

「う、なんて事を!恥ずかしいです・・・」

リリアンの名誉の為に涎を垂らして寝ていたとは言わない優しいヴィルヘルムである。

「何、子供の為に無意識でさえも起きて行ったリリーを笑い者にする者など居ないさ」

「で、そろそろ離して欲しいのですが」

「いやだ、久々のリリーを堪能させてくれ」

えー、大きな子供がもう1人。

「仕方ないですね、ほら」


朝からイチャイチャしているとヴィルヘルム様がどんどんエスカレートして来て・・・

「リリー、前より触り心地が柔らかくなったな、それに優しい甘い匂いに、本当に甘い味がする」

ピクッ、太っ、てませんわよ!そうこれは妊娠に伴うアレです、太ってません!

そんな心の中で反論している内に、首筋から胸の辺りに移動していて

「本当に甘いな、母乳か?」

「ちょっと、ヴィー!?」

「男なら誰でも興味があるんだ、ダメか?」

ぐっ、胸張っていて、このままでは赤ちゃんが飲みにくいので仕方ないと自分の中で言い訳をつくる

「少し、だけですよ、結構赤ちゃん吸う力強くて、傷めそうで繊細なんですから」

はあ、とため息を吐きつつも許してしまう私もなんだかな・・・

こんな姿、他人に見られたら終わりますよ、主にヴィルヘルム様が。


「っ、ヴィ、強い」

「すまない、しかし、こんな味なんだな」

「・・・」

私に何を言えと。

許しておいてなんですが、やはり止めておけば良かったかも・・・


「ヴィー、それ以上は駄目」

腰に手を回して来たので、ここは死守です

産後1週間と少し程です、本当に駄目なんです。

体型が崩れています、妊娠出産したので当然ですが、これは女の矜持というやつです、男性には絶対に見せられませんし、触らせたくありません!

お腹の肉とか、皮膚が伸びている姿など絶対に!


その後、ラフィー義母様にお腹周りのお肉と皮について相談した所

「お腹周りのケアはわたくしに任せておきなさい、それにしてもヴィルったら、デリカシーないわね、もう!」

ごめんなさいヴィルヘルム様、告げ口するつもりは無かったのだけど。


「でも、わたくしの時も似たような事があったわ」

「ガウェイン義父様もですか?」

「ええ、何故か分からないけど産後に構って欲しい様子でやたらと接触は多かったわね」

「もしかして妊娠してから相手出来なかったせいでは?」

「それは有り得そうね、王家の男は外面は良いのに妻の前では皆同じね!」

その発言にルーク義兄様も含まれているのでしょうか、いえ考えないようにしましょう・・・


「人肌恋しいなら娼館でも行けば良いのに絶対行かないのよ、わたくしは別に構わないと言っても行かないの、それはそれで悪い気はしないけど」

うーん、血筋なんですかね?

ヴィルヘルム様も娼館に行くイメージありません、私は特に禁止している訳ではありませんが、行っても良いと言っても多分行かないでしょうし、それに

「実際行ったら行ったで、余所の女性の匂いを付けてきたらモヤっとするかも」

「確かにそれはそれで腹立つわね?」

勝手な事言ってますが、それはそれ、エチケットとして残り香はやめて欲しい所ですね。


――――――――――――――――――――――――――


「ねえヴィー、娼館行きたいなら行ってきて良いからね、でも匂いは落としてきてね」

「何っ!?」

「男の人は大変だと思うの、女もなくはないけど多分男の人程じゃないと思うし、だから私と子供の前でそういう気配しないなら良いから」

「待て待てリリー、娼館など、どうしてそんな話になった」

「だって最近ヴィーがいっぱい触ってくるから、違うの?」

「違う!」

「じゃあなんで?そのつもりも無いのに触ってきていたの?」

「いや、その、全くそのつもりが無い訳ではないが・・・」

「?」

とても歯切れが悪いですね。

「リリーとの時間が減ったな、と・・・」

妊娠して、出産、子が生まれて私との時間が減った、やたらとスキンシップが増えた

「もう、ヴィーったら、寂しかったらそう言えば良いのに」

「33になった人間が16の妻に甘えてられるか、只でさえ妻は子育て、仕事に忙しいというのに」

「ヴィー、言いたい事は分かりますが母乳を飲んだ時点で今更です」

「・・・」

あ、そっぽを向きました、拗ねちゃいましたね

「私は貴方の妻ですよ、ヴィーが私に甘えずに誰に甘えると言うのですか、私はヴィーに甘えていけないのですか?」

俺にもっと甘えろと言っていたヴィルヘルム様がそれでは私も存分に甘えられません。

「む、それは・・・」

言い淀んでいるうちにヴィルヘルム様の頭をぎゅっと抱き締め撫でます、思えばこれも久し振りですね

「リリー?」

「ふふ、可愛い人です本当に」

なでなで。

「リリー、君は俺を駄目にする」

言いつつ、胸に顔を埋めてくるヴィルヘルム様

「あら、ならもう少しダメになっても良いですよヴィー?」

「俺は1人の時どう過ごして居たかも忘れてしまった、リリー、出産の時は本当に恐ろしかった・・・」

「ヴィー、私は今ここに居ます、それが全てですよ」

「ああ・・・」

なでなで。



「リリーの胸は温かい鼓動で落ち着くな」

「私もヴィーの腕の中は落ち着きますよ」

「今はこのままで、いいか?」

「ええ、・・・ふふっ、また飲みますか?」

なーんて、冗だ

「ああ」


「・・・」






私はひとつ賢くなりました、言って良い冗談と言って悪い冗談があると。


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