モブ、騎士と語らう。
焚き火を囲んでいるとお姉様方に聞かれます
「リリアンちゃんは何で騎士の野営に来たの?令嬢でしょ?」
まあ不思議に思いますよね
「私、多分欲張りなんです、後悔もしたくなくて、やりたい事は何でもやりたくて」
だから、来た。
「普通の令嬢の欲張りって、ドレスや宝石、あとは爵位、名声なんじゃないの?」
おかしな子だね、そういうのは欲しくないのかと笑われるが、イヤな感じの笑いではない。
「本当に欲しいのは素敵な旦那様だけで良いんです、ただ私は貴族なので立場に応じたものを領民領地に還したいと思っています」
「おお、ちゃんと貴族してるじゃないか、期待してるよ頑張っておくれ、そういう貴族を守るのが騎士達の仕事さ」
ニカっと笑顔を向けてくれる。
「はい、ありがとうございます」
私も笑顔を返す
「しかし、素敵な旦那様と来たか、宛は?いや、婚約者は居るのかい?」
「はい!素敵な婚約者が居ます、お姉様は?」
「あたしも居るよ婚約者」
きゃー、凛々しいお姉様が照れると凄い破壊力ですね
ギャップ萌えですわ。
お相手は?
出会いは?
馴初めは?
好きな所は?
見張りの交代が来るまで恋話で盛り上がり、あっという間に夜は更けていった
お姉様方も恋話好きなんですね。
おはようございます・・・
慣れない装備で歩き回ったので全身筋肉痛と疲労、少しの寝不足で身体がとても重いです
騎士様の体力は本当に凄いですね。
私は今日で野営参加終わりです、ヴィルヘルム様に1泊2日以上は認めないと言われていますので、私だけ帰ります。
お姉様方は1週間野営をしてから帰還するそうです、迷惑と手間を掛けさせてしまったので、帰ってきたら差し入れを騎士団に送っておきましょうか。
久々に自分で乗りたいので騎馬を借りて行きます、行きは護衛騎士のお姉様4人と一緒に、帰りはお姉様に騎馬をお預けして返します。
「本当に馬乗れたんだね、騎士でも目指してたのかい?」
「ええ、剣が重くて振れないので諦めましたが」
なんて冗談も交わす位には仲良くなれました、恋話の力です(笑)
さて帰ってきたら、即拉致、いえ監禁、公爵邸ヴィルヘルム様の腕の中です、動けません。
「あ、あの、ヴィー?苦しい、、いえ私1日お風呂に入ってないし、汗かいてるからちょっと・・・」
離れ、
「ぐえっ」
ハグが更に強くなったのですけど、なんぞ。
「リリー、俺がリリーの事をどれだけ心配したか理解しているのか、ご両親だってそうだ、絶対安全なんて事は無いんだ、ましてや近いと言っても王都から離れて野営などと」
う、そう言われると、
「ごめんなさいヴィー、これからは少し控える様にします」
「止める、とは言わない辺りが君らしいが、事と次第によっては認める訳にはいかない、解ってくれるな」
「はい・・・」
そうね、私もちょっと勝手過ぎたわ、うん反省しましょう。
「では、お仕置きだ」
え・・・
「はい?」
「心配を掛けた、野営に出る前に約束しただろう」
どういう事!?
「ヴィー?何を言っているの?」
「言うことを聞かないで野営に行った、つまり、悪い子だ」
う、ううーんん??
「でも、野営参加は認めてくれたじゃない」
「君の意思を尊重しただけで、俺は認めたつもりはない」
あ、これはマズい流れね?私知ってるわ、この流れ!
「ま、待って、私埃だらけだしお風呂も入ってないから汗とか、汚れが・・・」
と、なんとか止めようとするも
「確かにいつもよりリリーの匂いが濃い、いい匂いだ」
とかなんとか言って、首すじにヴィルヘルム様が顔を埋めて嗅がれる、きゃー!
「いやっ、待って、本当に止めて下さい、」
本当に止めて!女としての何かが失われている気分です
「駄目だ、お仕置きだからな」
と聞いてくれないヴィルヘルム。
「や、淑女とし・・・、ンンーッ」
唇が合わされたと思えば、口内をあっという間に侵され余裕を無くす。
抵抗しようにも野営の疲労でままならない
そも、万全な時でも勝てないのだが・・・
羞恥と疲労、想われている充足感に流され、早々に諦めて応え始めるリリアン。
だが容赦の無いヴィルヘルムによって、息を整えるのも赦されず、腰から力も抜けてしまいグニャリと近くのソファーに倒れ込んでしまう。
ハァハァと肩で息をして、顔を赤に染めるリリアンにヴィルヘルムは言い放つ
「今から湯浴みの準備をさせよう、湯浴みが終わったらお仕置きの続きだ」
嬉しいけど、ちょっと色々いっぱいだから待って欲しい
「ご、ごめんなさい、もうわがままは言わないから、許して」
熱くなった顔に涙を浮かべ言葉にすると
「今回はどれだけ心配したか解ってもらう」
止める気はないと言外に言われ、続けられるキスにリリアンは翻弄される。
(なんでヴィーはこんな執着系溺愛になってるの、ラファエル義母様は何か知っているかしら・・・)
ふと、気付く、扉 開 い て る!
当然である、未婚の女性と密室はマナー違反なのだから。
キスを見られる!?
(いえ待って、ここで誰か来てくれれば助けてくれるわ!)
この際キスのひとつやふたつ見せて構わないと必死である
なんと幸か不幸か、廊下を通りすがる救いの神が現れた。
侍女長アリアである
リリアンはキスをされたままアリアと目が合い、必死に視線で助けを乞う・・・
(アリアさん助けて!キスで死んじゃう、ヴィルヘルム様を止めて!)
が、しかし
あらあら、ご当主様とリリアン様は仲がよろしいようで結構な事で御座います、公爵家も安泰ですわね、うふふ
と言わんばかりの満面の笑みで口に手を当てて
音も立てずに扉を閉めて行った。
神はもう居ない・・・
手が出せない分、激しいです。




