表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/99

モブと先生。

3話に前世田中話を差し込みました。

読み返さなくても問題ありません。

ヴィルヘルム様と交流し始めてからロッテ先生の授業の難易度がやたらと高くなりました。

曰く、

「爵位に応じた教育が有るのです、子爵には子爵の、公爵には公爵に応じた、リリアンお嬢様、貴方は公爵夫人になるのでしょう?

なら、それに応じた教育になるのは必然です励みなさい、将来困るのは貴方で、恥をかくのはクロイツェル公爵になるのですよ」

と、発破を掛けられてしまえば、それに応えるしかありません。


勉強の量が膨大なものになります、貴族の手本となる公爵には貴族として一番知識が求められます、伴侶となる者も同じ事。

と詰め込まれますが、私暗記は得意ではありません・・・、頭が熱くなった気がします、ひぎぃ。

そして、手の位置が、首の角度が、扇の扱いは、ダンスはと続きます

「型にはめられる」とはこういう事を言うのでしょうね

今なら私、ロボットダンスをカチカチに踊れる気がしますわ!

仕上げは貴族年鑑を覚える事、必死に暗記している側に

「今覚えているのは国内の貴族、こちらは他国の貴族年鑑です。

他国は主要な貴族だけで構いません」

ドンっと数冊ぶ厚い本が置かれた時は

お耳とお鼻から何かが溢れたような気分になりましたわ。

大丈夫?何も出てない?


そして、そんないっぱいいっぱいになっても、弱音を吐いたり投げ出したりしません。

お会いしてから6年、ヴィルヘルム様は28歳です

当時も大人の魅力をお持ちでしたのに、更なる落ち着きと重厚感と言うのでしょうか

30過ぎたらきっと、イケおじ様の色気を纏って私は死ぬでしょう、はぁはぁ。

そんなヴィルヘルム様と並ぶに相応しくない等と、絶対誰にも言われたくありません!

捨てられたら多分立ち上がれません・・・

婚約もまだですけど、5歳の時の親戚の姪姫的扱いよりは進んでいると信じたいですわ。


そして、ロッテ先生とも8年のお付き合いです

通常、家庭教師が8年なんて付きません

ええ、この数年自重せずにアレやコレやと行動した結果、こんな長いお付き合いとなりました。

最初は令嬢がお金稼ぎをするなんて、と難色を示されましたが

馬車の乗り心地について力説した所、賛同戴けましたので、ここぞとばかりに畳み掛けます。

街道整備の提案書をお見せして、大量の資金が必要である事、ひいては領民の生活が向上する事。

治水事業に関しても、水源の維持管理や氾濫対策、こちらも提案書をお見せしてご理解頂けました

何よりも、これらは公共事業として長期間大量の雇用を生み出す事を材料に説得致しました。


各種提案書への指導相談、資金調達の為に執筆作業の添削等など、気付けば数年経ってました。


他にも剣術と護身術、乗馬をやりたいとお父様にお願いしましたらロッテ先生が教えて下さるという事になりました。

ロッテ先生何でも出来て凄すぎます、ハイスペック過ぎませんかね?

剣術は流石に駄目かなと思っていましたが、普通に教えて下さいました

まあ、この世界治安悪いと言うか、命が軽いです。

日本と比べたら全てそうですが、野盗、物取り、偶に聴く噂では暗殺も

医療技術もそんなに高くないのも手伝って、割と生死が身近にあります。



剣術は騎士剣ではなく、ナイフでの訓練です

先ず令嬢が剣を握る機会などありませんし、まともに振ることも出来ません、当然ですわね。


護身術も戦闘術ではありません、身を護る術なので

危険を避ける、避けられなければ逃げる隠れる、最後の手段として急所攻撃を教わります。


捕まったら力で勝てる筈がありません、逃げろ

逃げられないならば一切の容赦なく急所攻撃、やれ

だそうです。

前提条件が、そもそも貴族を襲うという判断を下した人間、平民なら捕まれば極刑、貴族でも醜聞は避けられなけれない為に表に出ては来られない、情けは不要。

ロッテ先生、訓練用の木人の急所踏み砕いてます。


また、襲う大義名分を得るつもりなのか分かりませんが、と。

平手打ちを受ける方が意外と居ます

良いですか?腰を入れて、手の平を()に向かって垂直に打ちなさい、この時振り抜いてはいけません、止めるように。

大体は動きが鈍ります、これで逃げられます。


本当に鼓膜破壊攻撃(容赦のない一撃)ですね、ロッテ先生貴方の過去に何かあったのですか?

謎です。



乗馬、いいえ馬術でした。

トコラトコラと慣らしていたかと思えば、いつの間にか全力で駆ける程になっていました、あら?

意外と目線が高くて怖い、なんて思っていたのは最初だけ


ロッテ先生と二人乗りして

「しっかり捕まってなさい」

と言われたかと思えば全力疾走です。

「ぎゃああああああ、ロッテ先生ロッテ先生!」

「舌を噛むので口を閉じなさい」

問答無用ですかそうですか


一通り走り回って、腰を抜かしていると

「どうでしたか?」と聞かれ

「こ、怖っ、高っ・・・」

絞り出して言うと、ニッコリと笑いながら

「もう、そうそう怖い事になどない筈です、あとは好きに乗って慣れなさい、注意事項は事前に説明した通りです」


ロッテ先生座学も鬼ですが、実地はスパルタですね・・・



そんなこんなで、ロッテ先生と色々やっていたら8年の長いお付き合いになりました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ