【記憶】 ノゾミ 高校時代2-3
記憶編です
数日後。
私はノゾミとWデートに行くことになった。
香織と海比君、私とレイジ君だ。
(私とレイジ君はただの友達)
皆でイオンに行き、店内を回って映画を見た。
香織と海比君は、ういういしいカップルだった。
私は2人をちゃかしながら、レイジ君とも仲良くした。
彼もノリを合わせてくれたので楽しく過ごせた。
そして帰り。
私は家が同じ駅ということもあり、海比君と2人で一緒に帰った。
「海比君、今日とっても楽しかったね」
「そうだな。イケイケだったぜ」
和やかに話す。
とても楽しい。
楽しく世間話をしていると、私はふとあることを思いついたのだった。
元々考えていたことではあったけど、それを不意に思い出したのだ。
で。
その考えを実行することにした。
私はスマホを取り出して。
「今日、いっぱいスマホで写真とっちゃったね」
「たくさんパシャってたな」
そう。
私はスマホで写真をとりまくった。
なんだか気づくととっていたのだ。
そうしたかった。
「あっ、でもどうしよう?充電赤ランプ。もうすぐ電池きれちゃう」
「そうか・・・まずいのか?」
心配そうな顔の海比君。
「うん。お母さんにちょっと連絡しないといけないんだ」
(嘘だ。特に連絡しないといけないことはない)
「そうか、なら、うちで充電していくか。家すぐそこだし」
心配そうな顔で提案してくれる海比君。
「えっ、いいの?」
私は驚いた顔をする。
「うん。大丈夫」
(作戦成功!) ニヤリ
「そうなんだ、じゃあ、お願いして良い」
「おう、どんどん来い」
受け入れてくれた海比君。
「にしても、海比君の家はこの辺だったんだね」
私は勿論海比君の家を知っていた。
事前に調べていたのだ。
こうして彼の家へあがるチャンスをうかがっていた。
でも、まったく知らないフリをして呟いたのだ。
「うん。すぐそこ、俺の家」
「どんな家か楽しみかも~」
「別に普通の家だよ」
(知ってるよ。何度か家の近くにいったから)
私はワクワクドキドキしながら、海比君の家に入ったのだった。
海比君の部屋に入室。
ドキドキしながら入った。
「初めて男の子の部屋に入っちゃったっ」
「ほらっ、普通の部屋だろ」
私は部屋を見回してから・・・
「そうなんだー。あっ、エッチな本発見っ!」
「はぁ?」
私はベッドの下を見る。
でもそこには何もない。
「・・・・ない」
「当たりまえだろ。そんなものあるわけがない」
「そうか、ネットだもんね」
「・・・・はははっ」
苦笑いする海比君。
もしかしたら、エッチなものはネットなのかもしれない。
「じゃあっと、充電しちゃおー」
私はケーブルにスマホを繋げる。
スマホの充電を開始した。
「ごめんね、ちょっと時間かかっちゃうかも」
「いいよ、部屋でゆっくりすれば。一緒にゲームでもするか?」
「そうだね。やろっか」
私たちは一緒にマリオカートをやった。
ピコピコプレイする。
「あっ、甲羅あてないでよぉ~」
「勝負は非情なんだ」
「あっ、コースから落ちちゃったぁ~」
「すごいところで落ちたな」
「あっ、スターがでてきたぁ」
「お、やめろ。ぶつかるなよ」
一緒に楽しくゲーム。
私は海比君と肩を触れ合わせながらゲームをする。
ゲームに集中しているフリをして、何度か胸をあてる。
彼がきづいているかどうかは分からないけど、私と海比君の距離は確実に縮まっていた。
「やったー、勝っちゃった」
「ま、まけただと・・・・この俺が・・・・ありえない」
ゲームに負けてがっくりする海比君。
「ほら、元気出して」
私は海比君の頭をふざけて撫でた。
そして。
「次は、一緒に戦う奴やろうよ。協力プレイっ!」
「そうだな。せっかく一緒にやるんだから。敵対しなくても良いか」
私達は2人でゲームを続けた。
で。
「やったー、勝ったぜ。PCをボコボコだぜっ!」
「だね~やっつけちゃった」
パチンッ
2人でハイタッチする。
私たちはハイテンションだった。
海比君は楽しそうだった。
私も楽しい。
なんだか気分が乗ってきたので、私は聞いてみることにした。
「ねぇー、かおりんとはどこまでいったの?」
「え?」
突然の質問に海比君はちょっとたじろく。
「もしかして、キスとかしちゃった?きゃーー」
「ば、ばかいうなよー。誰がそんなこと」
彼はどもる。
だから悟った。
「へーまだしてないんだ。ふーん」
「まぁな。そういうのは段階を踏んでからで」
海比君は冷静に言い放つ。
「なら、ねぇ、私としてみる?」
私は軽くいってみた。
ゲームか何かの用に。
「してみるって・・・そんなことできるわけないだろ」
彼は戸惑う。
私は怖気づく彼をちょっとかわいいと思った。
「ねぇ、キス、練習してみようよ。ほらっ」
私は彼の腕をとり、顔を近づける。
ゲームをしたことにより、距離感が縮まっていたのだ。
今の距離感ならキスをしても問題ないと思った。
彼は私の顔を見る。
「でも・・・その・・・・いいのか?」
「いいよ。海比君なら」
私は海比君の唇を指で触る。
「ほらっ、柔らかい」
「うぉっ!びっくりした」
唇を触られたためか、目をパチパチさせる海比君。
本当に驚いている。
ちょっとかわいい。
「ねぇ、私の唇も触ってみてよぉ~」
「お、おう。それぐらいならいいか」
彼が私の唇を触る。
「どう?」
「やわらくて、プニプにする」
「そう・・・プニプニ?」
彼の言ったことがおかしく感じて、ちょっと笑う私。
「な、なんだよ。笑うなよ」
恥ずかしがる彼。
「べつにー。じゃあ、今度は唇で触って。柔らかかったでしょ?」
「はぁ?・・・いいのか?」
彼はキョドル。
「いいよ。唇で触るだけなら」
暫く彼は考えてから。
「そ、そうだな。触るだけなら、キスじゃないよな」
海比君は自分に言い聞かせるように呟く。
彼はゆっくりと近づいてきて、私たちはキスをした。
短いキスだった。
すぐに口を離す。
「どうだった?」
私が感想を聞くと。
「・・・その・・・よく分からなかった」
「なら、もう一回しようよ」
「・・・・おう」
私たちはキスをした。
一度してしまえば、気持ちの押さえは聞かなかった。
同じ快楽を求めてもう一度してしまう。
「ねぇ、もう一回」
「・・・・あぁ」
再びキスをする。
「ねぇ、もう一回」
「・・・・・おう」
私は何度もキスをしてから聞く。
「どうだった?」
「なんだ、その・・・気持ちよかった」
「よかった。私と同じだね」
こうして私たちは黙々とキスをしたのだった。
数時間後。
「じゃあ、今日は帰るね」
時間も遅くなったので、私は帰宅準備。
「おう・・・気をつけてな。外くらいから」
「そうだ。今日のことは二人だけの秘密ね。ほら、私、かおりんの親友だしっ」
「勿論。俺も誰にも言わないよ。言えるわけないし」
「じゃあね、ばいばい~♪」
「おう、じゃあな」
私は家に帰ったのだった。
それからすぐLINEする。
一刻も早く海比君と連絡を取りたかったのだ。
少しでも離れていると寂しかった。
私 :帰宅しちゃった!
海比君:何もなかった?危ないこと。
私 :とっても怖かった・・・
海比君:何が?
私 :途中で黒猫みた
海比君:不吉だ・・・・
私 :ねぇ、気持ちよかった?
海比君:?
私 :分かってるでしょ?
海比君:・・・・うん
私 :キス、気持ちよかったね
海比君:俺も最高っ!超気持ちよかったっ!
私 :もう一回する
海比君:いいのか?
私 :明日ね
海比君:・・・・おう
こうして私は、香織の彼氏、海比君と関係を進めていったのだった。
きっかけは気分がのったからだった。
でも、友達の彼氏とキスしたことで、なんともいえない満足感を覚えた。
彼の感情が強く私に向いていることを実感したのだ。
それはとても気持ちが良かった。
それに、香織が好きな彼氏ということもあり、なんともいえない安心感があったのだ。
私は満足感を覚えながら、同時に香織にも連絡する。
私 :今日のデート、2人ともラブラブだったよね。焼けちゃった
香織:そんなことないよぉ
私 :手も繋いでたでしょ
香織:無理やりノゾミがつながせたんじゃん
私 :ヒューヒュー。もしかして、キスしちゃった?
香織:してないよぉ~。まだできない
私 :そうなんだぁ。裏山サンデー
香織:ノゾミも、レイジ君と良い感じだったね
私 :全然だよ。私、やっぱりまだ誰とも付き合えないかも
香織:そっか・・・・
私 :ゆっくり一歩一歩だよ
香織:だね
私は香織と連絡していると、仄かに満足した。
彼女が付き合っている、彼女が好きな人、海比君とキスしたことを強く実感できるからなのかもしれない。
初めての感情だった。
短編投稿しました。
「ざまぁ」が書きたくなり、さらりと書いてしまいました。
冒険者系の「ざまぁ」になります。
宜しければご覧下さい。
↓
『生産職の俺は彼女を寝取られたので、パーティーを抜けて自立することにした』
※ページ下部にリンク有り。