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モブの確信。

ヒロイック王国ヒロイック王家、これがこの国の名前で王家

現国王陛下はルーク・ヒロイック、前国王陛下が御病気により44歳で退位、当時24歳で跡を継いだ若き国王陛下である、現在28歳。

王妃陛下エリザベート・ヒロイック28歳、元侯爵令嬢。

始まりは政略結婚ではあるものの、最終的には相思相愛の恋愛結婚で仲睦まじく、国王様も王妃様も学園在籍時からとても優秀な成績、社交、外交にも優れ、人柄も穏やかで非の打ち所のない国王夫妻らしい。


金髪碧眼の美男美女って、絵になるわ・・・


そしてお二人の子供が、十歳のアルバート・ヒロイック第一王子と五歳のアーサー・ヒロイック第二王子。


金髪碧眼の王子様、ベタベタのテンプレね

しかも第二王子は私と同じ五歳だから、学園では同期


正直、王子と同期入学なんて「めんどくさい」の一言に尽きるけど

子爵令嬢如きが王子に挨拶する機会も早々無いでしょうし

まあ関係ないわね。

下の者から上の者に挨拶する事なんて、紹介されない限り無いでしょうし。


王城の大広間に貴族家当主と五歳になる子供が一堂に会して、今からお披露目会なのよね


お披露目会とは、次代の子を王家にお目通りする

王家主催の顔合わせであるが

此処では王家へのお披露目であると同時に

各貴族家同士のお披露目でもある。


実際の所、基本的には

公爵、侯爵、辺境伯、伯爵でひと塊

子爵、男爵でひと塊

という状況である

例外としては面識があるか親戚血縁関係にあれば、爵位の差が有っても挨拶している

と言った感じね。


下位の者から上位の者に対しての声を掛ける事は許されておらず

仮に上位の者から声を掛けられても、何か裏がありそうで怖い

私はモブ、私はモブ・・・


と、背景と一体化する気持ちで居ると

お披露目が始まり、爵位の上の者から順番に陛下に挨拶し始めました。

隣に居るお父様が、損は無いから出来る限り人を覚えておくようにと

「今、陛下の所に行ったのは筆頭公爵家の〇〇、次に行ったのは△△公爵家の・・・」

と小声で教えてくれます。


お父様の解説を聞きながら様子を伺っていると

気の強そうな金髪ロールの子が行きました

「あの娘はアークスフィル公爵家のマリエル嬢」


ふうんと聞き流しながらも、此処から続く続く


真っ青の髪を持つ侯爵家令息

深紅の髪を持つ辺境伯家令息

黄色の・・・

緑の・・・


目に痛いカラーリングね

なにこれ、乙女ゲームなの?

私「遥かな時空」と「メモどき girls side」位しかやった事ないけど、ヒーローはド派手な色彩持ちが多過ぎるわ。


金髪碧眼王子

金髪ロールの公爵令嬢に

青、赤、黄、緑の高位貴族令息

私も「赤毛」なんて言うけどね、赤毛のアンみたいな赤褐色でありふれている髪の色よ

なのに赤の人は本当に紅、薔薇色の髪よ

あんな頭してどんな気分なのかしら(失礼)


これでピンクの男爵令嬢なんて居たら完璧よね

周囲を見渡すと




居たわ(笑)


「お父様お父様、あの桃色の髪の方は?」


「あの方はロック男爵家だね、アリシア嬢だよ」


(決まりね・・・、ベタベタのテンプレ構成だわ、しかも全員同期で、ここまで来ると・・・)

「お父様、お聞きしたい事が有ります」


「ん?なんだい?」


「先程のドリ・・・、いえマリエル公爵令嬢とアーサー第二王子殿下って・・・」


「ああ、良く知っているね、マリエル嬢とアーサー殿下は婚約者同士だよ」


(ベタにベタを重ね過ぎか!)


乙女ゲームの世界確定ね

王子に、婚約者の公爵令嬢、青、赤、黄、緑の高位貴族子息に、桃男爵令嬢。


そしてお父様の貴族解説をよく聞いていると

物語に絡みそうな人物は派手な色彩と、「まともな」家名を持っているわ

いいえ、まともと言ってもアーサー・ヒロイック第二王子なんて

俺がメインヒーローだ、と言わんばかりのネーミングよ。


逆に、地味系容姿の人物は家名も適当

我が子爵家モブラックなんて「モブ」って入っているし

他にも「モブ」「mob」を意識した家名がやたらと多い

(みんなモブね)


やだなあ、ここまでベタなテンプレだと

カラフル軍団、学園で絶対問題起こすに決まってるわ


あ、でも大抵は男爵ヒロイン視点が大半で

モブなんて

『どよどよと周囲がざわめいた』

位しか出番無いんじゃない?(笑)

彼らにとっては背景≒モブ≒大衆、程度の存在感しか無さそうだし絡まれずに行けるかも・・・


まあヒロインの行動とヒーローの行動が乙女ゲームでは描写されているけど

じゃあモブ達は、その時何もしていないの?って言うと、それは違うわよね。

ゲーム内で描かれていないだけで、モブも食事は摂るし、寝るし、怒ったり、泣いたり、喜んだり

当然、それぞれの人生を生きている筈よ、うん。


特に乙女ゲームの攻略対象者なんて、話を盛り上げるのに都合が良い、と言わんばかりに

設定と言う名のトラウマ抱えていたりするし

めんどくさいわね・・・

他の人が辛い思いやトラウマが全く無い、という事は勿論無いでしょうけど

殊更に、設定積み重ねられている彼らに近づく気はないわ。


頑張ってステルスモブ令嬢として生きる!

自分の人生は自分が主役よ

私はモブだけど、ストーリーの裏で主役を張るわ。

タイトル回収。

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