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EP 17

「やっぱりぃ? じゃあ今晩は生姜焼きにしようっと。八千穂くぅん、良かったらうちに食べにくる? ともみの家、ここから歩いてすぐなのぉ」

ほら来た。な?

「え……っとぉ」

「ねえいいじゃんいいじゃん。ともみね、こう見えてお料理上手な方だと思うよ。美味しいものいっぱい作ってあげるからぁ!」

カゴをするっと避けて、腕を組んでくる。なかなかの豊満なバストが腕にぎゅむっと押し付けられ、背中にぞわっと悪寒が走った。

「ちょ、酒向さん、」

俺が再度、腕を引こうとした時。

「おーーい、そこの二人! ちょい手伝ってくれー」

聞き覚えのある声。顔を上げて声の方を見る。と。

「香山チーフじゃないですか!」

先に、酒向さんが声を上げた。

「……と、花崎さんね」

小さな小さな声の中には、嫌悪感が含まれていた。あまり表沙汰にはならないが、もちろん花崎とは犬猿の仲。白い肌至上主義な酒向さんからしてみれば、野生児すっぴん褐色肌の花崎繭香は、女性のカテゴリにすら入らないのだろう。

要は、四人衆は繭香のことが、気に入らないのだ。香山チーフが来てからは、それが顕著になったような気もしている。

けれど、今はそんなことはどーでもいい!

なんで、繭香と香山チーフが一緒なん?

正直。すごくイラッとした。家なんかは反対方向のはずだし、しかも繭香はこっち方面じゃねーだろ。

(まさか香山チーフの車で一緒に来たんじゃねーだろうなっ)

ずどんと自爆。え? それってもう付き合ってるってこと? いやいやそれはないないない!!

衝撃を受けて撃沈していると、なかなか動かない俺の腕にぐいっと手を回し、酒向さんが引っ張っていこうとする。

「あらあ香山チーフと花崎さん。奇遇ですね! お二人はあ、お買い物ですかあ?」

すっかり腑抜けて脱力してしまった俺。腕を引っ張り返す気力も湧いてこなく、よろよろと酒向さんにされるがままの自分に成り果てている。

「おう! 俺は晩メシの買い物で、花崎はこれ目当てだ」

ふと見ると、コラボ缶が鬼のように並べてある。鬼だけに。

「えええー! 花崎さんってオタクだったんですねえ。あんまり自分磨きに手をかけてないみたいだから、花崎さん趣味って何だろうねって皆んなで話してたんですけど、アニメって!」

ふすっと吹き出し、にやりと笑う。

こういう性格がちょっと悪いところが難アリなんだけど、事務の四人衆はそれに気がつかない。類友ってヤツだ。

繭香はというと、口元をぐいっと引き締めて、何かを言いたげではあるが我慢しているようだ。

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