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ルーティーン

というわけで、なんか良い案はないだろうか………

うかうかしてたら王立学園への入学手続きをされてしまうかもしれない。


まぁ、できれば皆が納得するような事を考えるからいかんのだよな。



夜になり、もう寝ることにすると侍女に伝えると一旦自室に引っ込んだ。

そしてできるだけ寝ているように見えるよう工作をして、2階の窓から飛び出した。



身体強化を使って速度を上げ、一気に駆け抜ける。

領の北方へ向かい、そのまま魔族領へと入り込む。



程なく、富士の樹海のような深い森が見えてくる。



ここが目的の場所にして魔族の防衛拠点の一つ、《宵闇の樹海》。

魔族や魔物にとっては下手な砦を築くより、こういった自然に近い構造のダンジョンの方が防衛しやすい場合もある。



特にダンジョンは、その名の通り昼でも太陽の光は全く差し込まず真っ暗。

しかも木の幹や枝が縦横無尽に生えており、侵入者の行く手を阻み、視界も制限する。


光を点けて進もうものならあっという間に魔物に囲まれ袋叩きに会い、手探りで進めば食人植物やクモの巣に引っ掛かって帰らぬ人となる。



当然、ダンジョンであるが故に燃やしたり吹き飛ばしたりという事はできない仕様になっている。



俺は目の前に見える最早黒い壁に迷わず足を踏み入れた。

人間の目じゃ、なーんにも見えない。

でも迷わずに進んでいく。



しばらく進むと、森の中が薄く紫色に光るゾーンに入った。その中は少々開けており、テニスコートを2つ並べたくらいの空間になっている。


そして、目を引くのはこの空間全体を覆っているクモの巣だ。遠くから見れば普通のクモの巣にも見えるだろうが、近付いてみるとクモ糸の一本一本が荒縄位に太い。


こんな糸に絡まってしまったら、容易に抜け出す事は敵わない。クモの巣を眺めながら空間の中央へ進んでいく




「あら、随分可愛い侵入者さん。」


瞬間、俺は後ろからの声に反応せず前に倒れ込んだ。

さっきまで俺の頭のあった場所を鋭い鎌のようなものが通過していった。



「随分な歓迎だね。ちょっと見学に来ただけなのに。」

「声をかけただけ感謝してほしいわ。そうでなきゃ今頃あなたの頭の中を啜っていたのだけど。」



倒れ混みながら前転し振り返ると、そこには巨大なクモがいる。大きさはワンボックスの車位の胴体に鉄骨のような足。クモと決定的に違うのはクモの頭の上に人間の上半身がくっついている。

厳密には人間ではなく、人の形の魔族なんだけども。

黒い髪に黒い瞳、肌は雪のように白い女性の魔族だ。

女性というか最早少女だ、可憐な少女の上半身だけがクモの頭からもやしの如くにょっきりろ生えている。



アラクネ


クモの魔族であり、強力な膂力を持ち8本の脚による素高速移動、クモの糸での搦め手に、毒魔法などなど、しかも戦闘中には本体と人がそれぞれ独自に動くのでなかなか侮れない。



それの親玉、クイーンと言っても良いのかもしれない。

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