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序曲
今から千年程前、邪悪で強大な魔王が現れ、世界を恐怖のどん底に突き落とした。
しかし、その魔王に勇敢な魔道士とその仲間たちが挑み、七日七晩戦いついに封印することに成功した。
彼らの偉業は後の世にまで語り継がれ、彼らは英雄と讃えられた。
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雪深い山を一人の少女が登っていく。少女は雪山を登るにしては心もとない格好をしていた。
ここでファッションチェックをされても大丈夫といった感じの服装である…しかも雪山に欠かせない装備は一切持っていない。手ぶらである。
しかし少女の頭に「遭難」「凍死」という言葉は無いのかどんどん進んで行く。
そして雪に埋もれかかった洞窟の入り口で立ち止まった。
少女は入り口付近で雪が盛り上がってる部分を見つけ、ブーツを履いた足で雪を払う。
そこには石碑があり、こう書かれていた。
『ここに凶悪な魔王を封印しています。危険なので入らないで下さい』
親切なその警告を無視して少女は洞窟に足を踏み入れた。
「どうも、お邪魔しまーす!契約して頂きに参りましたー!」