モブ、は見た。
入学式の次の日、クラス分けです。
顔見知りの令嬢が居ると嬉しいですね、モブでもボッチは嫌です
ロッテ先生に家庭教師に付いてもらっていた時に何人かの令嬢をご紹介されまして、マナーの授業としてお茶会を開いて、招いたり招かれたりとしていたので一応友人は居る、筈です・・・
一先ずクラス分けを確認しに行きます。
うんうん、なるほどなるほど。
王子withカラフル軍団と同じクラスになりました
勿論、男爵令嬢ヒロインちゃんと公爵令嬢マリエル様も一緒ですよ、ヒーロー、ヒロイン、悪役令嬢、勢揃いですね
もうちょっと手加減してくれませんかね乙女ゲームさん?
まあ、ふわっと後ろの方にそんな奴も居たなポジションを目指しますわ。
そうそう、知り合いも居たのでホッとひと安心しました
隣の伯爵領、双子の姉妹ララエルちゃん、ルルエルちゃんです、私はララ、ルルと呼び、ララとルルは私をリリと呼び合う、仲良しです!
ラリルレロですね、相変わらずモブ設定は雑なゲームですわ。
実はララとルルは双子あるあるで、伯爵御両親でさえ偶に間違ったり、入れ替わりをして遊んでいたのですが、当時ハグ好きの私が抱きついて判別した事で仲良くなりました。
何故かハグすると判るんですよ、五感に触れるものが有るのでしょうか謎です
ララ、ルル曰く、見た目は同じ、お手入れ品も共通なので匂いも同じらしいので、多分触感で判別してます。
つまり抱き心地で判断してます(笑)
それが解った当時は本当に笑いましたね、伯爵様達も驚いた後に百発百中の私を見て爆笑していました。
今回の再会では勿論
「久し振りね、ララ、ルル」
と言って、ハグした後に指を差して言います
「ララ」「ルル」
「「当たりよ、リリ」」
これは私達の儀式みたいなもので、通常指差しはマナー違反ですから注意です。
これからララとルル一緒に楽しく学園を過ごせそうですね。
ララとルルはブルネットの髪で暗めの焦げ茶となっています、ありふれた色なので私と一緒にモブ令嬢の使命を全う出来るでしょう。
まあ、私達が地味と言うより、王子とカラフル軍団達がやたらと目立っているだけね
カラフル軍団がクラス分けを見に来ると、令嬢方の視線が凄い事になります。
熱い秋波ですが、本人達は慣れているのか無視しているのか素晴らしいポーカーフェイスですね
因みに第二王子アーサー様がヒロインちゃんをお姫様抱っこして連れて行った事は、見事に噂となっています。
あー、私は知りませんよ
ララとルルが
「今年は派手な人が多いね」
「王子に彼らね」
と、カラフル軍団の事を話します。
「「私達には縁のない方々ね」」
ララとルルには仲の良い婚約者が居るので他の令嬢のように熱い視線を投げたりしません
「私も関係ないわ、平穏に卒業出来ればそれで」
「あら?」あらあら、と双子が笑う
「「リリ、貴方もしかして・・・」」
「ええ、婚約者がつい先日決まったの」
プロポーズを思い出して顔を赤くし笑顔になるリリアン、それを見て双子が
「「あらあら、その様子だと彼の御仁なのかしら?」」
「ええ、まだ明かせないのだけど、ご家族には挨拶を済ませてあるわ」
「「婚約おめでとう、叶って良かったわね」」
リリアンの言葉が意味する所を察してくれる自慢の友人。
まだ公表は出来ない、ただ正式な手続きは終えている、その内言える時までは、である。
幼い頃、リリアンが誰を想っていたかは知っているし、そのご家族となると・・・
相応の理由がある事。
「うん、ありがとう」
心からの笑顔で応える。
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クラスに移動して授業が始まります、ロッテ先生のお陰で勉強に困る事はありませんが確認の為に真面目に聴きます。
学園内での時間の使い方は、基本的に子息令嬢と交流して顔を広めておきます
私は子爵令嬢なので基本的には、伯爵、辺境伯、侯爵、公爵位の方達に私から話掛ける事はありません、つまりカラフル軍団とは自然と距離が開きます、高位貴族から来ない限りは接点ありませんからね。
そして高位貴族から話し掛ける程、表向きの私には利点がありませんので安心ですね、王弟公爵のヴィルヘルム様の婚約者と知っているのは父、母、兄、王家でも国王陛下夫妻と先王陛下夫妻のみで公にしていませんからね。
唯一ララとルルが私の事を察していますが、言い触らす事はしないと知っています、うん取り敢えずは安心ですわね。
つまり、私が主に交流を持つのは男爵、子爵、あとはララとルルが居るので伯爵までで済みます。
普通の貴族であるなら、より高位の貴族と縁を結びたいと行動する事になりますが
このまま無事婚姻を挙げる事になれば、私は公爵夫人となるでしょう、その時は同じ公爵位の方にはヴィルヘルム様にご紹介して頂く事になりますし
以下、侯爵、辺境伯には必要に応じてこちらが主導の交流になりますので、高位貴族との交流は今後の話になります。
はあー、もう貴族の世界って本当に疲れます
何度も言いますが、私はヴィルヘルム様の隣に居られればそれで言いのに、爵位と周囲がそれを許さないので、受け入れるしかありませんわね。
ララとルルも高位貴族との縁は必要無いとの事なので、簡単に言えば仲良く出来る友人を探しましょう!に終始します(笑)




