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雪だるまと夢  作者: 千夢
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お見舞いと共に

 長袖を着たくなる季節。窓の外を見ると首にスカーフを巻いた大人が歩くのをよく見ます。寒さはこれからどんどん厳しくなることでしょう。

 軽い暖房が入った病室の中でも、夢ちゃんは長袖のパジャマを着ています。

 夢ちゃんがショーンとお話していると、こんこんっとドアをノックする音がしました。冷凍庫のドアを閉めます。

「はーい!」

 夢ちゃんが返事をするとドアを開けて入ってきたのは同級生のゆきちゃんでした。

「夢ちゃん、おひさしぶり~!!!」

 とても元気な声で入ってきたゆきちゃんは笑顔です。夢ちゃんとゆきちゃんは夢ちゃんが入院する前までいつも一緒に遊んでいました。いろんな秘密も話し合ったお友達です。

「ゆきちゃん久しぶり! 来てくれてありがとう!」

 本当に嬉しかった夢ちゃんはとびきりの笑顔です。病気も吹っ飛んだ気分です。

「夢ちゃん、今日はお土産があるんだ~♪」

 ゆきちゃんが嬉しそうにカバンの中に手を突っ込みます。手帳を出しパカっと開くと間に挟んである手紙を出します。

「わぁ……すごい」

 その手紙は和紙でできていました。しかも、左下にもみじが飾られてます。

「紙漉き体験で作ってきたんだ。夢ちゃんにあげる!」

「いいの?」

 ゆきちゃんはうん、と頷きます。

 夢ちゃんは感激していました。病室にいると季節感がなかなか感じられません。ゆきちゃんは赤いもみじの手紙で秋を知らせてくれたのです。

「うわぁ、もったいなくて使えない! 大事にとっとくね!」

 夢ちゃんは引き出しに手紙をそっとしまいました。

 夢ちゃんとゆきちゃんは楽しくお話しました。それから、二人でトランプ。時間はあっという間に過ぎてゆきます。

「あ、もう四時半。五時までに帰らないといけないから帰るね」

「来てくれてありがとう。またね!」

「病気、早く治してね! 学校で会おうね!」

 二人で握手すると、ゆきちゃんは部屋から出てゆきます。夢ちゃんは冷凍庫を開けました。

「ショーン、見て!もみじのおはがきだよ!」

 夢ちゃんはゆきちゃんにもらったはがきを見せます。ショーンも目を丸くします。

「すごーい、こんなことできるんだねぇ」

 夢ちゃんは少し思いました。こんな風になにかあったときに報告することができる存在がいるって、とても幸せなことだなぁ。

 小さな幸せなのかもしれません。でも、夢ちゃんにとってショーンとの日々はとても大切なものになっていたのでした。

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