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私達だけの世界。

作者: 犬丸



大丈夫。


この世界が歪んでも、


私が守ってあげるから。


四人でずっと一緒にいよう?


ねっ?


だからそんな顔しないで。


私が全部元に戻してあげるから。


私は、みんなと一緒に笑えればそれで良いよ。










~~~~~~~


私の名前は加奈。14歳。


小さい頃から髪を伸ばしてるんだ。


「おーい!加奈ー!!」


あっちの方から走ってくるのは勇気君。


勇気君は笑顔の素敵な男のこ。


…私の好きな人。


ちなみに、告白はまだなんだ…。だって恥ずかしいし…。


「なあっ!優と凛はまだか?」


「うん。まだ来てないみたいだね。」


優お兄ちゃんと凛ちゃん。


優お兄ちゃんはね、私と勇気君と凛ちゃんより一歳年上なんだよ。


だから落ち着いてるっていうか…頼りがいがあるんだ。


で、凛ちゃんは少し気の強い女の子。


あ、来た。


「馬鹿勇気ー!!加奈に近づくなぁー!!」


「うわ!!なんだよ凛!!」


「こらこら。凛も勇気もケンカしない。加奈を見習いなさーい。」


優お兄ちゃんに言われて勇気君と凛ちゃんが頬を膨らませてそっぽを向いた。


前に勇気君と凛ちゃんみたいな人達を犬猿の仲って言うんだよって優お兄ちゃんが教えてくれた。


優お兄ちゃんは物知りだねって言ったら僕だって知らない事はいっぱいあるよって笑ってた。


優お兄ちゃんが知らない事なんてあるのかなぁ…。


「それにしても…なーんでここって真っ白なんだろなぁ…。あーあ。早く出らねーかなぁー。」


勇気君が呟く。


私達がいるのは何もない。ただただ真っ白な空間。


ずっと前にどこまで続いてるのか気になって四人で探検したけど終わりがなかった。


空も地面も海も時間も何も無い世界。


「勇気君は、」


「ん?」










「ここが嫌い?」












「いやー?ただ退屈じゃん?」


「勇気は全然落ち着きないもんねー」


「なんだと!」


「なに!」


「はいはいケンカしなーい。」


優お兄ちゃんが二人の頬を引っ張ると二人は大人しくなる。


「加奈は、退屈じゃねぇの?」


私は。


「私は、四人で笑っていられるからここが好き。」


「…加奈って良い子だよねぇ。勇気と違って!」


「はぁ!?確かに加奈は良いヤツだよなぁー!どっかの可愛げの無いヤツと違って!!」


「はいはい。ストーップ。」


いつもの景色。


勇気君と凛ちゃんがケンカしてそれを優お兄ちゃんが止める。


私はそれが大好きだから。


いつも通り。


それを壊したくないから。


なんだってやるよ。







~~~~~~~



何か、勇気君の様子がおかしい。


明らかに私を見る目が。優お兄ちゃんと凛ちゃんに対する態度が。


…またか。なーんて思いながら勇気君の所に行く。


「勇気君。」


「…っ!か…、な…。」


後ろから私が声をかけるとびくりと大袈裟に反応しながら振り返る。


すごく怯えてる。


きっと。


きっと、勇気君は。


「全部、思い出しちゃった?」


勇気君の瞳が揺れる。


「止めろ…!!止めろッ!!加奈!!」


「前と同じ台詞だね。勇気君。」


前…。


私が、この世界を98回目に消した時。


勇気君は私が世界を消す時、決まって同じ台詞を言う。


でも、それは私にとって凄く嬉しい事。


だっていつもと同じでしょ?


「怖い?私に消されるのが。」


嗚呼。99回目の同じ質問。


「…っ」


嗚呼。99回目の貴方の答え。


「でも大丈夫。この世界も勇気君も消して、勇気君の記憶も全部消して。」


「私がもう一度世界を作って。」


「そうしたら、もう一度四人で笑えるよ。」


「加奈…っ!」


「おやすみ。勇気君。」


いつも通りの台詞を紡いで。


私は「いつも通り」


勇気君を消した。


~~~~~~~




優お兄ちゃんと凛ちゃんはもう消した。


そして最後に勇気君も。


この世界には終わりがある。


時間がないのに終わりがあるなんて可笑しな話だけど。


この世界が終わりに近づくと歪みが現れる。


歪み…勇気君が記憶を取り戻してしまう。


勇気君が記憶を取り戻したら、いつも通りに過ごせなくなってしまう。


だから私は。


優お兄ちゃんも、


凛ちゃんも、


勇気君も、


この世界も、


全部消して。


もう一度世界を作って。


もう一度新しく始めるの。


素敵でしょう?


さあこの世界を消そう。


で、また勇気君と凛ちゃんと優お兄ちゃんを作って。


もう一度、いつも通り。


私達の世界で笑おう。





はい。ちゅどーん(爆)


遂にテスト期間で作者の頭が壊れた様です。


まあ要は無限ループって怖いよねって言うお話。


というかこの話だけ読んでも理解出来ない人が多いと思うので説明します。見事に犬丸ワールドが広がっていますので覚悟(?)のある方のみどうぞ↓





















本当に大丈夫ですか?























はい。スクロールありがとうございました。


まずこの話の舞台は加奈の精神上の世界です。


この時点であ?ってなった方、ごめんなさい。


で、勇気、凛、優は加奈が作った精神上のキャラクターです。


だから消したり作り出したりなんでも出来ます。


でも加奈はあの三人が心から好きなのでずっと四人で笑っていたいと思ってます。


んで勇気は時間(?)が経つと記憶を取り戻してしまいます。


まあ理由は加奈が世界を保っていられないとかうんぬんかんぬん。


で、勇気が記憶を取り戻しちゃうと四人で笑っていられなくなるから一回世界もキャラクターも全部消して、もう一度一から始めてるんです。


…で、それをずって繰り返してるっていう救われない話。


ちなみに続きがあったり。↓


「君だけの世界。」


勇気目線の話です。


さてさて、こんな犬丸の妄想に付き合って頂き、ありがとうございました。





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― 新着の感想 ―
[一言] 先に続編の方を読んで、?となりまして。 こちらを読んで、なるほど!と。 これは、切ないですね、残していく方も残される方も。 時間が心をいやしてくれるとよく言いますが、100回がちょうどい…
[一言] なるほど。創って消して創って消して、以下エンドレスなわけですね。 すばらしい! コミック1巻を買って最後まで読んで内容を忘れて、もう一回読んで内容を忘れて、もう一回(ry コミック一冊…
2012/04/09 23:29 退会済み
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