女騎士と幻獣(改)
短くてゴメンなさい!!
改稿→12/02
傷を癒した僕と人間の姿に戻ったユンの二人で女騎士と向き合う。
女騎士は僕たち二人に興味深々といった感じだ。
女騎士が「コホンッ」と咳払いをして語り掛けて来る。
「お前達は『再会の街』の状況を知って立ち上がった冒険者か?」
「あのその、そうです。僕は人の役に立ちたくて……」
「そうか。私もお前達と同じだ。再会の街の裏事情を知って魔王軍の幹部と戦おうと思い立ち上がった者の一人だ。名乗り遅れた。私の名はガーネット・フォン・アルタイルだ。ガーネットでいい」
「ガーネットさんですか。助けてくれてありがとうございます。僕はトーヤ。こっちの子はユンと言います。ユン、挨拶をして」
「ご主人! ご主人は年増がいいの!? ボクより年増が好きなの!? そんな命令聞きたくないやい!」
この子は何を言いだすかと思ったら、恐ろしいことを言う。
僕はガーネットさんにそんな感情を持って無いよ? 確かに美人な方だけど惚れるまで傾倒してないからさ。
「あのその、すみません。ユンはちょっとおかしい子なんです」
「おかしいと言えばお前達は何者だ? 瀕死の状態から生き返る生命力を持った者に、癒す幻獣の子。お前達の職業は何だ? 私は『ブレードダンサー』だ」
ブレードダンサー――。
どんな剣でも自由自在に扱い、敵陣の中でも華麗に舞うように戦い狂う屈強な戦士の職。かなりの剣術の才能と知識が必要な職種だと受付嬢に聞いた。憧れた職種じゃないか。格好いいなぁ!
「僕は冒険者ギルドに登録した職種は無いのですが、名乗る職はあります。僕は『召喚士』です。そして、ユンは見られた通り幻獣ユニコーンです」
僕の言葉にガーネットさんは鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしては数秒間無言になった。
何か変なこと言ったかな?
「ガーネットさん?」と声を掛けた時、彼女は息を吹き返し、大声で語りかけて来た。
「ここに来て古の民の職種『召喚士』を名乗るだと!? 確かに、幻獣を見たし、文句をつける所は無い。だが、一八年間の私の人生の間で一番の話題ではないか! お前、私をパーティに加える気は無いか!? 腕には自信があるぞ! 見たところお前達はソロのようだ。考えても損は無かろう!」
鼻息荒く、ガーネットさんは僕に詰め寄って来た。
瞳はキラキラと輝いたおり、まるで新しい玩具を見つけた子供のようだ。
多分、僕達に興味を持ったのだろう。
僕は構わないよ。
でも、若干一名、本気で嫌がってる子が居るんだ。
「ご主人! ボクは反対! 大・反・対! ボクが居るからいいじゃない! 何で年増を入れるのさ! ボクと二人っきりじゃなくなるんだよ! ご主人はそれでいいの!?」
何時、僕がユンと二人っきりが良いと言ったかな?
その時、ユンの悪態に反応した人もいた。
「おい、ユン。私を年増扱いするな。見ればトーヤは一七歳程。私は一八歳。そう変らない年齢だ。そういうお前は何歳だ? 幻獣とは『人間が頂点に存在する生態系の外に存在する最も特殊な霊体』だ。歳という概念すらあるか解らないが、お前は確実に私より『ババァ』だ」
「ば、ババァ! こ、ここここ、コイツ!? ボクを馬鹿にする気だな! いいもん! ババァでも、トーヤはボクを好きって言ってくれるもん!」
ガーネットさんはため息一つ吐くと、僕の左腕に右腕を絡めては面妖に微笑む。
「見ろ。トーヤは私にも身を許すぞ? お前だけの物ではないのだ。現実を知れ」
ガーネットさんに腕を組まれた時、右手の甲が熱くなった。
何だ?
また、不思議な感覚を覚える。
まるで、ガーネットさんも――。
まさか。考え過ぎだ。
横でギャイのギャイの言い合う二人を見てまるで姉妹が再会したような気がしてならなかった。