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こんな埴輪のが精霊のわけがない

京也が精霊に出会うお話

 埴輪とは人の形等をした素焼きの焼き物である。


 大きさはさまざまだが、多くは古墳から出土され葬送儀礼に使用されたと言われるものである。形状も騎士を模した装飾がされているものや、動物を模したものまでさまざま。

 そんな数ある埴輪だが、最も見た目シンプルな物は、人の形をしたた坊主頭の円筒型の『踊る人々』と呼ばれるものだろう。


 そう、目の前に浮いているこんな感じの。


「もしもしー、見えてるー?馬鹿だど目も悪いのかなー」


 あっけに取られて反応出来ない京也の目の前まで近づいて来て、埴輪は焼き物であるはずの腕を振りながら悪態をつく。


 先ほどまでと違い、声は埴輪の方から聞こえて来るが口が開閉する様子はない。


「聞こえてるし見えてるから馬鹿にするのも大概にしろ」


「なんだー、それならそうと早く言ってよー」


 文句を言いながら京也から離れて行った埴輪は、やれやれといった感じに両手を上げて首を振る。


 何を持って首なのかはわからないが、口の下あたりから左右に捻られているのでおそらく首なのだろう。


「で、お前は何?」


 目の前の埴輪に怒りを覚えても虚しいだけなので、その感情を抑え会話できるのならと不信感を抑えて聞いてみる。


「人に物を訪ねる時はまず自分から名乗るのがジョーシキじゃないかなー」


「・・・、橘京也。で、お前は何?」


「淡泊だなー、そんなんじゃ女の子にモテナイよー」


 怒りと舌打ちを堪え、言われた通りの内容を返答するが、それが面白くなかったのか、埴輪は開いていた目を閉じて不満を顕にする。


「人に物を尋ねられたら答えるのが常識じゃないか?」


「拒否権はあると思うんだー。ってどうしたのー? え、なに、痛い! 痛ーい!!」


 怒りに堪えかねた京也は、無言のまま埴輪に近づくとアイアンクローをお見舞いしてやる。


 手が触れた瞬間わずかに埴輪との間に光が生じた気がしたが、痛みがあるわけではなかったのでそのまま継続する。


「で、お前は何?」


 痛覚があるのかどうかは知らないが、首を左右に振り、届かない手で振り払おうとする埴輪。


「わかったー、答えるから放してー、割れるー、中身でちゃうー!!」


「とっとと答えろ」


 今の状態のままだと話もろくに出来ないようなので、仕方なく手を離すと、埴輪は京也から距離を取りながら『声だけ聞こえるようにすればよかったー』っと小声で文句を言う。だが勿論無視する。


 というか埴輪の中身て空じゃないだろうか。


「まったく暴力で解決しようとするなんてー、なんて野蛮・・・って手を広げながらこっち来ないでー、僕は次元の精霊だよー」


「は?」


 近づく途中で足を止め、埴輪が言ったことが理解できずに京也は呆けた声を出してしまう。


「ほらー、言っても信じないじゃんー、だから言うの嫌だったんだー」


「いや、精霊ってなんだよ。どう見ても埴輪じゃないか」


「これはー、仮の姿ってやつだよー。君が出てこいっていうからー、知覚できるようにしてあげたのにー。この姿も君のイメージだからー、僕のせいじゃないからねー」


 不満げに言う埴輪であったが、そんな風貌の為まったく威圧感が感じられない。


「それにしてもー、君はなんでこんな所に来たのー?」


「なんでって、古墳に行く途中で道に迷ったらしい」


 京也は自分はいったい何をしているのだろう・・・と思いながらこれまでの経緯を目の前でぷかぷか浮いている埴輪に説明した。


「ふーん、大変だねー、貧乏くじばっかり引きに行ってる感じだよねー」


「まったく、ノーと言える人間になりたい」


「はははぁー、それで君はこれからどうするのー?」


「どうするって、さっさと帰ってゆっくり寝たい」


 ここがどこだかわからないが、こんな何もない空間に埴輪と二人でいてもどうしようもない。


「それは無理じゃないかなー」


「なんでだ?」


「んー、馬鹿にでもわかるようにいうとー、ここは君の住んでた次元じゃないんだよー?」


「俺の住んでた次元じゃない?」


「そーそー、なんていうかー・・・」


 そう言うと埴輪はこの空間について説明したした。


 間延びした分かり難い説明を要訳すると、ここは通常俺達が住んでいる次元と別の『次元の狭間』とう場所らしい。


通常ここには人間は入ってこれないとのことだが、極まれに次元が歪むことがあり、人間が迷い込むこともあるそうだ。


 そういった現象は俺の住んでいた世界で言うところの『神隠し』みたいなもので、元の次元から消えてしまうとのことだった。


「で、百歩譲ってその話を信じたとして、帰れないってのはどういう事だ?」


 もちろん常識人の京也がそんな話を信じるわけもないが、実際ここが何処だかわからない以上、どうすることもできない為話の続きを促す。


「あーまた信じてないー。まーいいやー、簡単に言うとー、いつ開くか解らない歪みを待たないといけないからー、すぐには帰れないってことかなー」


「全く解らないのか?」


「解らないしー、開いたとしてもー、次元はいっぱいあるからねー。君が住んでいた次元に続く歪みかどうかもわからないからー、どうしようもないってことだよー、わかるー?」


 つまりはピンポイントに元の次元の歪みを見つけて帰らないといけないってことらしい。元の次元での神隠しの頻度から考えても、とてもじゃないが現実的じゃない。


「他に方法はないのか?」


「あるにはあるよー」


「あるのか?」


 ダメ元で聞いたつもりが、予想外の回答が返って驚き、京也は目を見開く。


「僕ならつれて帰れるよー」


「はぁ!?」


「そんな驚くようなことかなー。僕は次元の精霊だよー?」


 驚き首をかしげた京也に威張るように腰?に手を当て埴輪はふんぞり返った。


「僕は迷い込んだわけじゃなくてー、君があまりに滑稽だったからー、見に来たたけだからねー。帰れないのに来るわけないじゃないかー、馬鹿だなー」


 あまりの言い用に怒りがぶり返すが、ここで機嫌を損ねると帰れなくなる可能性があった為、怒りを押し殺して耐える。


「じゃあ返してくれるか?」


「それが精霊に物を頼む態度なのー?」


「・・・、元の世界に返して頂けませんでしょうか」


 拳を握りしめ、わずかに震わせながら頭を下げる。


 その様子に満足げに「よろしいー」と頷いた埴輪を元の次元に帰りついたら叩き割ることを決意する。


「で、すぐに帰してくれるのか?」


「さすがにそれは無理だよー、僕一人ならいつでも移動できるけどー、君を返すには元の次元が近い時にしないとー」


「近い? それはいつなんだ?」


「んー、だいたい数百年後じゃないいかなー」


 それを聞いた京也は素早く埴輪に近づき、再度埴輪の頭をわし掴みにしてゆっくりと力を加えながら、ひきつった笑顔を浮かべる。


「それまで俺が生きていられるとでも?」


「思わないから! 思わないからー!! 最後まで話を聞いてー!! 手を放してー!!」


「説明してくれるか?」


 さらに力を入れながら問いかける。


 曲がったりひねったりするのだから柔らかいのかと思ったが、埴輪は意外に固く凹みもしない。まあ、焼き物なのだから当然なのだろうが。


「痛いー!! だから、僕だけじゃ無理だから時の精霊の力も借りればすぐ帰れるんだけどー、今行方不明だからー、元の世界に返す代わりに、探すの手伝ってほしいんだよー!! ほらギブ&テイクだよー!! ほんと出ちゃうから!! やめてー!!」


 何が出るんだよ、と思いながらため息をつきながら暴れる埴輪を開放して、京也は詳しい話を聞くことにした。


 元の次元に近づくまで待つのは現実的ではない為、次元が近づく時間まで時の精霊に移動してもらえばよい、とのことだった。


 時の精霊というのは『時』つまり時間をつかさどる精霊で時間の移動が出来る精霊らしい。


 しかしこれには問題があった。肝心の時の精霊とやらが最近行方不明らしいのだ。


 時の精霊は時間しか操作できない為、次元を移動するときは次元の精霊に頼みにくるらしい。とある次元の時間の流れがおかしいとから調査に行くと出たきり、最後に移動した次元から出てくる気配がなそうだ。


 じゃあ自分で探しに行けばいいじゃないか思うのだが、移動できないことはないが、次元の管理等があるた為長期に探しに行くことは埴輪には出来なそうだ。


「そこに俺がちょうど迷いこんできたので、調べに行かせようと」


「そういう事ー」


「なんで初めから素直にそう言えないんだ・・・」


「精霊はもともと悪戯付きなんだよー」


 がっくり落とす京也の前でくるくる回る埴輪。確かに昔の伝承で妖精というかフェアリーが悪戯をする童話があった気がするが、こいつは精霊だったはずだ。


「それで、俺はこれからどうしたらいいんだ?」


 正直まるっきり信用していないが、今は埴輪以外に戻れる宛てがない。


 目の前のファンシーな要素が欠片も見られない埴輪をジト目で睨みつつ、何を言っても無駄だろうと考え、これからのことについて聞いてみることにする。


「僕の代わりにー、時の精霊が行った次元に行ってー、探してきてほしいんだー」


「探すってどうやって?」


「んー、とりあえずー、向こうの次元に居る精霊達に行方を聞いてみてほしいかなー」


「精霊に聞くって、そんなに精霊っていっぱいいるのか?」


 京也の想像する精霊は、森の奥深くの泉の上を飛び回っていたり、山奥のお花畑の中を飛び回っているようなイメージで、そこいらにホイホイいるものではない。


「いっぱいっていうかー、数え切れないくらいいるよー、むしろー、数えるのが無理ってくらいかなー」


 しかし帰ってきた回答は京也の予想外のものだった。


 埴輪のによれば、精霊とは物、現象、概念において存在するらしい。たとえば、よくファンタジーに出てくる風の精霊などは現象に属することになる。風が起きるとう現象の精霊なわけだ。さらにこれが台風となると、台風の精霊になるらしい。


 時の精霊、次元の精霊は概念の精霊になるそうだ。つまり時間や次元という概念の精霊というわけだ。この場合、人間が概念として持っていなければ存在が無いのかと言うと、そうではないらしい。人間が概念付けなくても、精霊は存在するとこととだ。


 たとえばどんな精霊がいるのかと聞いてみると・・・


「●☆△○◎の精霊とかー」


 何と言われたかまったく理解でいきなかった。概念とか以前の問題である。


 さらに物ともなれば、その数は計り知れないほどが存在するという。鉄、金と言ったような元素物からカバン、鍋といった人間が作ったものまで、すべてに存在するとのことだ。驚くべきことに京也の居た世界には車の精霊なんてのも居たらいいというから驚きだ。


「それなら俺が着てるこの服にも精霊が居るってことか?」


 自分の着ているTシャツの裾をひっぱってみるが、とても精霊がいるようには見えない。


 服から出てくる精霊。なんだか黄色いカエルの印刷プリントが飛び出しそうなイメージを持ってしまい、京也はあわてて考えることを止める。


「んー、居ないことはないと思うけどー、自我を持つほどの力はないんじゃないかなー」


「自我がある服ってどんなんだよ。」


まさにピョ○吉である。


「ようするにー、生まれてから時間が短いしー、元になった素材もそんなに力を持った精霊が宿ってなかったんじゃないかなー。だから力がないから自我がないー、みないな感じかなー」


 つまり長い年月を経過した物や、長い年月が経過した物から作られた物は力が強く、より高度な自我や知性をもつらしい。


 京也はそれを付喪神のような物と考えることにした。


「そんなわけでー、精霊は生まれてから長い年月が経つものほど頭がいいからー、そういった精霊に話を聞いてほしんだよー」


 『頭がいい』の部分で、穴しか開いていないような顔で器用にドヤ顔しながら埴輪は話を締めくくった。


 おそらく発生してから数え切れないような時間が経ってと思われる次元の精霊はすごいとアピールしているようだが、なんだかイラっとするので京也は無視して話を進める。


「で、その時の精霊が行った次元ってのは、いつ頃行けるんだ?まさかそっちも何十年後なんていうんじゃないだろうな?」


「むー・・・、いいやもうすぐ移動できる亀裂が作れるはずだよー」


 無視されて不機嫌になりつつ、埴輪はぶっきらぼうにこたえる。


 埴輪のくせに無駄に個性豊かなのは、おそらく長く生きすぎたせいではないかと思う京也だったが、これ以上話がややこしくなってもしょうがないので黙っていることにする。


「すぐって・・・、いくらなんでも都合が良すぎないか?」


 京也の次元にはすぐ戻れなくて、自分の行ってほしい世界はすぐに行けるといのはさすがに都合が良すぎる気がする。


こうなってくると、元の次元に帰るまで数百年と言うのも疑わしい。


「そんなこと言われてもー、君の次元と今から行ってもらう次元はー、近い所にあるんだからしょうがないよー」


 京也が半目で睨んでいると、埴輪は慌てたように付け加える。


「まったく一緒ではないけどー、近い次元なんだよー。だからー、君が迷い込んできたときからー、そんなに立っていなくてもー、移動しやすいんだよー」


「じゃあ俺は似たような次元の世界とやらで、宛てもなく精霊を探さないといけないってことか? 住まいも住民票もない状態ならすぐ野たれ時ぬか、警察のお世話になって不法滞在者扱いで逮捕なんじゃないか?」


 外国がどうかはわからないが、日本で一文無し、宛てもない状態で聖霊を探すというのは不可能に近い。


 お金を手に入れる為、仕事をするのにも身分証明がいるだろうし、そんなものが必要ないあやしい裏社会があったとしても、京也にそんな社会で生きていくような技能はない。


 とてもじゃないが何処にいるかも分からない精霊探しなど出来るとは思えなかった。


「その辺はー、大丈夫だと思うよー、まだそんな法整備がされているような時代じゃないからー」


「それはそれでやばいんじゃないか?」


 次元が違えば文明や進歩も違うらしく、京也がいた次元と近い次元でも、文明レベルはさまざまらしい。


 ただ、いきなり恐竜が闊歩しているような次元にほうりだされてもそれはそれで生きていけるとは思えない。


「んー、君の次元の感覚でいうとー、三世紀頃だからなんとかなるんじゃないー?」


 西暦300年ごろと言えば日本だと弥生時代後期くらいになるだろうか。


 詳しくは覚えていないが、確かに大型都市以外は法整備されていないだろうし、農業等で仕事をすることも不可能でない気がする。


「もし生活出来たとしても、広い世界で精霊一人探すのなんてやっぱり無理だろ?」


 その世界がどれくらいの広さなのかわからないが、元の世界と同じくらいと仮定して、世界中を探すなんて不可能だと京也は思う。


 それこそ何百年かかるかわからない。


「それも大丈夫ー、時の精霊に近いところに繋がるはずだからー」


「はぁ?なんでそんなことわかるんだ?」


「だってー、次元の歪みってー、精霊の大きな力に引き寄せられて起きるからー、僕が次元の狭間から移動させようとするとー、自然と向こうの世界の大きな力の精霊の近くに繋がるんだー」


 力の大きな精霊が力を使い次元に歪みが発生すると、一番近くの同じく大きな力を持った次元の精霊の居る次元の狭間に繋がる。


 もちろん次元の狭間に次元の精霊が居ない場合はその他の一番近くの一番力の強い精霊がいる次元に出口が開く。


 精霊同士が引かれ合う、ということらしい。


 この事を聞いた京也には一つの疑問が生じる。


「俺の次元に歪みができたってことは、日本には力の強い精霊が居るってことか?」


「居るよー、電気の精霊がー」


 電気の精霊なんてものが居るのかと呆れると同時に日本に歪みができたことに京也は納得してしまう。


 日本の電気使用量は世界で4位前後だ。しかしそれは敷地面積が広い国が上位を占める中での話で、敷地面積で換算場合する場合、日本はさらに上位の電気使用国となるはずだ。


「なるほど、その電気の精霊が力を使ったとばっちりで俺はここに居るってことか」


 毎日お世話になっている電気にこんな落とし穴があるとは思いもしなかった京也は深いため息をつく。


「違うよー、僕が力を使ったからー、距離的に時の精霊の次に力が強いー、電気の精霊のところに繋がったんだー」


 つまり次元の精霊が故意的に歪みを作った為、近くの世界で一番強い力を持った電気の精霊近くに歪みがてきた、とうことだ。


「・・・てことは何か? 俺がここに居るのはお前のせいってことか?」


「あ・・・」


 電気の精霊が力を使って巻き込まれたなら、百歩譲って運が悪かったという話だが、次元の精霊が力を使って巻き込まれたというなら話が変わる。


それはつまり・・・


「お前・・・、もともと誰か連れ込む為に歪み作ったんじゃないだろうな?」


「・・・」


 睨みながら低い声で問いかける京也だったが、埴輪は陶器の額に汗を滲ませ、明後日の方向を向いて音の出ていない口笛を吹く。


 それはつまり図星ということだと京也は理解する。


「お前・・・、時の精霊を自分で探せないから、近い次元に繋げて探しに行かせようとしやがったな!? ふざけんな!! 今すぐ返せ!!」


 こうなってくるとすぐに戻せないという話も作り話の可能性が高くなる。


 そんな都合良く元の次元に帰れないことになるわけないと考えた京也は、元の世界に帰る手段が本当に無いかどうか問い詰める為、埴輪を拘束すべく手を伸ばす。


 しかし、埴輪はこれまでにない素早い速度で移動し、京也の手を回避した。


 もちろん諦める気など毛頭ない京也はさらに埴輪に追撃を加える為に逃げる埴輪を追いかける。


「あー、もうすぐ歪みができる時間だー」


 捕まえようと必死に追いかける京也の手をひらひら交わしながら棒読みで埴輪が言うと、真っ黒な世界に薄ら白いモヤがかかり始める。


この感じを京也は体験したことがあった。


「な!?」


 それはこの次元の狭間に来た時に体験した霧に包まれるような感覚だった。


 次元の精霊は逃げる振りをして京也を次元の歪みに誘い込んだのだった。


「ホントに馬鹿だなー、そんなんだからすぐひっかかるー、やーい、やーいー」


 辺りが徐々に白くなっていく中、掠れていく埴輪がうれしそうに上下する。


 埴輪に手を伸ばしてみるが、一向に近づくことも、届くこともなく、辺りはますます白さを濃くしていく。


「てめー!! 次あったら覚えてろよ!?」


 完全に見えなくなる埴輪に捨て台詞を吐きながら、京也は再び濃い霧につつまれていった。

実際居たら絶対引き受けたくない依頼・・・

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