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天才ベイビー?

夢にしてはリアルすぎるし、長すぎる。

暑さ寒さも感じるし、恐らくは現実なんだろう。

くる日もくる日も金髪碧眼の綺麗なねーちゃん(多分母親)と、栗色の髪に亜麻色の目の女の子(多分メイド)の腕の中でされるがままの俺。

お世話される中、イオリって名前で呼ばれている事から、俺の名前はイオリって言うんだろうな。



オムツを代えられる時とかもう最初のうちは羞恥心がヤバかった。毎日されてるとだんだん当たり前のことになってくるけどね。

でもまぁ前世でも全身麻酔の手術後はそうだったよな~、今はもう昔の話だ。

「オムツ代えてる間、お利口さんにできますねぇ」

「まるで、こっちの言葉が分かってるみたいね」

「将来に期待が持てますね!」

「本当にありえるわ」



たったこれだけの事で天才扱い………いつ泣けば良いか分からないんだよな~。

見た目はベビーでも中身はおっさんだから、正直腹へった!とおトイレ!くらいしか泣くタイミングが分からない。

この体で覚醒してからおよそ一年あまりが経過した。この世界にも四季があるらしく、おかげで一年の経過が分かりやすい。



助かるのは言葉が認識できることだな、おかげで色んな情報が確認できる。

時間の概念や距離の測り方なんかは大体考え方が一緒だし、物の数え方も十進法みたいでちょっと安心した。

基本的な常識はご都合主義的に日本に準拠しているようで、こっちとしては大助かりだ。



日本と明確に違うのは、まず人の見た目。

母ちゃんもメイドも大変な美人さんなのだが、金髪に青い瞳とか、少なくとも日本人ではなさそうな顔立ちだ。

たまーに入ってくる子供、恐らく兄や姉なんだろうと思うけど、こちらも金髪碧眼。たぶん俺もそうなんじゃないかな?

とりあえず、今のところ東洋人の顔立ちの人間を全く見ない。



次に家に電化製品がなさそう。スマホやパソコンはおろか、電灯もなさそうな雰囲気がある。

この家にしたってメイドもいるし、ある程度の貴族とかお金持ちの家なのかもしれない。でも建物は木造だし、夜の明かりもキャンプで使うランタンの骨董品バージョンみたいなのを使ってるし。

オムツも布だしな、用を足した後の不快感がやばい。

何にせよ、文明のレベルはそこまで高い物では無いのだと思う。



そして魔法の存在。

メイドが夜のミルクの時間に、指先から光を出した時には驚きを通り越して感動してしまった。

完全にファンタジーの世界に転生してしまったって感じだな。

魔法に関しては、今のうちからワクワクが止まらないぜっ!

実はもう魔力というか魔素のようなものは感じ取れてたりする。一日中寝てるだけで他にやることが無かったからなぁ。

魔素は体の中にも、空気中にもどこにでも溢れていて、それを利用して様々な作用を起こすことができる。

今の俺にも、花瓶をちょっと移動する事位はできる。

せっかく天才扱いしてくれてるし、ここで更にアピールしてみよう。

意識を花瓶に集中する。皆の見ている前で花瓶がズズズっと動いた。

「え!?」

「今………」



 さぁ、ほめても良いのよ!?

 とばかりに母ちゃんを見つめる俺。

 何故か二人とも青ざめた顔をして辺りを見回している。



「一体何が起こったの?」

「結界内に賊が入ってきた様子はありません。」

「まさか、魔族の仕業………?」

「護衛を呼んで参ります………幽霊じゃありませんように………。」



んん~?なんか予想とは違う反応になっちゃったぞ?

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