大自然、ヒグマ格闘編(石狩鍋) 10 side マイコ
「ヒロシさん、どうしたんですか?」
メイコ:「24、25、26、27、28」
マサツグ:「おう?戦闘機の警報音ににてるな」
私は動揺してパイロットのヒロシさんを見る。
ヒロシ:「ぬっ、まずいことになった、計器不良だ。やばいかもしれん」
パイロットのヒロシさんが低い声で、冷静に告げる。
表情はかなり険しい。
本当にまずいらしい。
焦りが伝わってくる。
「大丈夫ですか?」
滝のような汗をかくヒロシさん。
ヒロシ:「ぬぬっ、誰か、後ろの燃料タンクを見てきてくれないか?」
「え、どうして?」
私が聞くと。
ヒロシ:「ぬっ、燃料がなぜだが減っている。どうしてか・・・このままだと墜落する」
冷静に怖いことをいうヒロシさん。
メイコ:「40、41、42、44、45、46」
マサツグ:「ヒロシさん、それやばいんじゃないのか?」
皆、絶望の表情をする。
ヒロシ:「ぬぬぬっ、もしタンクに穴があったら何かでふさぐんだ。ほらっ、ガムテープで頼む」
ヒロシさんがガムテープをポイっとなげる。
私はそれを受け取るが・・・・
「ヒロシさん。さすがにガムテープでは」
ヒロシ:「ぬぬぬっ、やるしかない、とにかく頼むっ!じゃないと墜落する!戻るだけの燃料はないっ!」
私は意を決して飛行機の後ろに向かう。
「ヒロシさん、燃料タンクはどこにあるんですか?」
ヒロシ:「セスナ機の奥のほうだ。一度飛行機の外に出て、飛行機の上にのってくれ」
さらっととんでもない事をいうヒロシさん。
「え!!」
(そんな無茶な。飛んでいるの飛行機の上に乗るなんて・・・時速何百kだっていうのに。しかも凄く高い。
落ちたら即死は免れない。こっぱみじん)
メイコ:「88。89.90、91」
マサツグ:「メ、メイコ、さっきから何冷静に数えてるんだっ!」
メイコ:「警報音が「ピッ」っとなった回数」
てんぱるマサツグと、冷静に数を数え続けるメイコちゃん。
マサツグは泣きそうだ。
いや、もう泣いているかも、目が赤い。
マサツグ:「ま、まずいぞ。ど、どどどど、どうする。
でもそうだ、よーし、そ、それじゃ、俺が行く。それしかねー」
マサツグが立ち上がり、さっとパラシュートを背負う。
そして、命綱をつけてセスナの扉を開ける。
ブォオオオオっーっと風が入ってくる。
「いいの、マサツグ?」
マサツグ:「あたぼーよ。頭のおかしいJKと臨月の妊婦ときちゃー、俺しかいない。
ヒロシさんは手が離せないしな。じゃあ、いってくる。元自衛隊だからな気にするな」
メイコ:「マサツグ、頑張れ」
マサツグ:「おうっ」
マサツグは飛行機の外に出ようとしたら・・・・
ドゴンッ!
急激に揺れるセスナ機。
「きゃっ!」
ヒロシ:「ぬっ!」
メイコ:「96、97、988888ーーーー!」
マサツグ:「うぐあああああー!」
爆発音がした。
エンジンが爆発したのだ。
セスナが激しく揺れた。
ヒロシ:「ぬっ、やばい、本格的にやばい。不時着するぞっ!」
メイコ:「ヒロシさん、マイコさん、マサツグが外でお散歩中」
メイコちゃんの声でマイコが慌てて外を見ると、命綱でマサツグが繋がっていた。
セスナのしたにぶらさがっている。
マサツグ:「た、助けてくれぇええええええーーーー!」
下で叫んでいるマサツグ。
必死の形相だ。
風に煽られて大変なことになっている。
(あ、あれはまずい・・・・)
「ヒロシさん、マサツグが大変です」
だが、ヒロシさんも限界ギリギリだった。
凄い力で操縦桿をにぎっていた。
腕に血管がうきでているのだ。
振動が凄いのかもしれない。
ヒロシ:「ぬぬっ、こっちも大変だっ!。皆捕まれ。揺れるぞ!」
メイコ:「でも、マサツグ君がっ!」
ヒロシ:「奴には命綱経由で武器でも渡してやれ。パラシュートは背負ってるんだろ?」
「はい。きています」
ヒロシ:「それなら、もしもの時は命綱を外して飛び降りるだろ。奴は自衛隊でなれている筈。
今、マサツグに必要なのは下で生きる武器だ」
メイコ:「分かりました」
メイコ:「武器、私が送る」
メイコちゃんが動き、武器が詰まったバックを命綱経由で送る。
シャーっと綱越しにバッグがマサツグの元へ。
ガタガタガタ
揺れるセスナ。
ドカンッ
さらに爆発するエンジン。
(もうダメ・・・・本当にもうダメかも)
私は大きなお腹をさする。
お腹の中で赤ん坊が動いた気がしたのだ。
(この子も・・・・危機を察知しているのかもしれない)
ボロボロのセスナ機。
黒い煙が出ている。
ヒロシ:「ぬぬぬっ、全員パラシュートを装着。それと武器バッグを背負うんだ。不時着は無理だ!!!
この機体を放棄して、今すぐ飛び降りるっ!!!」
「え、無茶ですよ。私やったことありません」
マイコは動揺するが。
メイコ:「4、5、6・・・・セスナ機の中から外に飛んでいったバッグの数」
冷静に数を数えているメイコちゃんを見て落ち着く。
(でも、ここはやるしかない)
私はメイコちゃんとヒロシさんにパラシュートを渡す。
「はい。メイコちゃん、着方は分かるわね」
メイコ:「理解してる。セスナに乗る前、653秒講習ビデオを見た」
ヒロシ:「ぬっ、まずい・・・計器異常、。エンジン不良、これ以上は無理だ!」
ドゴンッ
ヒロシ:「ぬぬぬぬっ、ヤバイ。何かにつかまれーー!」
ガタガタガタ
めちゃくちゃ揺れる。
メイコ:「30、31、32、33、34、35、36」
「きゃあああああああ」
ヒロシ:「ぬぬぬぬぬっ、皆飛び降りろ!今すぐだっ!」
まっさかさまに飛行機が落ちる中、ヒロシさんが私とメイコちゃんを飛行機から突き落とす。
「ちょ、あっ」
メイコ:「50、51、52、53、54、555555555555555ーーーー!!!!」
セスナ機と同じように、まっさかさまに落ちていく私たち。
空中に投げ出されたのだった。
私はなんとかパラシュートを開こうとするが・・・
飛行機の部品が飛んできてそれどころじゃない。
弾丸のようにとびかう色んな部品。
(し、しぬううううううううーーー!)
それに。
(ひ、紐がないっ!パラシュートの紐がないんだけどおおおっーーー!ちょ、ちょっとどこなのよぉおおーーー!?)
私は無我夢中で紐を捜して・・・・
(何かが指にひっかかった?・・・これだ、これでいい。よしっ!えいっ!)
私はせいいっぱい紐をひいた。
その瞬間、体が「ぐわっ」と引き上げられ、私は意識を失った。
つまり失神したのだった。
だんだん「なろう」っぽくない話になってきましたが・・・・突き進みますっ!
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