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全身ホワイトおっさん

花瓶動かし事件から数日。

俺は顔の怖い男どもにずっと見張られる事になってしまった。



お世話はいつものメイド(名前はアンナっていうらしい)がやってくれるのでまだ良いのだけれども。

武装したおっさんやにーさんが交代交代で俺をずっと見張っている。



まあ、どっちかっていうと外からの襲撃なんかを警戒してる様子だから常に見張られているってわけでもないけど、ずいぶん居心地が悪い。

そして視界が暑苦しい。

女神と天使しかいなかった俺の楽園を返してほしい。



「こちらです、神父様。」



なんか知らん人が入ってきたぞ?

まぁ母ちゃんとアンナも一緒だけども、何なんだ?

白いローブに身を包んだ頭まで白いおっさんだ、神父様とか言ってるし、まあそうゆう職業の方なんだろう。



「こちらで怪奇現象があったのですか?」

「はい、そこの花瓶が急に動いたんです。」

「結界に反応はありませんでした。………まさか幽霊かなんかじゃ?」

「アンナ、冗談を言うにもタイミングを考えなさい。」

「奥様!私はいたって真面目に聞いているんです!もし幽霊だったらもう夜眠れなくなっちゃいますよ!」

「まぁまぁ、何にせよ一度調べてみましょう。」



そう言ってその全身白色のおっさんは花瓶を持ち上げたり、窓から外をのぞいたり、部屋を見て回っているようだ。

時折こちらをチラッと見ているような気もするけど、こんな初対面のおっさんに愛嬌を振りまくこともあるまい、無視無視。



「ふーむ、魔物が入った痕跡などはありませんね。」

「そ、そんな………やっぱり幽霊………」

「アンナ…………」



犯人は俺でーす。



「まぁ、幽霊と言う事もないでしょうね、幽霊………というか実体を持たないレイスなどの魔物が出る場合には、特有の空気の淀みなどがあるのですが、今回は特にそういった反応も見られません。」

「それじゃあ一体原因はなんだったんですか?」



この世界には魔物がいるんだなー、ますますファンタジーの世界って感じになってきたな。

しかも、実体を持たない魔物なんているのか………やっぱり銀の武器とか魔法じゃ無いと駄目とかそんなヤツかな?



なーんて考えてたら、おっさんが俺を見ながら母ちゃんに、

「イレーヌ様、少々早いとは思うのですが、イオリ様へ祝福をお授け致しましょう。」

「イオリはまだ1歳になったばかりですが、大丈夫なのですか?」

「ええ、恐らくは。それに、祝福を受けておいた方がそういった怪現象も減るかもしれません。」



なーんか『祝福』とやらを授けてくれるらしいぞ。

にしても、さっきからなんか見てくるな、このおっさん。

そんなに見てもなにもサービスせんぞ?

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