表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このゲームを百合ゲーとするっ!  作者: 一山幾羅
第一対決
10/149

このゲームを百合ゲーとするっ! ―7

 しかし、とにもかくにも、これでサレナの準備は完璧に整ったと言えた。


 体力と運動能力も一応人並み以上には鍛えることが出来たし、魔力と魔術に関しては言わずもがな。


「どうにかこうにか、間に合ったわね……」


 サレナはそうひとりごちながら、孤児院の床を掃除する手を止めて、壁に掛かっているカレンダーを睨みつけるように見つめる。


 その視線が向かうのは、赤い丸印の書かれたとある日付。

 それは、サレナ・サランカ十五歳の誕生日にして、運命の日。


 前世の記憶を思い出してから四年目、遂にサレナはゲーム本編の始まる歴史へと突入していく。


 そのための準備はやれる限りにやってきた。

 覚悟なんて当然、記憶が目覚めたあの日から変わらずに決まっている。


「もう少しで、会えるんだなぁ……」


 カレンダーの日付に触れながら、サレナは感慨深くそう呟く。


 それを考えると、勝手に鼓動が高鳴り始めてしまう。

 それは喜びのせいなのか、それとも不安のせいなのか。


「…………ふっ」


 少しだけそう考えてから、サレナはすぐにそれを吹き飛ばすように軽く笑ってみせた。


 そんなのどっちでもいいし――きっと、どちらもそうなのだろう。


 喜びと不安。

 その二つを抱えて、サレナ(わたし)カトレアさま(あなた)と出会いに行くのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ