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(脚本) 返信

(脚本) 返信

作者: 暁 時雨

 今回の主人公二人の台詞は誰かと喋っているわけではなくどちらも独り言です。

 なので、人と話すときのように、気取ったり作ったりしない喋りを意識して演じていただければ幸いです。

 また犯人の台詞は作中で一言しかありませんが、この一言が今作のホラーな部分……ある意味で一番怖い部分を握っています。

 背筋が凍る、又は身の毛もよだつような、ゾッとする感じの『狂気的・猟奇的』な怖さを演じていただけると嬉しいです。(笑いながら人をバラバラに切り刻むようなイメージです)


 それでは宜しくお願い致します。

 真の自宅・玄関前

 -『カチャン』とドアの鍵を開ける音-


 真の部屋

 -疲れた様子で部屋に入ってくる真-

 -靴下でフローリングを歩く音-


(少々掠れ気味の疲れきった声)

「はぁ……今日も忙しかったな」

 

 -真の溜息交じりのくたびれた声-

 -真、部屋の電気を点ける-

 -『パチン』と電気を点ける音-

 -真、部屋の入り口で立ち止まり呆けた声を出す-

 

(最初に短くハッ!?といった感じで息を飲む。その後の台詞は事態を把握できず、呆然と喋る感じで)

 真「!? なん、だよ……これ?」

 

 -真、荒された自分の部屋を見て、放心状態-

 -真、持っていた仕事カバンを滑り落とす-

 -『ドサッ』とカバンが床に落ちる音-


(自分の考えを確かめるように小声で。その後のくそっ!!は思い切り悔しそうに)

 真「これってもしかして空き巣か? ……くそっ!!」


 -慌てた声でうろたえる真-


(出掛け間際に、鍵が見当たらない……そんなうろたえつつ、焦った感じで)

 真「盗られて困るものは置いてないけど……とりあえず確認しないと!」


 -真、部屋の戸棚に移動する-

 -靴下でフローリングを歩く音-

 -時折、『クシャッ』と床に落ちている紙類を踏み潰す音-


(考え事をしながら喋っているので、小声でボソボソという感じで)

 真「通帳とハンコは実家に預けてあるから……。ということは……」


 -真、戸棚の半開きの引き出しを漁る-

 -引き出しを開ける音-

 -続いて『ガサガサ』と戸棚を漁る音-

 -真、何かに気付いたような驚きの声をあげる-


(大切な私物を盗られた悔しさをだす感じで。クソッの前に一度舌打ち)

 真「あっ! シルバーのアクセサリー全部持ってかれてる!! クソッ、時計も無くなってる!」


 -真、慌てた様子で戸棚の戸を開け、中のゲームソフトを確認する-

 -少々乱暴に戸棚を開ける音-

 -続いて『カチャ、カチャ』とCDケース同士のぶつかる音-

 -真、確認を止め、イラついた声をあげる-


(苛立ちながら憎々しげに)

 真「アクセサリー、時計、ゲームソフト……クソッ! 小物で売れそうなのばかり持ってきやがって!」


 -真、乱暴に戸棚を叩く-

 -『ゴンッ』と木の板を叩く乾いた音-


(最初は苛立ちを継続。後半に進むに連れて消沈していく感じで)

 真「あの時計、初任給で買った時計なのに……。部屋もこんなに散らかしやがって……」


 -真、消沈した声でその場にしゃがみ込む-

 -真の衣服の布擦れの音-


(苛立った感じの溜息で。その後の台詞は少し泣きそうな感じで) 

 真「はぁ~、なんでこんなことに……」


 -真、しばらくうなだれる-

 -無音-

 -真、だるそうにゆっくりと立ち上がる-

 -真の衣服の布擦れの音-


(少しの苛立ちを残しながら疲れた感じの声で。ったく、からはブツブツと小声でぼやくように)

 真「何はともあれ、とりあえず警察に電話しないと……。ったく、なんで俺がこんな目に……」


 -真、ぼやきながら胸ポケットからスマートフォンを取り出す-

 -『ゴソゴソ』とスマートフォンを取りだす音-

 -真、スマートフォンのディスプレイを見て、何かを思いついたようにハッとした顔をする-


(喋りながらテンションを徐々に高くしていく感じで)

 真「待てよ……せっかくだし、ここは今の現状をツイッターで呟いてみるか?」


 -真、スマートフォンを見つめながら手をあごにあて、考える仕草-

 -真、おもむろにスマートフォンを操作し始める-

 -『カチカチ』とスマートフォンのディスプレイと親指の爪がぶつかる音-

 -時折、スマートフォンから『ブブッ』という短いバイブレーターの音-


(これからいたずらをする子供のようにワクワクといった感じで)

 真「こんなことをしてる場合じゃないけど、こんな事滅多に経験することないしな」


 -真、少々テンション高めな口調-

 -靴下でフローリングを歩く音-

 -真、部屋の隅に移動して、スマートフォンを自分の顔の前に構える-


(作業しながら喋っているので、全体的に少しスローテンポな喋り方で) 

 真「部屋全体が映るように……と」


 -真、スマートフォンの撮影ボタンを押す-

 -『カシャッ』というシャッター音-


(ワクワクした感じで) 

 真「よし、後はこれをアップすれば……」


 -両手の親指でスマートフォンに文字を入力する-

 -『カチカチ』とスマートフォンのディスプレイと親指の爪がぶつかる音-


(ツイート部分は淡々と文章を読む感じで。よし、は少し強めに言う感じで)

 真「『家に帰ってきたら空き巣に入られてた!?』……と。よし、送信」


 -真、打ち込んだ内容を確認し送信ボタンを押す-


(大事な作業を1つやり終え、次の仕事に取り掛かる感じで。『さて、』は伸びをしながら喋る感じで)

 真「よっし、と。さて、それじゃあ今度こそ警察に電話しないと……」


 -真、スマートフォンを操作する-

 -『カチカチ』とスマートフォンのディスプレイと親指の爪がぶつかる音-

 -時折、スマートフォンから『ブブッ』という短いバイブレーターの音-


(一つ一つの数字を確認するように)

 真「1,1、0、と……」


 -突然、スマートフォンから『ブゥゥ』と短いバイブレーターの音-

 -真、ビクッと肩を震わせる-


(曲がり角で人とぶつかりそうになったイメージの『うおっ、と』で)

 真「うおっ、と。もう返信来たのか……」


 -真、スマートフォンを操作する-


(ツイート部分は棒読みな感じで。『って』の部分は少し含み笑いをする感じで)

 真「えっと何々……『あらら~窓を開けっ放しにでもしてたの?』って……」


 真、スマートフォンのディスプレイを見ながら苦笑いを浮かべる-


(友人が何か馬鹿をやっているのを見ているような、楽しそうに呆れる感じで)

 真「こいつ……人事だと思ってノリ軽いな~。つか、そんなわけあるかよ。窓は朝、ちゃんと確認したし」


 -靴下でフローリングを歩く音-

 -真、部屋の窓に近づき鍵の施錠を確認する-

 -真、両手の親指でスマートフォンに文字を入力する-

 -『カチカチ』とスマートフォンのディスプレイと親指の爪がぶつかる音-


(ツイート部分は文字を打ちながら追って喋っているので、所々途切れながら少しスローペースで。『あれ?』はスッと息を吸いながら、何かが引っ掛かったという感じで)

 真「『窓もちゃんと鍵掛かってるし、ドアだってちゃんと自分で鍵を開けて入ってき』……あれ?」


 -真、文字を打っている手をピタッと止める-

 -真、その場に立ちつくし、何かを考える仕草- 


(何かを思い出そうとしながら話す感じで)

 真「なんだ? なんか違和感が……。何かを見落としているような……」


 -真、スマートフォンを持っている右手を少し下ろし、左手で口元を覆う-

 -『カッチ、カッチ』という時計の秒針の音-

 -『パタパタ』と貧乏ゆすりのように、真が足を踏み鳴らす音ー

 -真、スマートフォンのディスプレイに視線を落とす-


(しまった!という感じで) 

 真「あっ!」


 -真、驚いた表情-


(やってしまった……という感じをだしながら)

 真「文章……中途半端なままで送信しちまった」


 -真、ボーっとスマートフォンのディスプレイを見つめる-


(ごまかすように半笑いで)

 真「ま、まぁ、言いたいことはわかるだろうし……いいか」


 -真、苦笑いを浮かべるながらウンウンとうなずく-

 -その後、少々険しい顔をして部屋を見渡す-


(最初にスッと息を吸う音。『なんか』から先は考え事をしながらしゃべっているのでスローペースで) 

 真「それより、なんだろう? なんか見落としてるような……」


 -真、左手を口元にあて考えこむ仕草-

 -『カッチ、カッチ』という時計の秒針の音-


(確認するように)

 真「窓の鍵は閉まってる」


 -真、部屋の窓を見る-

 -『カッチ、カッチ』という時計の秒針の音-


(その時の情景を思い出しながら)

 真「ドアの鍵も自分で開けたんだから、間違いなく閉まっていた筈だ」


 -真、玄関のドアを見る-

 -『カッチ、カッチ』という時計の秒針の音-


(最後の『はず』は語尾を伸ばす感じで。伸ばしたまま次の台詞に繋げて下さい)

 真「防犯的には問題ないと思うんだけど。誰も入ってこれるはず……」


 -真、そこまで言ったところで首をかしげ、疑問の表情を浮かべる-

 -『カッチ、カッチ』という時計の秒針の音-


(短くハッ!?といった感じで息を飲む)

 真「……!?」


 -真、目を見開き驚いた表情-

 -真、口元にあてていた手をゆっくりと離す-


(少し声を上ずらせながら。所々言葉が途切れる感じで)

 真「誰も入ってこれない……ということは、誰も出ていけない……」


 -真、足をガクガクと小さく振るわせる-

 -スマートフォンをから『ブゥゥ』と短いバイブレーターの音-


(短い悲鳴。いきなり虫が顔目掛けて飛んできた感じで)

「ひっ!?」


 -真、驚いて小さく飛びのく-


(心ここにあらずといった棒読みな感じで)

「返、信……」


(心の声なのでエコーで)

(自分の出した答えを一つ一つ確認するように)

 真の心の声(誰も入ってこれない……誰も出ていけない……)


 -真、壊れかけのロボットのようなぎこちない動きでスマートフォンを操作する-

 -『カチカチ』とスマートフォンのディスプレイと親指の爪がぶつかる音-

 -『カッチ、カッチ』という時計の秒針の音-


(心の声なのでエコーで)

 真の心のだったら……


 -『カッチ、カッチ』という時計の秒針の音-


(心の声ですがここはエコーなし。二人の声が完全にハモる感じで)

 真の心の声&フォロワー『だったら犯人はどうやって部屋から出たんだ?』


 -『ドックン』という真の心臓の音-

 -今までより大きく聞こえる『カッチ、カッチ』という時計の秒針の音-


(少し間の抜けた感じで)

 真「え?」


 -スッと真に大きな影が被る-

 -真、ゆっくりと後ろを振り向く-


(短く鋭い悲鳴のような感じで)

 真「なっ!?」


 -真の息を呑む声-

 -『グシャッ!』という何か固いものを潰したような音-


 ………………。 


 -少々間が空いた後、スマートフォンから『ブゥゥ』と短いバイブレーターの音-

 -『カチャ』と床に落ちているスマートフォンを拾う音-


(ツイートを代弁しているのでエコーで)

(恐ろしいものを見て、焦りながらそのことを人に話す感じで)

 一『おい!この部屋の写真、押入れの中に誰か映ってんぞ!! 早く逃げろ!』


 -一の狼狽した声-


 ………………。

 


 一の自宅・玄関前

 -『ガチャッ』とドアの鍵を開ける音-

 -『ギィィ』とドアを開ける音-

 -『バタンッ』とドアを閉める音-


(後悔の混じったやるせない感じで) 

「あの写真に俺がもっと早く気付いてればなぁ……」


 -一の疲れた声-


 一の自宅。部屋に続く廊下

 -『パチン』と廊下の電気を点ける音-

 -『パタパタ』とスリッパを履いて廊下を歩く音-


(一が心の中で思い出しているニュースの声なのでエコーで)

(断片的な一の記憶の再生なので、台詞の語尾はゆっくりミュートになる感じで)

(ニュースキャスターの台詞は、テレビで見るニュースのように淡々と業務的に)

『次のニュースです。今日、東京都北区のマンションで男性が殺されているのが発見されました』

『遺体は頭部を鈍器のようなもので殴られ……』

『遺留品の携帯電話の痕跡から、被害者は直前までツイッターをしており……』

『また被害者の部屋の押入れに何者かが潜んでいた痕跡があり……』

『部屋の様子から警察は強盗殺人と見て捜査を……』


 -一の頭の中に断片的に再生されるニュースの音-


(やれやれという少し疲れた感じで)

「まさか職場で事件を知っちまうなんてなぁ……。気になって今日はミスしまくりだったし……」


 -一、ぼやきながら小さく溜息を吐く-

 -『パタパタ』とスリッパを履いて廊下を歩く音-


(後悔の混じった少し暗い感じで)

「まぁ、俺のフォロワーでもないし、俺のせいでもないんだけど……」


 -一、何かを思いつめた顔で立ち止まる-


(言い訳するように。『そんなの』からは少し明るい感じの声で)

「それにツイッターに投稿されてた写真も、映ってたのは目と輪郭くらいだし……そんなの警察に言ってもしょうがないよな」


 -一、自分を納得させるようにウンウンと首を縦に振る-

 -一、再び廊下を歩き始める-

 -『パタパタ』とスリッパを履いて廊下を歩く音-


(疲れた感じで、めんどくさそうに)

「それに、あんまり面倒ごとには関わりたくないし……」


 一の部屋

 -『カチャッ』と部屋のドアを開ける音-

 -『カチッ』と部屋の電気を点ける音-


(短く息を呑み、その後絶句する感じで)

「!? なっ……!!」


 -一、荒らされた部屋を見て、驚愕の声をあげる-

 -『ドサッ』とカバンを落とす音-


(信じられないという感じで)

「部屋がめちゃくちゃじゃないか……」


 -一、怖々と部屋の中に入る-

 -『ペタッ……ペタッ』と恐る恐る歩く一のスリッパの音-


(途切れ途切れに。『おな、じ』の後、何かに気づいたように、少し強めに短く息を吸う)

「そんな、これって……一昨日ツイッターで見た写真とおな、じ。……っ!?」


 -一、何かに気付きハッと息を呑む-


(一が心の中で思い出しているニュースの声なのでエコーで)

(断片的な一の記憶の再生なので、台詞の語尾はゆっくりミュートになる感じで)

(先ほどと同じく、淡々と業務的に)

『なお、現在も犯人は逃走中です。また昨夜も同じ手口の強盗殺人事件が起こっており、警察は同一人物の犯行とみて……』


 -一の頭の中で再生される今日見たニュースの音-

 -『カッチ、カッチ』という時計の秒針の音-


(恐怖の混じったうわずった声)

「そんな……まさか……」

 

 -うわずった声で喋る一-

 -少し間を置き、スマートフォンの『ブゥゥ』と短いバイブレーターの音-

 -一、ビクッと肩を震わせる-


(恐怖の混じったうわずった声)

「これって、ツイッターの返信……」


 -『カッチ、カッチ』という時計の秒針の音-

 -一、スマートフォンを取り出し、返信を確認する-


(ツイートの代弁なのでエコーで)

(半笑いで愉快に話す感じで。『キミ』の部分は『キ・ミ!』と一文字一文字を強調する感じで。『オキノドクサマ』も同じく、一文字一文字を強調する感じで。最後の『全員』の連呼は一回言うごとに声のトーンを上げていく感じで。最後の『全員』は叫びに近い感じで)

『君も僕の顔見ちゃったよね? だから今度はキミの部屋とキミを荒らしに来たよ!(笑 オキノドクサマ♪ 僕の顔を見ちゃった奴は全員・全員・全員・全員・全員!!!』


 -犯人の返信の声-

 -『ペタペタ』と、スニーカーでフローリングを歩く音。(犯人の足音)

 -スッと一に大きな影が被る-


(ビックリして聞き返すような感じで)

「えっ!?」


 -一の息を呑む声-

 -『グシャッ!』という何か固いものを潰したような音-


 

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