表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/99

モブと別れとこれから。

怒涛の6年間でした。

因みに剣術、護身術、馬術を習った辺りから

ロッテ先生から提案で追加の授業が増えました

その中に首を傾げる内容が幾つかありました。


ヘアピンを使っての鍵開け、縄抜けの方法

夜会用のドレスを着たまま走る練習


・・・




え?私、拐われるの?

これ、拉致誘拐される前提ですよね?

ロッテ先生?


ふふふっと、そんな綺麗な笑顔浮かべて

あ、答える気ありませんねコレ。



――――――――――――――――――――――――――



さて、ロッテ先生と初めて出会った時から8年、とても良い関係を築けたのですが

遂にお別れです、いや8年も拘束してしまって申し訳ないです。

家庭教師で8年なんて、いくら何でも長すぎですよね

「出来の悪い生徒でここまで時間が掛かってしまい、申し訳ありませんでした。

ロッテ先生から教わった事は決して忘れません、これまでお世話になりました、ありがとうございます」

と伝えると

「リリアン子爵令嬢、貴方は出来の悪い生徒ではありません、ここまで長い付き合いになったのは勉強とは無関係の所です、貴方はとても優秀で()()()()授業を修めたのですから自信を持って公爵様の所へ行くと良いでしょう」


最初の頃を思うとロッテ先生が優し過ぎて泣きそうです。

教師の仕事以外で長引いたとなると、それはそれで申し訳ないですわね

あと、まだ婚約もされてないのでお嫁に行けるか分かりません・・・


「これからは友人として社交界で会える事を楽しみにしています、それ迄精進するように」

「はい!本当にありがとうございました」




リリアンは知らないが実は婚約の話は進んでいる

子爵家両親は勿論の事、両家の使用人、特に公爵家の執事と侍女長主導で互いの情報を共有

特にリリアンの情報は事細かに伝えられ、何かあれば上手くヴィルヘルムが動くようにさり気なく会うように勧める。

と言った具合に両家十全の支援を受けて

本人達は仲を深めていったのである。

それらの経過は当然兄の国王陛下にも報告されており、知らぬのは本人達のみであった。


そして・・・



国王陛下の執務室にて

周りを下がらせて兄ルークは言う

「よく来たなヴィー」

「ルー兄、いきなり呼び出して何?仕事ではないでしょう?」

「おう、お前婚約しろ、相手は分かりきっているなモブラック子爵令嬢だ」

と雑に言う。

「また何を突然・・・」

とヴィルヘルムは呆れてしまうが、言われた時点で断れる気もしない。

この兄は言い出したら聞かない、そもそも現在のリリアンとの交流もルークが言い出した事である。

そして、無茶苦茶言っているようで結果から見ると最高のタイミングであったりと、なんだかんだで適わない事は知っている。

だからと言って、いいなりになるのも癪ではあるが


「なんだ、令嬢が嫌いか?」

「いや、嫌いではないけど・・・」

この6年間で好意に値する気持ちになったのは自覚している

が、わざわざ兄に伝えるつもりもない

「なら好きなんだろ、報告は上がっている婚約しろ」

「は?報告?」

呆然となる弟に続けて言い放つ兄

「なんだ、使用人達が手を貸していた事に気付いてなかったのか?

令嬢のドレスや部屋が公爵邸に用意されていて、お茶会の開催や贈り物を勧められた覚えは?」

色々覚えがあり過ぎて言葉を失う、しかもやたらとタイミングが良かったり、贈り物を外した記憶もない・・・

「どうやら周りの様子も目に入らない程には、夢中になっていたようで何よりだ

もう、()()()()()でもないし6年の付き合いだ、さて婚約に異論は?」

と、兄は本当に意地の悪い笑顔になる。


「・・・、ありません・・・」

兄に踊らされた事が解り、リリアンとの仲も揶揄われてしまい、顔を赤くして返事をする。


「プロポーズはお前から言えよ、6年前の時点であっちからは好意を伝えて居たんだ、分かるな?」

「そこまでは腑抜けてませんよ」

「ならいい」

ため息をついて、ヴィルヘルムは仕切り直す

「何故、この時期なんですか?彼女はまだ11ですよ」

「それは6年前にも聞いたな、()()じゃない()()11だ」

「しかし」

「学園入学までもう1年ないぞ、6年間大事に()()()娘を盗られても良いのか?」

そして

「ヴィー、お前が思うよりも()の令嬢の価値はずっと高い」

確かに年齢の割にとても頭の良い娘ではあるが、国王陛下が認める程かと聞けば、そこまでではないと言えるだろう。

疑問に思っていると

「見ろ、この報告書は子爵令嬢が行った事実だ」

報告書を渡され、内容に驚く



馬車の改善

新しい素材の提案

本の執筆


全部知っている、それらが彼女に結び付くとは思っても居なかったが


身体を傷めない馬車、我が公爵家にもある

通常の鉄より硬い鉄、錆びない鉄、近年出回り始め騎士団の装備にも一部採用されている

本の題名、侍女長アリアから王都で人気だと言われ、彼女と行ったオペラが同じ題名


「しかし、これは・・・」

「令嬢に繋がらないのは当然だ、元を辿れば子爵領までは行き着くが、そこからは代理人や偽名で本人まで辿り着かない」

王弟の婚約者候補となって影が護衛と身辺調査に付き、偶然にも元を押さえた形になって初めて繋がった、という。


「隠す理由は目立たないように、だろう。

これだけの事、子爵令嬢が金の卵と判れば、没落しかかっているアホ共に食い物にされるからな」

だから婚約しろ、と。

「まあ、良かったなヴィー」

「?何がですか?」

「お前の婚約に何かと口を出す奴ら、権利を棄てたと言っても王弟公爵様だ、子爵令嬢如きが婚約者などと!それより我が娘をと言って来ても、黙らせる十分な実績だ、表に出さなくても、な」


彼女は王弟の伴侶としての価値を示した、と。

丁度相手が居ない、ただ好きと言っただけで通る程甘くはなく。

相応の利を示さないとおはなしにならない、という話です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ