第二回、なんなのその指…
今回は、勝てる可能性は十分有ったんだけどなぁ...
というテーマで描いた敗北
信華は強い殺気を感じ、寺の境内に飛び出した。
邪悪な仙人といった雰囲気の老人が佇んでいる。
老人は、信華を値踏みすると邪悪な笑みを浮かべながら襲いかかって来た。
老人は、貫手を得意とするようで、
嫌な予感がして横に飛びのいた信華は、
それまでいた場所を通り過ぎた老人の手が石灯籠に4つの穴を開けたのを見て、ゾッとする。
しかも、身を翻し軽々と石灯籠の上に降り立つ様子からは、逃げようにも、とても逃げ切れるとは思えない。信華は、死闘を覚悟する。
襲いかかる貫手を手首に横拳の前腕を当てて逸らす、本来なら軌道が逸れた腕をそのまま掴んで崩し、戦いを有利にしたいところだが、引き手も突き出すのと同等の速さで、それも出来ない。
貫手が喉を切り裂いたら?胸に突き刺さって心臓を貫いたら?そう恐怖しながら、なんとか横拳で貫手を捌きつつ、信華が得意な間合いまで前進を続けた。
やっとの事で攻撃可能な間合いに入った信華。
たが、その瞬間、右腕に激痛が走る。
老人の指が信華の右腕に5つの穴を開けてくい込んでいる。ギリギリ指が届く間合いでは無敵なこの老人、別に密着戦が不得意な訳では無かった…
しかし、今度は老人が驚く、信華が右拳を握り込むと、筋肉が老人の指を締め付ける。
そのまま右腕に引っぱられ、体勢を崩した老人の鳩尾に信華の左肘が突き刺さった。
勝った!…筈が手応えが感じられない。
信華の左コメカミに、老人の右人差し指が
突き刺さった。
信華は焦る…が、老人が脳内で少し指を動かすと焦りが無くなる。
怒りが…無くなる。恐怖が…、悲しみが…、
老人が指を動かす度に消えていく、
そして最後には信華自身も消えてしまった。
目が虚ろで半開きの口の端から、つー。と涎を垂らしながら立ち尽くす信華。
その耳元に、新しい行動パターンを1つ1つ注ぎ込む老人。
老人は1年後、ショートカットで、露出の多いチャイナドレスを着こなした女拳法家を連れていた。
こめかみには瘡蓋、その顔は信華にそっくりだが別人の様に、妖しい美しさを放っていた。
今回披露した信華の強さ
反射神経(貫き手を捌き続けたヤツ)
筋肉を締めて相手の武器を固定するというファンタジー技
熊形拳(肘打ち...なお、効かなかった理由は考えてない)




