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東京ダンジョン学園  作者: 叢咲ほのを
第四章 内なる力の目覚め -Awakening Within-
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第69話 分からないことはAIに聞いてみよう

 昨日もまた激動の一日だった。

 一日でユノ達三人のレベルを3に上げただけでなく、なんと俺のスキルの隠れた能力も判明してしまったのだ。

 その能力とは、パーティーを組んだ仲間のスキルを自分でも使えるようになると言うもの。

 自分で言ってはなんだが、反則だ。

 今後いろいろな人とパーティーを組み、スキルをこっそりもらうことができれば、俺はすぐに世界一のスキル使いになれるだろう。

 だがバレた時にどうなるだろうか?国から危険視されるに違いない。場合によっては捕らえられて監禁される可能性だってある。前世と違い、この世界での人権については少々不安があるのだ。


 そこで今日は、昨日迷宮資料室で紹介してもらったAIメイリスのダウンロード版を試しながら、そこらへんの確認をしておこうと思う。


 俺は自分のスマホに昨日教わったQRコードを読み込ませて、メイリスDL版をインストールする。

 簡単な挨拶文の後、俺はいろいろと質問してみることにした。


『スキルについて質問。スキルボードのように自分のステータスを見るスキルはありますか?』


 俺の質問に対し、メイリスが答える。


『【解析】というスキルがあります。解析を使うと、使った相手のステータス、アイテムの情報、モンスターの情報が分かるというスキルです。

 またアメリカの迷宮探索局では、スキルボードの破片を使った携帯型スキルボードの実用化に成功しています。その道具を使えば、解析スキルと同じ効果が得ることができます』


『携帯型スキルボードって、空港にあるやつ?』


『いいえ、空港にあるのは迷宮内で発見された普通のスキルボードです。ちなみに先進国ではスキルボードによって出入国者の解析が行われており、危険なスキルを持つ者の出入国の禁止。一定以上の高レベル探索者については監視対象となることがあります。

 アメリカで開発された携帯型スキルボードは腕時計型で、迷宮探索時に使用して魔物の情報解析や、アイテム発見時に即時の解析が行われています。それ以上の情報はアメリカ合衆国の機密となり、詳細な情報は公開されていません』


 へえ、そんなものがあるんだ。敵の情報やアイテムの情報が分かるなんていいなあ。ほしいなあ。


『それを買うとしたら価格はいくらですか』


『残念ながら非売品です。日本人でも活動拠点をアメリカに移し、アメリカの迷宮探索に貢献することができたら支給される可能性はあります。また将来的に量産が進み現在よりも安価に制作できるようになったら販売される可能性もあるかもしれませんね』


 なんだ、買えないのか。残念……って話が逸れてきたな。えっと……


『出国できないというのは、どれくらい危険なスキルが対象ですか?』


 俺のスキルがバレたらもしかしたら海外に行けなくなるかもしれない。


『【国家監視対象スキル】と呼ばれるものがあります。

 現在未発見のスキルをあらかじめ予想しておき、犯罪に使えるような特殊なスキルを所有している場合は、国外への出国だけでなく普段の生活も日本国から管理s対象になることになります。

 例えば、

即死スキル(デス)……突然心臓を止めてしまうスキルなど、殺人に悪用が可能。

異次元収納ストレージ……密輸入に悪用が可能

瞬間移動テレポート……窃盗などを証拠を残さずに実行可能

透明化インビジブル……同じく窃盗などに悪用可能

 以上のような特殊スキルが発見された場合には、監視対象、あるいは即時拘束される可能性があります。

 現在すでに国家監視対象スキルが存在しているかどうかは公開されていません。もしかしたらすでに拘束されている人がいるのかもしれませんし、一人もいないのかもしれません。これについては人権にも関わる問題ですので、実際に発見されたときに本当に実行されるのかどうかは今も議論の最中です』


 ま、まじか……。思ったよりヘヴィだった。

 ストレージなんてゲームなら当たり前の能力だけど、もし現実であったら拳銃だろうが覚せい剤だろうが密輸入できちゃうってことか。なんなら犯罪の証拠をストレージに隠してしまえば完全犯罪も可能になっちゃうかも?

 ということは俺のスキルもかなりきわどいラインなのかもしれないな。


『それでは、例えば他人のスキルをコピーして使えるようなスキルがあったら、監視対象に当たりますか?』


 俺のスキルがそれに当たるかどうかという核心について聞いてみた。


『それは非常に微妙なラインですね。

 実際には現在までそういうスキルは発見されていません。

 例えばコピーすることで他人のスキルを無条件に強奪してしまうようなスキルであれば、国家監視対象スキルに当たる可能性が高いです。

 もしもコピーするだけで相手のスキルに影響を与えることがなければ、他人に損害を与えることがないため、国家監視対象に当たらない可能性があります。

 飽くまでも今後新しく発見されたスキルに対する準備として制定されているルールですので、実際にそのスキルが発見された時には改めて議論する必要があります』


 きわどいなあ……。ギリギリセーフなのかもしれないけど、とりあえず今後も俺のスキルは隠していくしかないな。

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