大自然、ヒグマ格闘編(石狩鍋) 11 side マイコ
◆人物紹介 (追加)
ノゾミ 不倫騒動で、部族に流れ着いた女。20代前半のOL。
マイコ ノゾミの親友。ノゾミを探して知床半島に乗り込む。
タイラー 部族の屈強な男。ノゾミを最初に拾ったため、部族の掟で彼女を守る。妻子持ち。
アイネ タイラーの幼馴染。部族の服を作っている。
・狩りチームの仲間
アラン 赤髪短髪で顔に刺青がある。気性が荒い。
イーグル 狙撃が得意で大きな銃を持っている。寡黙で肩にインコを乗せている。
ウイナ きつい顔の女。エクトが大好きで、格闘技術に優れる。
エクト 子供っぽい。正義感が強い。
オカリナ 小さな女の子。戦闘技術は未熟だが、頭が良い。
・マイコ隊
ヒロシ 冒険担当。 41歳。おじさん。元戦隊ヒーローの役者。今は探検家で顔が濃い。
マサツグ 武器担当。 22歳。元自衛官の武器マニア。武器の密輸&改造で退職。今は民間武器商人。
メイコ 現地案内人 17歳。女子高生。酪農農家の娘で釣りが趣味。数学が得意。
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セスナから落ちたマイコ。
私が目覚めると、そこは森の中だった。
パラシュートが木の上にひっかかっていた。
体には所々切り傷があるが、大きな怪我はない。
私は腰のポーチからナイフを取り出し、なんとか体を動かして木の上から降りる。
付近を歩くと、地面にヒロシさんが倒れていた。
パラシュートは開いているので、大きな怪我はなさそうだ。
「あの、大丈夫ですか?」
私が聞くと、パチパチっと目を開けるヒロシ。
すぐに起き上がる。
「ぬっ、ここはどこだ?」
周りを見るヒロシさん。
「飛行機が落ちたみたいです」
私はパラシュートを指差す。
「ぬ、本当だな・・・・これまたいかに?」
ヒロシさんは渋い声でうなる。
そして、私を見る。
「メイコとマサツグは見たか?」
「いえ、見ていません。私も気づいたばかりで・・・」
ヒロシさんは悩ましげな顔をする。
「そうか。じゃあ、探さないとな。元自衛隊のマサツグは兎も角、メイコちゃんは心配だ」
「ええ。私もです」
私はあたりを見回すと、煙が巻き起こっている場所を発見する
ヒロシさんも同じ方向を見る。
「ぬっ、あの煙」
「飛行機が墜落した場所でしょう。
とりあえずあそこにいきませんか。何か手がかりがあるかもしれないし、二人が集ってくるかもしれない」
「ぬっ、そうだな。そうしよう」
私とヒロシさんは移動した。
黒い煙の元に到着。
セスナ機はそれほどひどい状態ではなかった。
勿論エンジンは爆発してなくなっていたが、機体の原型はとどめていたのだ。
「飛行機の中を見てみましょう」
「ぬっ、そうだな。念のため私が先を行こう。まだ爆発物が残っているかもしれない。
マサツグが色々つんでいたはずだ」
ヒロシさんがセスナの中にはいる。
続いて私が。
中はめちゃくちゃだった。
中を捜索していると・・・・
「GUOOOOOOOOOOOOOOOOO!」
突如叫びが聞こえる。
何かが近寄ってくる足音と地響き。
機体から出て外を見ると・・・・その方向には黒い群れ。
クマの群れだった。
私は恐怖した。
今すぐ逃げる必要があった。
ヒロシさんと見詰め合う。
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「ぬ、仕方がない。いくら武器が合っても、あの数は相手に出来ない。逃げよう。
私が囮になる。君は先に逃げなさい」
「で、でも・・・」
「ぬっ、早く」
私は問答無用でヒロシさんに追い出された。
目の前にせまってくるクマの集団。
私は逃げたのだった。
それしか方法がなかった。
せっかくヒロシさんが劣りになってくれたのだ。
後ろからはヒロシさんの声。
「こっちだ、クマ公、こっちだー!」
ヒロシさんがおとりの役目を果たしている。
機体からとったのか、発炎筒をたいてクマの注目を浴びている。
「GUOOOOOOOOOOOO!」
クマがヒロシさんを追っていく。
「ヒロシさん、こっちです」
私は十分に離れたので、ヒロシさんを呼ぶが・・・
ヒロシさんは私とは別の方向に逃げた。
私の方にクマをこさせないようにしたのかもしれない。
ヒロシさんは全力で走っていき・・・・そして姿が見えなくなった。
私はポツンと一人残された。
こうして、マイコの冒険が始まったのだった。
次回からですが。
数話に1回程の間隔 (目安)で、『【記憶】ノゾミ高校時代編』入れていきます。
※マイコも出ます