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学院の凡人は英雄譚を描きたい  作者: (羽根ペン)
第一章 巨人暴走事件
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1.始まりの朝

目を覚ます。

瞼を開けてすぐ見えたのは、知らない・・否、知っているが未だに見慣れない、綺麗な真っ白の天井。


「ふ・・あぁ・・」


寝転んでいた体勢から上体を起こし、両手を上へ。盛大に伸びをかまし、ベッドから下りる。

カーテンを開き、日光を身体中に浴びて一言。


「だりぃ・・」


新学期一日目。最初の言葉は怠惰から始まった。


七大国立中央魔術学院

高位な貴族の子息や令嬢、大商会の御曹司等が通う、所謂エリート校。

ピザを7等分したように国境を分けた国々の中央に位置する、正真正銘、この世界における最高学府。


「はぁ・・準備すっか・・」


平民もいるにはいるが、数が少なく、たとえ貴族であってもよっぽど優秀な奴でなければ入学すらままならないような、そんな学院。


「よし・・」


言葉に出すことで気合を入れ、鏡の前へ。春休みの前にも着ていた学院指定のワイシャツとスラックスを履き、寝癖を適当に直して顔を洗う。


「飯は・・昨日のでいいか。」


昨日の作り置き・・というか、夕飯の残りを氷魔術を利用して作られた魔道具。通称「冷蔵庫」から取り出し、同じく炎魔術を利用して作られた魔道具「再暖箱」に入れて暖める。


後は常備してあるパンを机の上に出し、暖まるのを待つだけだ。

そうして出来上がった料理を若干急ぎめに口の中に放り込み、最後にこれまた学院指定のネクタイとブレザーを着て、準備終了。

歯磨きも終わらせ、後は部屋の外に出るだけというタイミングで思い出す。


「やっべ、忘れてた!」


慌ててドア前から机まで戻り、引き出しに手をかける。

中から取り出したのは、金色の腕輪。何の変哲も装飾もない、細身の物である。

そろそろ貼られた金メッキが剥げてきているが、特に気にすることなく腕に着け、部屋の鍵を持って外へ。


「じゃ、行くか」


鍵を閉め、再度ドアノブを引いて確認。しっかりと戸締りできていることを改めて認識して、扉に掛かっている名前を見上げる。


『モズ・ヘカーテ』


ミドルネームも無ければ様などの敬称も無い。俺が貴族ではなく、大商会の御曹司でもない、ただの平民であることの証拠がそこにぶら下がっていた。


廊下の最奥に位置している部屋から、寮のエントランスまで早歩きで歩き抜け、鍵を渡して寮母さんに軽く会釈し、外へ出る。


まず目に入ったのは街並み。均整の取れた、白と青を基調とした美しい光景。芸術家が描いたらかなりの高値で取引されそうなほどに美麗な住宅街と、その真ん中を伸びる石畳の街道。それらに


「はあぁ・・・」


と特大のため息を吐き、街道の奥の方。高く聳える城のような建築物を見遣る。

見るだけで心が圧迫され、緊張が背筋を伝うようなその威容に、負けじとその建物。七大国立中央魔術学院の校舎を睨む。


「確か、今日は授業無いんだったか」


それだけは今日という日に始業式という行事があることを神に感謝しなければならないだろう。

が、流石に週の頭の日にそれを持って来るのは違うと思うぞ神よ。


「じゃあ始業式終わったら適当に昼飯食って帰ろう。うん、そうしよう。『アイツら』との稽古はサボりたいし、面倒事に巻き込まれたくもない」


ホントつくづく。なんでこんな学院トコに来ちまったんだろうなぁ。俺は。


初めましての方は初めまして。

お久しぶりの方はお久しぶりです。

どうも、(羽根ペン)と申します。

約一年、受験やらなんやらあって投稿出来ず、申し訳ありませんでした。

今日からは新作として『学院の凡人は英雄譚を描きたい』を順次投稿していきたいと思います。

基本的には毎日投稿をしていきたいと思っているのでよろしくお願いします。


また、感想やいいね等はいつでもお待ちしております。くれると作者のモチベーションが上がるので、何卒よろしくお願いします。


長くなってしまいましたが、最後に。

これからも拙作をよろしくお願い申し上げます。

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