大自然、ヒグマ格闘編(石狩鍋) 6
今日もたくさん更新です。
名称変更しました
エイト→エクト
クマの死体を落とし終えたので、私たちは足を進める。
そして待ち伏せポイントについた。
円形になっている行き止まりの谷だ。
壁の高さは10m程有る。
オカリナ:「よし、ここで待ち伏せ。皆位置について」
全員散会する。
【上から見た配置図】
私&タイラー オカリナ
↓ ↓
|――――――――――
イーグル →|
| 谷底 ←クマをここに追い込んで、上から撃ち殺す。
行き止まり|
―――――――――――
↑
エクト
私はタイラーと息を潜める。
後はここでずっと待つだけなのだ。
隣いるタイラーの息遣いが聞こえる。
私は彼の息を数える。
つい、時間があると考えてしまう。
(皆、どうなったのだろうと?)
私は宗谷岬で崖から突き落とされた。
私を突き落としたのは不倫相手の雪男。
それを目撃していた、私の親友のマイコ。
(雪男とマイコはどうなったのか?)
でも、今はそんなことを考えても仕方がない。
生きるか死ぬのかの時なのだ。
私は手の中の銃を抱きしめて息を殺す。
「ノゾミ、そんなに力むな」
隣のタイラーに注意される。
「え、うん。ごめん」
「それと、クマが来てもノゾミは撃たなくて良いからな。銃の反動は思ったより大きい。力がないと腕を脱臼する」
「うん。自分を守る時だけにする」
「それでいい」
タイラーは私を見つめる。
じっとこちらを見ている。
「どうしたの?タイラー」
「いや、別に、なんでもない」
タイラーは顔を背けた。
何かいいたことでもあったのだろうか。
暫くシーンとする。
周りの皆も退屈そうに銃を構えている。
だが、風をさく音がする。
複数の足音がこちらに近づいてくるのだ。
私たちは谷底に集中する。
すると・・・・
「来たっ」
タイラーが呟く。
そう、谷間にアランとウイナが走ってきたのだ。
後ろには何匹もクマを引き連れている。
クマの足は速い。
だが、足場の悪い谷底では思うようにスピードがでないようだ。
アランとウイナが軽々と岩場を飛び越えていく。
オカリナは右手を上げている。
彼女の手がさがったら襲撃の合図だ。
十分にひきつけてから撃つ。
アランとウイナが行き止まりにたどり着いた。
ロッククライミングの様に、ひょいひょいっと垂直の崖を上っていく。
そして。
オカリナの手が振り下ろされた。
オカリナ:「撃てぇえええええーーーー!」
バンッ バンッ バンッ バンッ
四方八方から銃弾のアメあられ。
皆銃撃を繰り返す。
谷底にクマに向かって銃を撃つ。
バンッ バンッ バンッ バンッ
弾が切れたら鞄から予備の弾をとりだし、すぐに装填する。
崖の上にたどり着いたアランとウイナも銃撃に加わる。
【上から見た配置図】
私&タイラー オカリナ
↓ ↓
|――――――――――
イーグル →| ◆ ◆ ◆◆
アラン→ | 谷底 ◆◆
ウイナ→ | ◆ ◆ ◆ ◆◆ ◆←クマ
―――――――――――
↑
エクト
特に、谷の入り口のクマを重点的に殺す。
クマの死体で道をせき止めるのだ。
これは当初の計画通りだ。
奥にいるクマは後から殺せば良いのだ。
バンッ バンッ バンッ バンッ
皆がどんどんクマを撃っていく。
クマの体は分厚い。
一発撃っただけでは倒れない。だから何発もお見舞いする。
バンッ バンッ バンッ バンッ
あたり一面が煙に包まれる。
クマは逃げようと入り口にさっとうするが、クマの死体を乗り越えなければならず、てこずっている。
アラン:「オラオラオラオラー。クマこうよー。死ねぇえええええーーーーー!!!」
エクト:「俺がクマを倒すっ!!!」
二人が吠えていた。
銃撃を続けている。
イーグル:「・・・・・」
彼は無言で狙撃していく。
彼だけは一発でクマの眉間を打ち抜いていた。
すると・・・
イーグル (インコ):「ヘッドショット、イーグル、ヘッドショット」
彼のインコが騒がしく声を上げる。
ウイナ:「一匹、一匹、一匹」
着実に殺していくウイナ。
オカリナ:「あいつを倒そう。そうすれば・・・あそこの道が」
ぶつぶつと声を出しながら、一匹一匹倒していくオカリナ。
「よし、これで3匹め」
横のタイラーも一生懸命倒している。
だが。
一つの異変が起こった。
それに一番最初に気づいたのはオカリナだった。
彼女はクンクンと鼻を動かし、即座に後ろを振り返ったのだ。
谷底ではなく後ろを。
私も釣られて振り返ると・・・
そこにはずらりとクマが並んでいた。
私たちを囲むようにクマが勢ぞろいしていたの。
私とオカリナは顔を青ざめる。
オカリナ:「皆、逃げてーーーーー!!!後ろにクマだぁああああ!!!」
アラン:「!?」
ウイナ:「!?」
イーグル:「!?」
エクト:「!?」
全員すぐさま後ろを振り返り、驚くまもなくクマに銃撃する。
【上から見た配置図】
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
◆ ◆◆◆◆ 私&タイラー オカリナ
◆◆◆ ↓ ↓
◆ |――――――――――
◆ イーグル →| ◆ ◆ ◆◆
◆ アラン→ | 谷底 ◆◆
ウイナ→ | ◆ ◆ ◆ ◆◆ ◆←クマ
―――――――――――
◆◆◆ ◆◆◆ ↑
◆◆◆ エクト
私達はクマに囲まれていたのだ。
私&タイラー、イーグルの間に一番クマが多い。
そのため、私たちは固まって逃げることは出来ない。分断されたのだ。
もはや合流は難しかった。
別々に逃げるのが一番生存率が高いのは私でも分かった。
オカリナ:「皆、集合場所は覚えてるね。秋山の峰に集合だよ!二日間だけまつから!」
アラン:「俺が一番に行く」
ウイナ:「エクト、一緒に逃げるわよ」
イーグル(インコ):「イーグル、ヤバイ、イーグル、ヤバイ、敵多い」
「ノゾミ、逃げるぞ、ついてこい」
私たちは散り散りに逃げたのだった。
クマ襲撃~




