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大自然、ヒグマ格闘編(石狩鍋) 5

◆人物紹介 (追加)


 ノゾミ   不倫騒動で、部族に流れ着いた女。20代前半のOL。

 マイコ   ノゾミの親友。ノゾミを探して知床半島に乗り込む。

 タイラー 部族の屈強な男。ノゾミを最初に拾ったため、部族の掟で彼女を守る。妻子持ち。

 アイネ  タイラーの幼馴染。部族の服を作っている。


・狩りチームの仲間

 アラン   赤髪短髪で顔に刺青がある。気性が荒い。

 イーグル  狙撃が得意で大きな銃を持っている。寡黙で肩にインコを乗せている。

 ウイナ   きつい顔の女。エクトが大好きで、格闘技術に優れる。

 エクト    子供っぽい。正義感が強い。

 オカリナ  小さな女の子。戦闘技術は未熟だが、頭が良い。



ーーーーーーーー




 私たちは森の中を移動して・・・暫くしてポイントにつく。


オカリナ:「アラン、ウイナ、ここでお別れた。僕たちは待ち伏せポイントに移動する」

アラン:「分かった。ちゃんとおびきよせてやるよ」

エクト:「二人とも頑張ってくれよ」

ウイナ:「エクト、任せて」


 アランとウイナが離れていくが、オカリナが呼び止める。

 

オカリナ:「もう一度言うけど、もし何か不測の事態が起こったら、笛をならしてくれ。僕たちが助けに行く」

アラン:「そんなことにはならねーよ」

ウイナ:「その通り」


「じゃあ、頼んだぞ」

「お願いします」


 私とタイラーも声をかける。

 

 そして、アランとウイナと別れた。





オカリナ:「じゃあ、私たちも行こう。ここからは注意してね。もしかしたら周りにクマがいるかもしれない」

エクト:「あぁ、ばっちし注意する」

イーグル:「私は視野がきく。何かあれば一番に見つける」

 

「そうだな。ノゾミも落ち着けよ」

「落ち着いてるよ」


 私はちょっと怖がりながらも、精一杯声を張った。

 で、歩き出す私たち。


 並び順は以下だ。


 【前】

 オカリナ。

 エクト

 私 

 タイラー

 イーグル

 【後】


 こういうのは先頭と最後尾が一番大事で、中心が一番安全だと思う。

 なので私が真ん中。

 



 暫く森の中を歩いていると・・・・

 

 オカリナが右手を上げて足を止める。

 

 「なんだろう?」と思ったら、後ろからタイラーが小声で。


「ノゾミ、足を止めてしゃがむんだ。オカリナが何か発見したみたいだ」


 私は緊張してすぐさま言うとおりにしゃがむ。


 オカリナは地面を見ている。

 それから何かを発見したのか、指で合図すると、イーグルとエクトが散会する。

 私はタイラーのそばで、銃を持って縮こまる。


「ノゾミ、君はじっとしているんだ」

「うん。分かった」


 オカリナが辺りを見回してから、タイラーに小声で。


オカリナ:「タイラー、その子は任せたよ」

タイラー:「どういう意味だ?」

オカリナ:「足跡から分かったけど、前方に一匹クマがいる。これから僕とエクト、イーグルで仕留める。

       タイラーはその子を頼む」


 狩りに加われないのが物足りなさそうなタイラーだが。


タイラー:「分かった」


 すぐに頷く。


 オカリナとエクト、イーグルが三角形の位置関係で進んでいく。

 まるで一匹のクマを追い込むように動いていく。


 すると。

 彼らの中心点で・・・・


「GUOOOOOOO!」


 突然クマが叫びだしたて現れたが・・・


 ヒュン


 何かが通り過ぎる音がすると、クマが倒れた。

 オカリナとエクトがクマに近づき、とどめをさす。


「タイラー、今のはいったい?」


「イーグルの狙撃だ。音が小さい銃で撃ったんだ。

 仕留める威力はないが、あたりどころによっては、数秒動きを止めるぐらいはできる」


「そうなんだ」


 私は感心した。

 まったく銃撃が見えなかったのだ。


「ノゾミ、クマを見に行くぞ。慣れておいた方が良い」

「うん」


 私たちが近づくと、クマは死んでいた。

 最小限の攻撃で倒されたようだ。


 オカリナが倒したクマの牙を抜いている。


「ねぇ、タイラー、何してるの?」

「殺した証だ。殺した者が牙を取ることになっている」


(そうなんだ。戦果の証なのかもしれない)


 オカリナは牙を抜き終えると、クマの体を調べる。

 クンクンと匂いをかいでいる。


エクト:「どうだ、オカリナ?仲間はきそうか」

オカリナ:「多分、大丈夫。このクマからは他のクマの匂いがしないから。多分はぐれクマだと思う」

エクト:「よかった。イーグル。何か見えないか?」

イーグル:「視界の範囲にクマは見えない」

オカリナ:「なら、ひとまず安心だね」


「そうだな。死体はどうする?放置しておけば、死体食いの狼が集る」


オカリナ:「だね。でも、このクマ小さいとはいえ、2m、150kgはあるから運ぶのも難しい。転がして谷底に落とそう」

エクト  :「そうだな」

イーグル:「・・・・・」


「分かった。手伝おう」


 体の大きなタイラー、イーグルが中心となり、クマを谷底に落とした。

 私はその様子をオカリナと見ていた。


オカリナ:「ノゾミ、怖くなかった?クマの死体をみて」


「ううん。大丈夫。全然怖くなかった」


 事実、あっけなくクマが死んだことで、それ程恐怖を感じなかったのだ。


オカリナ:「よかった。ノゾミは精神が強いみたいだね。外の人はあまり狩りになれてないと思ったけど

       私は最初見たときすごく驚いたんだ」


「初めてだけど・・・そんなに驚かなかった。皆のおかげ」


(本当にそうだ)


オカリナ:「これからはたくさんのクマの死体をみることになると思うけど、あまり気にしないでね」


 苦笑いするオカリナ。


「そうするね」


 それからオカリナは他の者と距離が離れていることを確認してから。

 少し声を落として離す。


オカリナ:「それと、タイラーなんだけど」


 どうやら、タイラーに聞こえないようにしたい話題のようだ。


「何、オカリナ」


オカリナ:「彼はちょっと強情なんだ。掟を強く守ろうとするからね。

       ノゾミは冷静なタイプだろうから話すけど、彼が無茶しそうになったら止めて欲しいんだ」


「え、私が?」


 私は驚いた。

 まさかそんなことを頼まれるとは思っていなかったのだ。


オカリナ:「タイラーは掟でノゾミを守らないといけない。だから、ノゾミのいうことなら大概聞くと思うんだ。

      今回は何が起こるかわからないからね。無謀なことをすれば命を落とす。いいかな?」


「うん。皆が死ぬのは嫌だから」


(私も、皆には無事でいて欲しい)


オカリナ:「頼むね。おっと、タイラーが戻ってきそうだから」


 オカリナは離れていった。


 入れ違いにタイラーが私のそばにくる。

 チラッと私とオカリナを見る。


「ノゾミ、オカリナと何を話していた?」


 彼は会話内容が気になったようだ。


「うん?世間話だよ。ほら、皆と仲良くしないと」


 私はオカリナとの話を濁した。

 この話はタイラーには伝えないほうが良いと思ったからだ。


 タイラーは私とオカリナを見てから。


「まぁ、そうだな。オカリナはこのチームでも良い奴だ。彼女と仲良くなっておいた方が良い」

「そうだね」


 私はオカリナのいったことを頭の中で考えたのだった。

 

(タイラーが無謀なことをした時か・・・私に止められるだろうかと・・・・)



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