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DQ転生?物語 ~車椅子の救世主~  作者: イツモ ノアレ
第1章 入院編
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第5話 これは転生?

俺は自販機でレモンスカッシュを2つ買い、さやかと一緒に病室へ戻ってきていた。


妹「おにーちゃんってほんとレスカ好きだよね~(笑)」


オレ「さやかもな!(笑)」


そう、俺たち兄弟は小さい頃から冷たい飲み物と言えばレスカが定番なのである。


オレ「なーさやか、ちょっとおにーちゃんのほっぺたをツネってみてくれ。」


妹「え?いいの?」


オレ「うん!思いっきりたのむ!」


妹「じゃ!」

ギューーーーーーーッ!


オレ「いたたたたたたたたたた! おい少しは、手加減しろよ!(涙)」


妹「自分で思いっきりって言ったんじゃないの! あははははははは!ちょーうけるんですけど!」


俺はさやかを笑わせるためだけに頬をツネってもらったわけではない。

さっきまでさやかと過ごしていた検証の時間そのものが、俺の幻覚である可能性をつぶしておきたかったのだ。


妹「あ、もう6時か。あたしそろそろ帰らなくちゃ!」


オレ「ああ、今日はつきあってくれてありがとな!」


妹「いいよ気にしなくて!それよりも、いつかちゃんと説明してよ!じゃね!」


そういうとさやかは帰っていった。

さやかは今日の検証の意図にうすうす勘付いているようだった。感のいいやつだ!


俺は、さやかが差し入れで持ってきてくれたリンゴの皮をむきながら、事故にあった時のことを思い出していた。

それは今日のキアリーンの1件で、あの時のことは、実は夢じゃなかったのではないか?と考えたからだ。


うーんでも、剣と魔法の世界へ転生させてほしいと女神様にお願いしたような…。


いや、まてよ、たしかあのとき…剣と魔法の使える世界…と言ったかもしれない。


この世界にも剣術は存在するから、俺が魔法を使えるようになれば、剣と魔法の使える世界と言えなくもない。


…ということはつまり、俺は一度死んでから元いた世界へ転生したってことか?

でも、なんかしっくりこないんだよな~。


オレ「痛っ!」


考え事をしながらリンゴの皮をむいていたせいか、果物ナイフで右手の親指を切ってしまった。


オレ「そういえば、こっちの検証するのすっかり忘れてたな!」


俺はそう独り言をつぶやくと、コマンドメニューのじゅもんから左手で「ホイミン」をタップし、そのまま右親指の切り傷にふれてみた。


すると、左手の指が白く淡く光った後、あっという間に切り傷が消えてしまった。


オレ「うぉ!すげぇぇぇ~!聖杯の水かけたみたいじゃん!」


聖杯の水というのは、俺の好きなインディーンジョーンズというハリウッド映画に出てくる不老不死になれる聖なる杯にそそいだ水の事である。


俺は予想以上の効果にすっかり興奮していた。


なにかしらの効果はあるだろうと予測していたが、

なんというか血は止まるけどキズはそのままみたいなチープなものだと勝手にイメージしていたからだ。


これが映画やアニメなら、次はナイフをぐさっと腕にでも突き刺してキズが治るか試すのだろうが、現実世界で治る保障もないのにそんなバカげたことを実行するやつはまずいないと思う。


そして、俺は再び「ホイミン」をタップして、動かない足のひざ下にふれてみた。


しかし、以前試したときと同様、足は動かないままだ。


俺はMP切れになるまで何度も「ホイミン」をかけつづけた。

…が、やはり、効果はなかった。


オレ「なんでだよっ!」


俺は、感覚のない足をグーでたたきながらそう叫んでいた。

そして俺のまぶたからは、自分でも気付かないうちに涙があふれていた。

まるで少年の頃のように…。


【次回予告】

[第1章 入院編] 第6話 オジチャン?


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