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大自然、ヒグマ格闘編(石狩鍋) 26

 翌朝、私たちは出発する。

 夏山の峰までは、そこそこ距離があるようだ。

 歩いて3日かかるとのことだった。


 順番は以下だ。


【前】

 オカリナ

 エクト ウイナ

 私

 タイラー

【後】


 オカリナは先頭で周囲を観察し、道を選んでいる。

 エクトも気を張っているようだが・・・

 ウイナが楽しそうにエクトと話しているというか、いちゃついている。

 エクトは任務に集中したいのか、「お、おい。やめろ」と何回かいっていたが、ウイナに押し切られていた。


 で、そんな姿を見ながら・・・

 列の後方に位置する私はタイラーは、朗らかに話しながら歩く。


「ほら、あの木の根元に生えている、細くて黄色の花ビラが6つつた花の名前は、キバナノアマナ」


「あっちの白い大きな花ビラが3つついた花の名前は、オオバナノエンレイソウ」


「あの小さな草原に、絨毯の用に生えている赤い花達は、コウリンタンポポ」


「こっちの赤い実がなっている木は、コケモモ」


「おっ、あっちの青い小さな鳥は、ヤマセミ」


「あの木の天辺にいるのは、白いモコモコした鳥は、エゾフクロウ」


 タイラーが一つ一つ説明してくれる。

 知床半島は世界遺産にも指定される雄大な自然を誇っている。

 そのため動植物も豊富なのだ。

 

 私は一時の間、観光気分だった。

 がっ、それは甘かった。


「ノゾミ、そっちは危ないっ!」


(えっ!?)


 タイラーが私の手を引く。

 ぴたっと場所を移動させられる。

 彼が私が歩こうとしていた場所を見る。


「あの木の根元にあるのはヘビ、アオダイショウの巣穴だ。ちかづくと噛まれる」


 私がギョッとしてみると、木の穴には舌をペロペロだしたヘビの姿が・・・


(危なかった。あのまま歩いていたら、足を噛まれるところだったかもしれない)


 ここは野生動物溢れる、危険な森なのだと実感した。





 暫く歩いていると・・・・


 オカリナが手を上げて止まる。


(どうしたんだろう?)


 オカリナは木の根をみているようだ。


オカリナ:「タモギキノコが食べられている」

エクト:「じゃあ、やっぱりこっちの方角で良いんだな」


 2人は話し合っている。


 私は意味が分からなかったが、横でタイラーが解説してくれる。

 「この付近にいるヒグマはタモギキノコが好きなんだよ。だからクマが多い地域のキノコはかじられていることが多い」と。


(へぇー、そうなんだ)


 タイラーの説明は続く。


「その他にもクマを発見する方法はいくつかあるんだ」


 タイラーの説では主に4つ・・


 ・足跡

  地面に残したクマの足跡を追う。


 ・樹木に残したかじり跡、はぎ跡を追っていく

  クマは木々に跡をつけることが多く、木の皮がはがれていたらその近くにクマがいることが多い。

  猫が板をひっかく奴の強化版だ。


 ・木に登り降りして遊んでいる小クマを発見する

  小クマは好奇心旺盛で、木で遊ぶことが多いようだ。 

  その小クマを発見し、後をおって巣を探す。


 ・穴を確認する

  いくつものクマの巣を里では把握している。

  クマは転々と巣を移動するので、いつもいるとは限らない。

  だが、大きな巣を何個か見回れば、何かが見つかる可能性が高い。 



 私は驚いた。

 クマを探すのには、色々な方法があるんだと。



 オカリナとエクトも話し終えたのか、わずかに方向を修正して再び歩き出す。

 きっと何かクマの証拠を見つけたんだと思う。



 私は歩きながら、疑問に思っていたことをタイラーに聞いてみた。


「ねぇ、タイラー」

「なんだ、ノゾミ」


「クマって本当に50.60匹しかいないのかな?」

「どうだろうな・・・多分、もっといるだろうな」


「やっぱり、そうだよね」


 私たちが倒した数と、私がたちが目撃したクマの数。

 それだけでもかなりの数だったのだ。

 それに・・・話で聞いた5m超えのクマの姿はなかったのだから。


「でも、何匹いようが大丈夫、俺が守る」

「うん」


 私とタイラーは進むのだった。


 そんな2人の姿を、オカリナはチラッと見たのだった。


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