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モブ、先代国王に会う。

ルーク国王陛下とヴィルヘルム様の両親である前国王様と王太后様は離宮で過ごして居られるそうです。

そもそもルーク様が跡を継いだのは、前国王陛下のご病気の為に退位した事から始まっています。


実はお披露目会の時にお父様が陛下にお話を通せたのは、モブラック子爵領にて前国王陛下が療養していた時期があり、水が合ったのか病状の改善に一役かったそうな。

その時に、感謝を賜ったそうです


水源を抱えてますからね!綺麗な水には自信がありますよ。

何が縁になるか分かりませんわね、情は人の為ならずとはよく言ったもので、情は世代も越えたりするのね。

お父様凄いです。


前国王陛下の病状はほぼ完治して、悠々自適に過ごしているそうですが

世代が違うので、どのような方なのか想像がつきません。

ヴィーは「大丈夫」と言いますが

実子と第三者では違うのでドキドキですわね・・・


「国の頂点である兄上、義姉上と友人になったのだから

もう怖いものなど無いだろう、大丈夫」

(ええー、その頂点の親だから余計緊張するのでは)

そもそも国王夫妻を捕まえて友人と言う表現、流石の(元)王族だわと関心半分、呆れ半分である。


「兄が認め、俺が連れてきたと言うだけで喜んでくれるさ、それでも不安なら安心するおまじないでも試してみるか?」

「はい?」

おまじない、って人と手の平に書いて飲むとか?


ちゅ、


「ほぁっ!?ななななにをっ」

口元を手で押さえ1歩距離を取る

「ほら、他の事などどうでも良かろう」

何かプロポーズ辺りから接触増えてませんかね?

エスコートする時も抱き寄せられたり

あと、主にキ、キスとか・・・

外ではやめて欲しいですわ、それに此処は王城ですし

誰かに見られたら・・・


「成程、外でなければ構わない、と」

(はああー、声に出てましたか、手加減して下さいませ)

「それにもう手遅れだ」

ん?と顔を上げると

信じられないものを見たとばかりの表情を浮かべる騎士様

「うっ」

見られましたか、恥ずかしい限りですわね。

いえ、そもそもこの区域に居る騎士様は近衛騎士団では無いのでしょうか

ヴィルヘルム様の同僚ですわよね、いいのですかね。

ちらと顔を見ると、良い笑顔で言われます

「お披露目だ、どうせ頻繁に来ることになるからな」

「ええー、あまり王城に近付くつもりは無いのですが」

「それは無理な相談だな、少なくとも義姉上(あねうえ)には呼ばれるぞ、気に入られたようだからな、俺の婚約者と周知しておいた方が何かと都合が良い」


ううう、多分乙女ゲームには干渉していない筈なのに王族にはどんどん食い込んでいってるのは何故・・・


「ま、取り敢えずは父上母上に会おう」



――――――――――――――――――――――――――


「おお、君がヴィルの良い(ひと)か良く来てくれたね、初めまして儂はガウェイン、会えて嬉しいよ」

「わたくしはラファエル、可愛い娘さんヴィルヘルムの事をお願いね」


うん、いい人でした。


いやまあ、ルーク陛下とヴィルヘルム様の両親ですものね

二人の性格考えるとご両親が滅茶苦茶な性格している訳ありませんわ。


「初めまして、モブラック子爵が長女リリアンです、宜しくお願い致します」


「堅苦しい事は無しだ、義娘(むすめ)になるのだからな」

「ええ、ええ、そうですとも気軽にお茶飲みに来て下さいな」

あと、気さくに義父(ちち)義母(はは)と呼んで?

ニコニコと好々爺然とした様子で言われる。


(ルーク陛下とエリザベート王妃様にそっくりなんですけど!?

ガウェイン様の子であるルーク陛下がそっくりなのは解るけど、ラファエル様とエリザベート様がそっくりって血縁関係ない筈なのに、乙女ゲーム開発者の手抜きなの?

ストーリーと関係無い所は雑な世界ね)


「それにしてもヴィル、貴方があんな独占欲を持っていたなんて、わたくし知らなかったわ」

ニマニマと面白いものを観たとばかりの笑顔で言う

「王城内でリリアンちゃんにキスして、あんなにイチャイチャしちゃって・・・」


見 ら れ て た (泣)


「あそこは離宮から丸見えなのよ」

「これから頻繁に出入りするので、周りには知らしめないと困るでしょう」

「ヴィル、やり過ぎると嫁に逃げられるぞ、程々にしておけ」


誰も止めてくれない、と一人項垂れる。



「そう言えば、ルーク達には会ってきたのか?」

「ええ、先程」

「孫達に顔は」

「合わせてません、次代を担う王子達に王弟と王弟の婚約者が近付くと何かと煩い者が居ますし、それにリリアンはアーサーと同期の学園生となりますから」

「ああ確かに、余計な疑念は抱かせるべきではないな

リリアン申し訳ないが学園内でも可能な限り・・・」


「はい!距離を取ります!」

ええ!願ったり叶ったりですわ!満面の笑顔で言うと


お義父様とお義母様は目を丸くし笑う

「王子に近付くなと言われその反応か、普通は逆なのではないか」

「ウェイン、リリアンちゃんはヴィルに夢中なのよ、ヴィルもリリアンちゃんに夢中みたいだけど」


(んな、いや夢中なのは事実ですけどね、王子がめんどくさいのもあります)


「ふふ、ヴィルとリリアンちゃんの結婚式が楽しみね、そうだドレス一緒に選びましょうね」

いい事思い付いたとばかりに手を合わせて言う

「母上、ドレスは義姉上も同じ事を言っていたので二人でやって下さい」

「あらあら楽しみね、婚姻式と結婚式何時にしましょうか」

「エル、義娘はまだ入学前だぞ」

「いやだウェイン、こんなに可愛くて優秀な義娘なのよ?

他に取られるかも知れませんわ、直ぐに挙げても良いくらいよ!」


城に来てから王妃王太后に可愛い可愛いと言われ、モブ顔なのに、と困るリリアンであった。




色々言われ、やはり王太后も、と言った形で

王の女達の勢いに気疲れしてしまったのは仕方ない事である。

高貴なる方達なのに、やっぱり何故か距離感が近すぎるわ!

どうやらヴィルヘルムとの婚約は歓迎されているようなので、その点だけは感謝している。

(よし!後は学園内の事だけね・・・、目立たず騒がず行きましょう、私はモブ、私はモブ)

兄は弟が好きでいじり、弟は婚約者が好きでいじわる。

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