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大自然、ヒグマ格闘編(石狩鍋) 27 side オカリナ

【オカリナ】



 小さな頃からオカリナはタイラーが好きだった。

 同じ部族に生まれて、同じように育ってきた。

 年が近かったこともあり、2人は小さな頃から一緒に遊んできた。


 体が大きくなるにつれ、タイラーは戦士として育った。

 彼に適正があると分かったからだ。


 一方オカリナは体が小さいこともあり、戦士に適しているとはいえなかった。

 村の女性は、戦死になる道と、その他の職業につく機会を選べる。


 戦士になる道を選ぶ人は少ない。


 戦士は狩が主な仕事になる。

 何日も山に篭ったり、すごい距離を移動しないといけない。

 やはりそこは基礎体力が必要になり、体が大きい方が有利なのだ。

 

 稀に女性でも異常に身体能力が高かったり、精霊に選ばれる女性もいる。

 近い歳ではウイナがそれだった。

 彼女は昔から運動能力がすぐれ、精霊との相性も良かった。

 戦士としての適正が高かったのだ。


 周りの人はオカリナに戦士の道は薦めなかった。

 他の職業につくことを応援した。


 だが、オカリナは戦士の道を選んだ。

 様々な理由があったが、その理由の一つは、タイラーと長い時間一緒にいるためだった


 想いは伝えられなくても、傍にいたかったのだ。





 戦士の教育課程では、ペアを組んで交信の練習を行うことがある。

 交信とは心を通わせ、2人に愛情がある、絆があると成功するのだ。

 これは潜在的な恋人選びとして村では認識されていた。


 オカリナはドキドキぢながらタイラーと交信を行ったが・・・

 その結果・・・ぴくりともしなかった。


 分かりやすい脈なし。

 精霊様のお墨付き。

 

 オカリナはタイラーとの縁はないと悲しんだが、それを受け入れた。


 恋人が無理でも傍にいようと思ったのだ。

 もしかしたら、そのうち変わるかもしれないと思ったからだ。

 もしかしたら、今後結ばれるかもしれない、交信が成功するかもしれないと思ったから。




 日々、戦士として過ごす中。

 タイラーと過ごしながら、オカリナは想いをつのらせていった。

 近くにいるだけで心が充実したのだ。


 想い悩むと、子リスのりっ君と話すことが多くなった。

 りっ君はどんな話も聞いてくれたのだ。


 で、いつのまにか私はりっ君と結ばれていた。

 交信できたのだ。

 でも、タイラーへの想いは消えていなかった。




 タイラーが他の部族の人と結婚しても、気づいたら彼を見つめてしまっていた。

 でも、そこには恋心はなく、仲の良い仲間としても想いだったのかもしれない。


 いいや。

 他の人の夫になったタイラーには違う魅力を感じていた。

 昔とは違った感覚、魅力があった。

 だからこそ、オカリナはあまりタイラーを見ないようにしていた。

 もしかしたら、昔の心が戻るかもしれないと思い、自分の想いを抑えるためにも。





 すると、タイラーは客人を拾った

 白い肌の女の人だった。部族の人ではなく外の人。

 タイラーの家にいくと、彼女はずっと眠っていた。


 でも、私は彼女の寝顔を見ながら悪い予感がした。

 人と人との相性。

 それは2人が声を交あわせなくてもわかるのだ。

 何故だか分からないけど、、多分この彼女とタイラーは上手くいくだろうと感じてしまった。


 私自身がタイラーとは上手くいかないと感じるのと、同じぐらいの自信があった。





 そしてある日。

 クマ狩チームに選ばれた。

 そこに、タイラーが客人、ノゾミをつれてきた。

 2人の雰囲気が良いことは一目見て分かった。


 そしてその道中・・・

 ノゾミはタイラーとの交信も成功したらしい。

 やっぱり私の勘があたったのだと思った。

 これはタイラーと私が上手くいかない事への確信にもなった。


 でも、タイラーには幸せになって欲しかった。 

 だからこそ、私はノゾミに助言した。

 タイラーとは深い仲にならないようにと。

 このまま何もしないと・・・二人は結ばれるとかもしれないと思ったから


 それはいけない。

 タイラーは既に結婚しているのだし。

 それに・・・・


 オカリナは複雑な想いを抱いたのだった。




 そんな思いを抱きながら・・・・

 今、オカリナは仲間と共に「夏山の峰」へと向かったのだった。


 彼女の視線には、時折タイラーとノゾミがうつった。

 2人は楽しそうに話していた。

 その姿を見ると・・・・・



(・・・・・・・・・・)


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