第一節:天地創造
ネオ岡山。それは、文明が二度滅び、有象無象が二巡した後に誕生した無可有郷である。
樹々は生い茂り、争いや死や病気という脅威がなく、慈愛の心を重んじる神々で溢れ返るこの世にある男がいた。
そう愚者フッジ・カッゾである。
彼は好奇心に駆られ、なんとアガスティアの大樹に齧り付き、あろうことかホメオパシーを感じていたのだ!
神々の怒りに触れた愚図は、当然のことだが、ネオ岡山から堕界させられてしまった―――。
全ての物語はここから始まる。
カッゾは飢えていた。
彼はネオ岡山の下はとても住みやすいとは言えない世界だと気がついたのだ。辺り一面に生命は無く、床を覆う白を舐める事で生きながらえていた。
彼の腹と背はピタリと重なり、もう限界が来ていた―――。
「ああワンネスよ。親愛なるワンネスよ。どうかワシを助けてくだされよい。」彼は、首に手を当て無気力に天を仰いだ。
突如、青白い閃光がカッゾの前に降り注いだ。見えぬ者がワシに語ってきおったわ。
「汝よ汝、もしかしてビリージョエルが好きなのか………?」
「いやワシゃマイコー。マイコージャクスン………。」
ちゅどーん。カッズの頭に雷が落ちた。カッゾは黒焦げの備長炭になったとさ。
おわり。