第1章 左眼の秘密
ジリリリリリリリリ・・・・ジリリリリリリリリリ・・・・ジリリ・・パチッ。
「ふわぁ~・・・よく寝た~って今日もまぶしぃー!」
朝の日差しが窓を貫通して、俺の眼球に入り込んできた。
いつも思うんだがなんで俺の部屋は朝日だけ入りやすいんだろう。
「さてさて、今は何時だろう・・・・やば!もう八時かよ!」
俺は急いで制服に着替えてすぐさま朝食を食べにリビングに下りた。
「おはよう~ぐれん~」
このおっとりした口調の人物は、俺の姉である神藤 薫子だ。特徴はこのほのぼのした口調と膝までかかったふわっふわな薄い茶髪で、高校時代では毎日のように告白されてたみたいだけど、なぜか彼氏いない暦が年齢と一緒なんだよな~。なんでだろう?
「おはよう姉ちゃん。それより俺の弁当は!?」
「テーブルの上だよ~♪」
姉ちゃんはテーブルにある青い包みに指をさした。さっすが姉ちゃん。ちゃんと作ってくれている。
「わかった、ありがと姉ちゃん。俺学校いってくるから」
「いってらっしゃ~い。車に気をつけてね~」
いつまでも子供じゃないんだぞ姉ちゃん・・・・。そんな事を考えつつ、俺は急いで学校に向かった。
俺の名前は神藤 紅蓮。謎宮学園高校1年4組出席番号2番だ。なんで2番かって?その理由はうちの先生に言ってくれ。俺だって謎だらけでわからないんだ。
おっと、こんなこと言ってる暇はない。早く学校に行かないとまたコンタに怒られてしまう。
あ、コンタっていうのは生活指導担当の吉野 魂太のことだ。直訳すればコンタと読めるから皆そう呼んでるんだ。本人には内緒だけど。
「さすがに3日連続遅刻で怒られたくないな。仕方ない、汗かきたくないけど走るかな」
俺はそう決意して学校に向けて走り始めた。
ちなみにうちの学校の登校時刻は8時20分。うちから学校まで走れでいけば5分で、今から走れば全然間に合う距離なのだ。
なんで遅刻するんだって?それは姉ちゃんを料理を全部食べないと泣いちゃうからだ。
それに「そんな早く食べちゃ駄目だよ~。もっとゆっくり味わって~」っていうから急いで食えないんだよ。なんで俺は姉ちゃんに逆らわないんだろう?
俺は疑問に思いながらも走っていうと、そのときトンっと目の前の女のことぶつかってしまった。
「ああ、ごめん。大丈夫か?」
「いえ、全然大丈夫です。・・・・はっ!?」
彼女は俺をを見てうといきなり顔を赤らめた。ん?なんだ?なんで急に赤らめたんだ。
「その左眼は・・・あなた神藤君ね!」
あ、やべぇ。今日眼帯してくるの忘れた。なんで眼帯なんてする必要があるんだって?よしよし説明してやろう。
俺の左眼、通称女子落とし(ガールズダイブ)。なんか厨二病みたいな名前だけど気にしないでくれ。この女子落としの能力は文字通り、この左眼を見た女の子は例え初対面であろうと惚れ落としてしまうのだ。
まったくなんでこんな能力があるんだか未だに謎なんだけど。まぁ、身内にだけはこの能力が効果なくて嬉しいんだけどさ。
「いやいや、俺は神藤じゃないよ。工藤だよ。」
「えっ?工藤?でもその左眼は神藤君じゃない。」
「実は俺と神藤の眼は取り外し可能なんだよ。あいつが昨日うちに置いてったから代わりにつけてきたんだよ。」
俺はわかりきっている嘘を言ってみた。そんなこと不可能でしょ!っていうツッコミを俺にください!
「あ、そうだったの。てっきり神藤君かと思っちゃったよ。」
「あ、ああ。実はそうなんだよね。あはは・・・・。」
なんと彼女は素直に受けとめてしまった。俺はなんとか誤魔化せてよかったのかツッコミをして欲しかったのかよくわからない心情でいる。
この子、絶対セールスとかに弱そうだなぁ~。
「ほら、工藤君。急がないと学校遅刻しちゃうよ?」
「ああ、わかってるよ。すぐに行かなくちゃね。」
俺達は急いで学校に走りなんとか間に合った・・・・んだが保健室寄ってかなきゃいけなんだった。眼帯もらってこなくちゃ。
「じゃあ、またね」
「ああ、またな」
俺は彼女と別れ、すぐさま保健室に向かった。
そのとき、キーンコーンカーンコーンとチャイムがなってしまった。
「どうして時間は俺にだけこう厳しいんだろうな・・・。」
俺はもう時間など気にせずに保健室で眼帯をもらい、すぐさま教室に向かった。
コンタに途中で会って怒られてしまったんだがな。・・・・とほほ・・・。
「遅れましたー。」
「こら、神藤君!君は今学期何回目かな?私の計算が正しければ今週でもう3回だよ!そんなに先生とのHRが嫌いなの?先生悲しいなー!えーんえーん!」
「そんなことないですよ、都魔呂先生。って泣かないでくださいよ!まるで俺がイジメたみたいじゃないですか!」
今泣いてるこの先生は都魔呂 京子先生。科目は数学。はたから見れば小学生だが、一応23歳。彼氏はいなくて、体育担当の瑠璃条 雪螺先生を狙ってるらしい。
『うわー、紅蓮なに泣かせてんだよー』
『神藤君ひどーい』
「なんだとお前ら!俺は幼女虐待なんてしてないぞ!」
「先生は幼女じゃないもん!これでも立派な女性だもん!」
『『『うそだぁぁぁああああああ!!!!』』』
「嘘じゃないからね!信じてよね!あ、そうそう。今日は皆にお知らせがあるんだよー。」
先生が怒りながらもそういった。俺はばれないように静かに席についたけど、先生は気がついてないな。ラッキー。
『え?なになに?』
『ついにバスト65越え!?』
俺のクラスはなんでこうも先生をからかうのが好きなんだ?それに先生は65もないだろ。
「違うもん!バスト75はあるもん!私は着痩せするんだもん。ってそんなことどうでもいいよ!今日は転校生を紹介する大事な任務があるんだよ!」
『『『転校生キタ------!!!』』』
転校生の単語ひとつでこいつらはこんなに盛り上がれるの!?
俺、このクラスになってはじめて気がついたよ!
「あれ?、なんかテンション上がっちゃった?んじゃこのテンションで迎えちゃうよ!それでは、転校生入場!」
先生が言ったと同時にいきなり俺の背後でガラッとドアが開いた。
まさか裏から入ってくるのか!?やるなぁ転校生。
「おっくれましたー!紅蓮の親友の亮君です☆」
『『『・・・・・・・・・・・・・・・』』』
なんと入ってきたのは俺の親友沖田 亮だった。髪はいつもツンツンしててワックス付けてるんじゃないかとコンタにいつも疑われてしまう癖っ毛だ。なんでワックス駄目なんだろう?
「・・・・・沖田君のことは放っておいて今度こそ!転校生を紹介しまーす!」
『『『いぇいいーえい!!!』』』
先生の2回目の宣言でようやく転校生が現れ・・・・おお、すげぇ綺麗だ。深緑に輝く綺麗な眼、風になびかせる様なひとつ縛りの髪。
こんな綺麗な子が転校してくるなんて俺のクラス超ラッキーじゃん!
「今日からこちらでお世話になります、水澤 蛍と申します。皆さん、よろしくお願いします。」
彼女は自己紹介をしたが、俺はそんなこと聞きもせずまじまじとみていた。これは両眼で見たい!俺は眼帯を外して再び転校生をみた。
すると転校生は俺の視線に気づいたのか俺のところによってきた。やべぇ!女子落としの能力忘れてた。俺は急いで眼帯を付けようとしたが、
「やっと・・・やっと会えましたわね、紅蓮」
「へ?」
彼女は俺が眼帯をつける前に俺の唇にそっと・・・・彼女の唇を重ねた。
初めて作った作品です。
読んでてわかりにくい部分があったかもしれませんが、どうかお許しください。