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第8話 マイくん説明ありがとう!


「…カミ様は12人…」


 凄い内容を聞きたそうにチラチラをこちらを見てくる。こんな話聞いてて楽しいのかよ。

 かなり長いこと話をしていて焚き火はすでに火が縮んでいる。てか口が疲れてきたからもうやめたいんだが。


「カミ様の話し…長い?」


「死ぬほど長い。」


 女がガックリと肩を落とした。そんなにあからさまにしなくてもいいだろ。なんかこっちが悪者みたいになってくるじゃねーか。


「聞きタい、けど、今日は遅いから寝ヨ。」


 ごねられなくてとりあえず安心した。俺はずっと寝てたけどこいつは寝てないしな。

 木を集めて焚き火して魔獣何匹も倒して、そんなこと一日やってたら流石に疲れるだろうし眠くなるだろ。

 少ししょげた顔はしているものの焚き火を突いて火を消している。

 あまりにガッカリしてるように見えたので明日話してやるから、って言ったらぱぁあっと顔を明るくされた。そんなに嬉しいか?こいつやっぱ変だわ。

 まあこの世界で生きていきたいなら常識くらい教えてやるか。拾った飼い主の責任は最低限果たすべきだろうし。教えていくうちに帰りたいとかいうかも知れないが俺は知らない。何も知らない奴が簡単にこの世界で生きて行きたいとか言うなって感じだな。

 いっそ何も知らない今の方が幸せかもしれないのにな。


独り…か…

 この女の言う独りが何かは知らんがアホそうに見えてそれなりに何かあったんだろ。何かを信じる方がバカだ。信じなければ辛いことなんかねぇのに。

 火を消し終わったのか女が立ち上がる。


「じゃ私、あっちデ寝る、かラ。」


 それだけ言うとさっさと部屋を出て行く。意外だった。絶対に一緒に寝ようとか言うと思って身構えていた。それをどう断ろうと思っていたのに。無駄な手間が省けて楽だがやっぱあの女の考えは読めない。

 と、思ったらすぐに戻って来ていきなり上の服を脱がれた。何だこいつ、相手がガキとはいえいきなり服脱ぐなよ。中身は子供じゃないっつってんだろ。

 まあ俺からすればこんな女に対して何か思うかって言われたら何も感じないけど。そもそもこいつ絶壁だし。いや、絶壁ってほどでもないか。ないわけじゃないな。


「地面、硬いカラ、ひいて寝テ。」


 不埒なことを考えていると目の前にぐいっと白い上着を差し出された。

 いやいやいやいや、なんでだよ。バカだろこいつ。お前が着て寝ろよ。肌着一枚で洞窟で寝られるわけねぇだろ。洞窟の中は夜でも冷える。寒いに決まってんだろ。

 いらないと突っぱねても敷いて寝ろとうるさいししつこい。だーかーらー、こんな硬い地面に素肌当てて寝られないだろ!


「ヘイキ。岩に比べて地面は暖カイ。地面で寝るの、慣れテる。寝れル!」


 慣れてる?年頃の女が?地面で寝るの慣れてる?

 異世界はこの世界に比べて文明がすすんでるし平和だって聞いてたんだがそうでもないのだろうか。地べたで寝るの慣れてるとか殺伐としすぎだろ。

 いや、召喚者の中にはここよりも文明の低いところにいた奴も居たな。文明の格差はこの世界でもかなりあるしそういうことだろう。

 結局押しに負けて渋々と服を受け取る。満足げな顔した女はじゃっ、と言いながら左の部屋に向かった。

 まあ部屋の反対側に積んであった干し草を半分くらい持ってったからそれ敷いて寝るんだろ う。つくづく変な奴だ。

 俺ものそりと起き上がって右の部屋でお姉さんの服を敷いて寝転がった。ようやく一息つけた気がする。

 隠し部屋に行けばもっと快適に過ごせるがあの女がちゃんと寝付いてからがいい。気が付くことはないとは思うができる限り俺の情報を与えたくない。時として情報はかなりの力を持つ。情報ひとつで国が消えることもあるくらいに。


 とにかく俺はあと3ヶ月はここにいなければいけない。

まともに魔法が使えるように魔力が戻るまで一週間。

スキルが戻り始めるまで1ヶ月。

極大魔法が打てるまで2年…

俺が死ぬまであと…

大きく息を吐いて寝返りをうつ。

そんなことは考えるな。

今やるべきことだけをやれ。

大きく息を吸う。

 ふと、洞窟とは関係のない匂いが鼻を掠める。下に引いているあの女の服の匂いか。

それは何だか優しくて懐かしくて、

とても、心地いい。


ハッとして起き上がる。違う。

こんなことをしている場合じゃないだろ。

俺は、こんな、ことを。


 服をシワになる程握りしめた。立ち上がって洞窟の壁の一部に手をかざすと青白い魔法陣が広がって大人1人が通れるほどの穴が開く。

俺は慣れたようにその中に入って行く。


「あと、一回だ。」


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