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異世界で咲く華  作者: ロンパン
修正前
3/20

市場開拓

 「何なんだ今のは。」


 それしか口が開けなかった、神話チックでかつ近未来的な船の所有者であるアンデルセンだった。魔大陸を迂回してフィリー王国へ出向く予定だったのだが。

 「今のは随分と無機質でしたな。」


 艦長も少し驚いた顔でガラス越しから見えるその物体が帰る様子をうかがっていた。

 「魔力反応なしです。」

 水晶から聞こえる報告を受信する。

 「魔力反応がない・・・・」


 どういうことだろうか、つい数時間前までレーダーに魔力を感知していたそれも闇系統の。

 普通はこんな外洋では反応はしない、だがあの魔大陸だけは別だった。普通の魔力だけに微弱に反応するようにすればほぼ全方位に対して反応する、だが闇系統を扱える人間や種族はそうそういない、いるとすれば例の魔大陸だけだ。


 その強力な闇魔力を感知しその反応の強さで距離を測定し、外洋における道しるべとして機能していた。だがなくとも大丈夫、そんな機能がなくとも北極星をみて北を基準に判断すればいい。そして羅針盤もある今ではわざわざ計測する必要ではなかったのだ。


 だが闇系統の魔力のレーダーをオフにすることはない、もし魔族が襲ってきたときはどうなるか、その時には早期に察知しそして彼らの追いつけない距離まで逃げる。

 そのため今回もレーダを付けていたのだが。


 「急に反応が弱くなったと思ったらこれか。」

 「閣下どうなさいますか?」

 艦長からの質問は、つまり一時帰還をするかとの意見だった。ここは魔界の入り口と言っても過言ではない地域、少しでもおかしなことがあって帰還することがあっても誰も責めることはしない。


 「ああ、一度帰って次の機会にフィリー王国に行こう・・・・・」





 「これが、一か月前のことです。」

 大きな議場で事柄の説明をするアンデルセンの付き人ルーシーが証言した、議会内ではそれぞれ”初の”接触に関しての前触れを話していた。

 「そして、奇妙な鳥と接触して二週間後別の船がチョサンと呼ばれる国と接触することに成功しました。そしてその隣国チュングアとも接触に成功しました。」 

 ローマ帝国の正装トガに紫の色を染めたような服を着ている議員の一人が確認を取った。

 「確か、魔法を一切使用していない奇妙な文明国家だったな。」

 魔法文明を保持していない国自体は存在する、だがその二か国だけは特例だった。

 一つは魔の大陸にあるにもかかわらず国が存在していることもう一つは国力と広さだ。

 「はい、チョサンはともかくとしてチュングアは無視できない巨大国家です、人口は13億人平常時でさえ200万の常備軍は兼備えています。」

 「13億に200万!?」


 ハッキリするまで情報を後悔しない予定だったが、今分っている段階でも他議員そして国民にも知らせるべきだと言うことで議会という中で発表した。


 「それはチョサンと両国合わせての集計ではないのかね?」

 「いえ、一つの国家として抱えている人口と武装兵力です、なおチョサンに関してはハルトマン外交官が担当しました。」


 白いトガを身に包んだハルトマンはルーシと代わりチョサンに関して説明をする。


 「このチョサン国の人口は2500万人で高度な建築技術と製造技術を兼備えております、都市計画もしっかり行き届いており広大な道路そして集合住宅が立ち並んでいます。ただチュングアと比べて別の意味で異常な国だと分りました。」

 「別の意味とは?」


 ハルトマンの言う別の意味で異常とはどういうことなのか、この国だけが魔法が使えるのか?チュングアの存在自体が別次元的な意味合いで異常だというのにチョサンがそのまた別次元の異常を抱えていると言うことなのか。


 「この国は衰退期、いえ末期に陥っています。」


ザワッ

異質な文明を持つ国の一つチョサンが末期の国家、つまり崩壊寸前ということ。

崩壊したところで別に何ともない筈だが、異質な文明が崩壊し崩れ兵が船を使って海賊行為なんてこともあり得る、そんなことをされては魔大陸航路を使用した交易は使えなくなる。


 「まず2500万の人口であるにも関わらず平時態勢で120万つまり5%の国民が兵についていると言うことになります。」

 「確かに・・・異常だ。」

 それに同意するものが殆どだった、戦争でもおきない限りそんなことをする意味が分からない。

 「そして国の体制事態が限界を迎えています、それ以前に矛盾を見て見ぬふりをして法が法として機能しておりません。その大きな理由として挙げられるのは書記長と呼ばれる首相、もしくは大統領に値する役割の役職に三世代通して就任している一家があります。」

 「そ、それは正当な選挙によってかね?」


 それに対してハルトマンは眉をひそめた、仏教面で有名なハルトマンが眉をひそめるなど余程耐え難いことなんだろう。

 「形だけの選挙を行い三世代ついています事実上王政の状態です、しかもそこらの王政と違い正当性はなく最悪な形での王政です。技術力や社会システムこそは我々と同類もしくは超えていると評価を与える者もいますが中身の人間は、まるで蛮族です。」

 蛮族と吐き捨てたハルトマンに議員が驚いた、そもそも議場でそのような粗野な言葉を並べるほど嫌な国なのか。


 「まずその一家に投票しない者は国家反逆罪で政権に成立後に処刑されます、そして国民も陰で文句を言っていますがもし見つかれば処罰の対象になり最悪の場合処刑されます。そして国から逃げようとしても処刑されます。極めつけは・・・毎年餓死者の平均は数十万人とチュングアとその異世界の大使館の方々から説明を受けました、チュングアの書物によれば2500万人の人口を虚構であり実際の人口は1900万人の可能性もあると指摘があります。」

 「それは本当に君が評価した高度な建築技術と製造技術を兼備えた国なのかね、とてもじゃないがレベル2か1に値する程の国家だぞ。そもそも法が機能していない時点で論外だ。餓死者の平均とはどういうことだ?飢餓状態が数年ではなく十年ぐらい続いているのか?」



 議員の言うレベルとは国家の基準を図る尺度である、レベル5は国力、国土の広さ国民の豊かさが行き届いている状態の国のことであり早々存在はしない。

レベル4は自身の国を含め国土こそは目立つほどの広さではない物の国民生活は豊かでかつそこそこの軍事力を持っていること。

レベル3は上記に軍事力と国土は外し豊かな国である。

(ここから下は国土の広さは関係ないものとする)


レベル2それらの基準に満たさず、汚職や政治の仕方が原始的であること。技術力もそんなに高くない。(またここでいう原始的な政治とは役職のために相手を殺害すること等)

レベル1ある程度の技術力がありそれなりの都市を建設できるだけの国

レベル0技術力もない何もない(遊牧民を除きテントや洞穴暮らしの地で尚且つ人口が1万より下であれば国家と認定しない。ただしレベル1程の技術力があれば1万以下の国でも国として認定)


 教養のある議員の一人が高度な技術があると評価したにもにも関わらずレベル2の国は珍しい、大抵はそんな国にかぎって技術力は低いと相場は決まっている。

 しかもすぐに国民を殺す姿勢は戦時中の末期なら兎も角、平時でそれを行っている国などレベル1に等しい。


 「はい、10年で600万人の餓死者を出しました。」

そこでザワザワと議会がざわめく、蛮族以前に狂気


 「しかし彼らには高度な技術力で作られたゴーレムや武器が多数あります、使用用途等は教えてもらえませんでしたし実際に稼働しているところも見たことはありませんが。油断はしてはならないかと。」


 「一番の問題はチュングアだろ、逆に13億の国にしては軍人が少ないように見えるが、とてもじゃないが200万の軍だけで国境警備が可能なのかね?」

 「可能だといっておりました、加えて転移前は数より質を求めるように軍の再整備を行っている最中だったそうです。」

 「だから13億の人口でも200万程の軍なのか。」


 その議員は納得がいったのか首を縦にふりうんうんと頷いた。


 「そして皆さんが存知の通りこの国はあの魔大陸とつながっております。」

 その時議員にゾクリと感じさせた、他人事で自分たちとは関係がないのにあの魔物が住む土地と陸続きになってしまったチュングアに同情を隠せなかった。


 「現在チュングア軍が兵を率いているものの小さいとはいえ三つの町を放棄するほど追いつめられております、加えてその国は魔法を有していないためその町の奪還は絶望的と軍務省は評価しております。まぁ町の規模そのものは小さいらしいですが。」

 「しかしその割には結構押しとどめているではないか?」


 実際魔法がない軍が魔族相手に押しとどめていることが不思議だ、一か月経った今ならば今の二倍以上の領土が侵攻されていても不思議ではないむしろ彼らの首都であるベイジンが既に呑み込まれてもおかしくはない筈。


 「これは憶測でにしかないのですが、あの高速で空を飛ぶ乗り物、飛機フィジは我が国でも製作は困難だと判明ししました、もしかしたらの話ですが魔法を使用せずともモンスターを撃退できる戦闘力があるのではないのかと思われます。」

 「いや、それは少し行き過ぎた答えじゃないのかね?」

 「全く違う文明と発達で栄えた国です。ある意味魔物よりも正体不明の何かです。同じ尺度で測ることは難しいかと思われます。」


 そう、国家の態勢や行政システムが自分たちそれと比べても全く当てはまらないことと同じように、彼らの軍事力も潜在的に不思議な部分があるのではと考えている。


 「だが魔法を理解できない蛮族には変わりない、レベル0国家でさえ使い手の一人や二人は絶対いる。13億もいて使える人間が一人もいないとなるともはや・・・」

 「だからその考え自体が間違っているのでは?逆に向こうからすればコレを作れない蛮族、魔法がなければアレをすることができない蛮族と解釈さえ変えれば向こうの方が進んだ国ということになる。」

 「それこそ拡大解釈だ。」


 いつもこのルイーマ共和国の議場では商売の話しかなかった、経済の話しかなかった、だが今となっては転移で現れた超大国に振り回されている、もしこれがチョサンだけならばここまで大きくならなかったのかもしれない。あわよくばそこの技術者の亡命を引き受け異世界の技術を吸収することも可能だっただろう。このような戦略の話をする時期があったとしても数十年はないと予想していた。


 チュングアと同じ面積をを抱えるバージリ王国とは最近良好な関係を持っている、あの新しく出てきた新参者が秩序を乱さないことだけを祈っていた。




 一方 ウニオー大陸でもそのチュングアの話で話題になっていた中国から一番近い大陸、面積はオーストラリア大陸の半分でそこで四か国が存在していた。

 「チュングアから穀物の輸入の申し出が来てます、それも莫大な量の。」

 「確かあの口うるさいルイーマ共和国にもその申し出を送ったのだな。」


 中世の城を思わせる城にイギリスを連想させる王とその側近が中国から渡された紙を見た、中国の言い分では最初の数年間だと書いていたので質問したところ、元々農地があったのだが事情により放置していたと返答が返ってきた。

 だが王をはじめこのウニー大陸ではその声を真実ととらえず嘘ととらえた、それぞれの導き出した答えはこれになる。 

あの国は植民地を失い食糧自給が困難になった。


 この答えは半分当たりで半分外れである中国は急速な経済発展のため農地がどんどん減り工場が乱発加えて穀物ではなく綿花や砂糖など嗜好品、つまりこの世界のレベルの低い国から見た贅沢の生産のため賄いきれないのだ。

 一応は90%の自給率があるはず、だが転移して発覚したことはその自給率は嘘で実に75%も届いていない状況だと判明、加えて食糧備蓄もほぼゼロだった。この調査に公安などを政府の直接そして内密に捜査を命令した結果だった。

 非常時ということもありマスコミや国民にばれぬようにしているがいつ発覚するかもわからない、党の中には食糧販売の停止全配給制も視野に入れている。

 だが乱暴に執行することによって経済に悪影響を与えないのかと疑問視する声もあり現状維持を採択、綿花など”売れる物”を輸出し食糧を一時的に購入しようと考えた。


 その間に軍を動員し荒れた農地を開拓そして美国式(アメリカ式)の近代農業を参考にモンスター防衛と並行に農業改革を行っている真っ最中だった。

 だが現存の農地は最近化学肥料によって汚染され限界が来ている、比較的汚染の進んでいない農地があってもずいぶんと疎らであった。特に窒素肥料の毒素がひどく、もはや遺伝子組み換えなどの技術革新でもない限り困難となっている。

 またノウハウもない軍人が耕した農地でどれほどの食べ物が生産できるかもここ数年は不安視するしかない。 ようは国内だけで食糧自給は不安定で最悪の場合飢餓を招く。

 そこで輸入を考えた、長期的に安定的に行うために異世界の食べ物を食べようと。


 「チュングアと同じく転移してきたチョサンという国はビールを輸出したいといっていました。」

 「・・・何故ビールなのだ?」

 「そこまでは、ただ麦芽の輸入そして穀物類もチュングアと同じく輸入したいといっています。後工芸品の輸出をすると言っています。」

 「つまり?」

 「富裕層向けの工芸品を輸出したいと言うわけか。」

 「そういうことです、チュングアは民衆向けの物も含めた工芸品の輸出を望んでいます。」


 王は氷で冷やされたテドンカンビールを飲むと王は少し目を変えた。

 「・・・美味い。」

  テドンカンビール、イギリスで2000年に倒産した会社から設備を丸ごと引き取ったため味は北朝鮮にしては上級品で韓国製品より質が上だという変わった背景をもっている。


 「しかし、暴挙ともいえる要求がいくつかあります。」

 「ほう、それとは?」


 王はテドンカンビールを気に入ったのかコポコポとワイングラスに注ぐ、

側近は先ほど修正をした文章を見せると王の顔が徐々に変化する。

 「何だこの文章は、余はこんなのは知らぬぞ。」

 「あまりにも非常識じみた要求だったので外務担当官が修正を要求しましたが・・・修正した書類が返ってこないので最早見せるべきだと・・・」

 「最初っから見せろ!」

 王は中国からの親書を投げ捨てた。

 「チョサンだ!チョサンだけ貿易を結ぶ!」

 王はそれだけを言い残しその場を後にした。


 あのビールのやり取りの後のせいでビールの為に選んだのではと思ってしまう。 だが後からチョサンの内政も説明しないといけないだろう、どれほど危険でかつ危なっかしい国なのかを。

 「しかしチュングアも何を考えているんだ、元の世界ではどんな立ち位置だったのか分らないがこんな要求をすれば品格が疑われるだろうに。」


 双方とはいえ関税をかけないこと、魔法技術や知識に関しての提供、これはまだ分かるが後の二つ、ウニオー大陸の港は規模が小さいためチュングアが建設する、格安にすることが可能なため鉱山事業は全てチュングア政府の機材と労働者で行う。


 他国の鉱山を全て自国民でやるという発想はどういうことだ、資源国家ののど元を掴むかの行為、13億の人口を抱えているのだから消費量はけた外れだろうが、まるでこの国には採掘技術がないと言いたげな文章だ。明らかに見下した態度に文章、加えて港に至っては規模が小さいから自分で作る。もっと他の言い方があるだろうに、工芸品を中心とした関税撤廃は余程自信があるのだろう。


 後に重臣の説得によりインギランド王国ではチュングアとは関税撤廃こそはなかったものの交流断絶はなかった。しかし港は隣国のフランク王国に建設されることになる。また鉱山に至っては内政が不安定なスパニョル王国だけが同意する。



 北京

 「金属は何とかなったが油田や天然ガスはさすがに無理なのか。」

 「金属も条約を締結したからといってすぐにやってくるわけではありません加えて海の計測をしなくてはなりません。」

 「座礁しかねない・・・というわけか?」

 「はい、一応海図そものもはあります、ルイーマ共和国は元世界でいうアメリカのような人工的に作られた国なだけあって技術開発に制限もありません。そのためか立ち位置的に技術立国です。驚きましたよ首都を見せてもらいましたが文化レベルはパソコンや飛行機がないだけで私たちと変わりありません。」

 写真には大きな道路に巨塔を中心とした計画都市、その巨塔はバリアーを発動するシステムでもあり、行政機関の一部でもある。

 町並みは古代ローマやギリシャのような建物がきれいに整列しており凱旋門がいくつかあった、石畳の道路の上には少し曲線がありかつどこか神話チックなデザインの馬車がいくつもあったが。


 「なあ、これは浮いているのか?」

 「はい、浮いています。高速用だそうでして主に軍用と富裕層、そして農作業用としてよく使用されています。ただこれは陸上用ですので地面に一応負担はかかっています、接地長・・・と表現してもいいかは分かりませんがそれの負担が地面にかかっております。」

 上司がその写真を見ながら疑問に思ったことをいう。

 「つまりもしこの車体の下に潜り込んだらこの車体分の重量がのしかかるということか?」

 「はい、そうなります。また浮く高度・・・ともいうべきですか、車体と表現します。車体が高くなればなるほど不安定になります。つまり自動車のようにジープとスポーツカーを当てはめれば想像が楽になるかと。」


 次に出された物は空をそのまま飛ぶ飛行船、元世界の飛行船と経常が似ているが一部では宇宙船に見えるものもあった。

 「何故だろうなジボリの天空の城に出てくるものと違ってシンプルだ。」

 「あれはスチームパンクと呼ばれる部類かと・・・それよりもこれを見てください。これが彼らの軍事兵器です。」


 そういって彼はタブレットを出す、そのタブレットには映像ファイルがあり再生ボタンをタップするとドーム状の何かが現れた、そのドーム状のなにかの表面には模様が刻まれておりオカルトのアイテムを連想させた。

 白いフードをかぶった人物何人も集いそのドーム状の何かを囲い込む、そして杖を向け呪文のようなものを唱えると白い発行物体が飛び出し垂直に空へ飛び出した、それは意思を持つかのように急に軌道を変えそれは地面に当たる。そして自分たちの知る火薬やガス爆発とは違う赤い炎のない白い光を発した爆発が起きた。


 「これは、エクスプロードと呼ばれる道具です、学者はプラズマっぽい何かではないのかと見解しています。」

 「っぽいって何んだ、っぽいって。学者とは思えない回答だな。」

 「未知の粒子か、電子のような性質をもつ何かと分析しています。そのためプラズマっぽい何かと評価されています。」

 「いや、最初っからそれを言いたまえ、というか見た目と爆発能力はすごいが実際はどんだけなんだ?」

 「今回見せてもらったものは小型で低出力のものだそうです、速度も遅く威力もあまりなく破壊能力は部屋一室を爆破するほど。」

 「部屋の大きさは?」

 「学校の教室を連想していただければ分かりやすいかと。」

 「まっ、どっちにしろ争う必要はないしその気もないしな。我々は戦争しに来たわけではない。我々の本当の敵は軍事力を持った周辺国ではないのだからな。」

 ちらりと新聞に目を移し忌々しく写真に移ったモンスターを見る。


 「モンスターですか・・・」

 「それもあるが一番の問題はそこではないだろ。」

 「経済ですね。」

 皮肉なことに中国を発展させて豊かにしてきた経済が今中国を殺そうとしている、輸出の依存度24%輸入の依存度は33%対して日本の輸出依存度は11%輸入は14%。貿易立国である日本でさえこの数値だというのに中国の異常性がうかがえるアメリカも日本と似た数値で安定している。

 つまり市場を動かさないと、この世界の人間相手に商品を売らないと、この世界の人間に買ってもらわないと中国経済に多大なダメージを残す。そして最悪のケースは中国の崩壊だ。上にはモンスター内側には経済そして下側には得体のしれない諸国。


 「主席にならなくて良かったとはじめて思ったよ、後は軍事委員会の仕事になるが大丈夫かな・・・」


 彼らの会話はまだまだ続く。


中国の資料が少なすぎる・・・地理も情報が少ない。

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