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蜘蛛FPS

「なんにせよ、現状ソフィは自由に魔法は使えないってわけ。練習さえすれば今までより自由に魔法が使えると思うよ」

「じゃあ、今私に役立てる事はないな。」

「いや、ソフィにはこの蜘蛛を操作してもらいたい。」

「いやいや、そこはお前が自分でやりなさいよ」

「いやいやいや、さすがに俺でも蜘蛛の操作と自分自身の戦闘をスムーズに同時進行は無理だから。」


しかも悲壮感を漂わせながら大魔法を発動するっていう演技力まで必要になる。


「こんなの私に操作できるのか?魔法使えないんだろう?」

「その為にこのもう一つの魔石を使うのさ。」


俺は予め用意しておいたもう一つの水の魔石を取り出した。


「この魔石と蜘蛛の魔石を細い水のコードで繋げておいて、こっちで遠隔操作出来るようにする。」


そう言って、魔石に魔力を込め形を変形させる。

イメージはPCの薄型ディスプレイとゲームのコントローラー、よし、イメージ通りに出来た。

試しに軽く動かしてみる。移動、攻撃、ジャンプ等々問題なさそう。

それらをソフィに渡す。


「こっちの薄いのは蜘蛛の目に連動していて、蜘蛛の見る景色が見える、こっちは蜘蛛のコントローラー、試しに動かしてみなよ」

「お、お前………魔石ってそんな風に加工できるもんじゃないはずだぞ?」

「いや、魔石って魔道具になったりするんだろ?」

「魔道具ってそんなものではないんだが………いや、もういい、教えてくれ。」

「こっちで移動で、このボタンで前足攻撃、ジャンプ、蜘蛛糸攻撃、魔法攻撃。」

「よーし………こうか?」


蜘蛛が動き出す。

まっすぐ前に進んで正面に立っていた木をなぎ倒した。

さすが素体が良いだけあって、移動だけで中々のパワーだ。


「おおっ!すごいな!これは?おおっ!?」


魔法で闇の矢を撃ったりジャンプしたりと楽しそうだ。


「これで家の皆を無力化してもらいたい。」

「よーし、まかせろ!」


とはいえ、これだけじゃ家の皆を無力化するのは難しい。

なんてったって一人一人がなかなかの使い手だからね。


「というわけで、適当に暴れて皆の注意を引きつけたら、蜘蛛糸と魔法ボタンを同時押ししてくれ。」

「こうか?」


蜘蛛の口が開き、蜘蛛糸が吐き出された瞬間


ズドォォォン!


そこから広範囲に無詠唱かつ魔方陣無しで雷の魔法が放たれた。


「え………?」

「どうよ、このいかにも闇属性の魔物から放たれる無詠唱の光魔法!これで不意打ちすれば成功間違いなしだ!」

「いや、これ喰らったら死ぬんじゃない?」

「確かに見た目は凄いけどな、そこら辺は大丈夫、あの人達頑丈だし。」


雷は光魔法に分類されるわけだけど、これはスタンガンのように相手を痺れさせて動けなくするタイプの魔法だ。

確かスタンガンって電圧は高いけど電流は高くないんだよね。

殺傷力の低さはそこら辺からきてるって話だったし、電流さえ上げなきゃ大丈夫、のはず。


「心配なら、他のボタン同時押しで麻痺毒の霧とかも出せるよ。」

「できればそっちで無力化出来ると良いな。殺しはちょっと………」

「そうだなー、心臓の弱い人は危ないかもな、そんな人ロコー領にはいないけど。」


まぁ蜘蛛糸でも当たれば身動き取れなくなるしな。

ソフィはジャンプからの蜘蛛糸乱れ打ちにロマンを感じているみたいだ。


まぁなんにせよ、上手いこと彼らを無力化してくれればそれでよし。

これで準備は整った!

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