第3話 初めての戦闘?
その日の夜中、ベッドで熟睡していた俺は突然の大きなサウンド音で飛び起きた。
オレ「おいおい、誰だよこんな夜中にいきなり…!?」
サウンド音は、俺の良く知っているDQの戦闘サウンドだった。
俺は眠い目をこすりながら目の前を見ると、
「蚊があらわれた!」
…と表示された戦闘ウインドウがポップアップしていた。
この戦闘サウンドは、DQシリーズの中でも一番眠れない激しいタイプのやつだ。
これが幻聴だとすると、安眠妨害にもほどがあるなぁ~。
…などと考えていると、戦闘ウインドウに
「蚊の こうげき!」
…と次のログが表示された。
その瞬間、「ブーン」と蚊特有のイヤな羽音が耳元に聞こえてきた。
俺は、思わず耳元付近で手を振って蚊を追い払う動作をしたところ、
「ゆうじは てをふってみをかわした。」
…と戦闘ログに追加された。
オレ「あれまてよ?もしかして蚊を退治しないとこのうるさい戦闘サウンドが鳴り続けるのだろうか?」
俺はベッドの枕元付近に付属している小さな電灯をONにして、そのままゆっくりとベッドに横たわりじっと蚊を待つことにした。
すると、
「蚊の こうげき!」
「ゆうじは ちを すわれている」
…と戦闘ログが表示された。
俺はできるだけ体を動かさないように目玉だけで自分の体中を見渡した。
すると、左腕のひじ付近に蚊が止まっていた。
俺は蚊が逃げないようにゆっくりと右手を近付けてから、「パチン!」といっきに蚊をたたいた。
「ゆうじの こうげき」
「かいしんの いちげき。」
「蚊は ひらりとみをかわした!」
オレ「くっそぉぉっ!なんかムカつく!」
俺は思わずそう呟いてしまった。
しかたなく、もう一度ベッドに横たわった。
数分ほどじっと待っただろうか?
再び戦闘画面に、
「蚊の こうげき!」
「ゆうじは ちを すわれている」
…と表示された。
今度は右手の甲にとまった蚊をすぐみつけて、すばやく「パン!」と左手でたたいた。
「ゆうじの こうげき!」
「蚊を やっつけた!」
戦闘サウンドが鳴りやみ、さらに
「1ポイントのけいけんちをかくとく。」
…と表示された。
蚊を一匹殺せばけいけんちが1増えるのか…。
まだ蚊はいるかもと考え、ベッドに横たわってしばらくじっと待ってみたが、なかなか蚊はやってこない。
もうこの部屋にはいないのかな?
明日の午後にでも蚊のたくさんいそうな病院の中庭で試してみようか…。
俺はそんな事を考えているうちに、いつのまにか眠ってしまっていた。
【次回予告】
[第1章 入院編] 第4話 レベルアップ?




