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04

「お‥‥ちゃん!‥‥にいちゃん!」


声が聞こえる。誰かを呼ぶ声が。


薄らとした意識を少しづつ覚醒に誘う声。


「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」


意識が少し覚醒してきて、声がはっきりと聞こえた。


あぁ、どこかの兄貴が呼ばれている。


とても懐かしいお兄ちゃんという呼び方。


今はもう、そう呼んでくれる人はいない。


だから呼ばれているのは俺ではないのだろう。


「お兄ちゃん!お兄ちゃん!意識ある!?」


必死な声でどこかの兄貴が呼ばれている。


早く返事をしてやれよ。妹は大事にしてやれよ。


生きているうちに大事にしなきゃ…意味は無いのだから。


横たわった体を起こして、重いまぶたをゆっくりと開く。


すると、目に入ってきたのは真っ暗な部屋だった。


暗いせいで、自分の近くにあるものしか見ることが出来ない。


床を見ると、自分の体が横たわっていた場所には、巨大な魔法陣が描かれている。


魔法陣は青く光り、近くで見ると、細かい文字がびっしりと刻まれている。


魔法陣なんてフィクションの中でいくらでも見てきた。


だから特別興味を持つようなものでもない。


その筈なのに、魔法陣から目が離せなかった。


例えば、ここがどこであるとか、死後の世界はなんだったのかとか、さっきの声は誰だったのかとか…気になったこと全てが魔法陣の前ではどうでもよくなった。


何故なら理解することが出来るから。


魔法陣の意味、構造、目的、変換、エネルギーの必要量等全て。


ここにある魔法陣の全てが理解出来た。


だから、術者がこの魔法陣を用いて何を成そうとしたのかを理解してしまった。


その結果さえも。





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