8話「ハーレムとは、楽しいものなのだね。」
目を覚ますとあの教室だった。
誰もいない教室。チャイムが鳴る。
キーンコーン カーンコーン
……誰もいない!?
あれ、あいつらは?
「お兄ちゃん?」と不思議そうに裕貴を横から僚御が見つめていた。
「ん?僚御!?お前いつの間に…」
すると「ずっといたよ…」と少し不機嫌な顔をした。
今はそれよりも睦月とソラがいないのが、気になった。
まさかとは思うが、まだあそこに…
「あーお兄ちゃん!!」と今度は元気のいい声が聞こえた。同時に何かが俺と僚御を同時に抱き抱えた。 ソラだった。
「裕貴さんお待たせしましたー」とドアの前から睦月の声が聞こえ「お前らどこいってた!」と睦月の話を聞かず遮るように言う。
「えっと…トイレに……」恥ずかしそうに睦月は言う。ソラも頷く。何が恥ずかしいんだか…
少し話してから裕貴たちは、学校を出た。
すると「あっ裕貴さん!ここには裕貴さんの家はないので、こちらで用意した家へ案内しますね?」
「え?俺のいえ無いの?裏世界なのに?」
「えぇ、あるにはありますが…入ったらヤバイですよ?」
あーそう言うことか、もう一人の自分にあったら次元が乱れる的なやつか…
なら仕方ないか
言って、睦月は裕貴たちを家まで案内した。
なんの変哲もない住宅街へ入っていった。
俺は、てっきり何かスゲー大豪邸とか勝手に想像してたけど、違いそうだな…
そう思っていたらやっぱり普通の3階建てのまあまあデカイ家だった。 普通…か?
なんとも言えなかったので、反応に困っていたが、妹たちは、「おっきぃ…」と喜んでいた。
入ってみると玄関があり左に和室、右にリビングがありまっすぐ行き左に突き当たると階段がある。
中は普通に良かった。
「ねぇお兄ちゃん?家のなか探検しよっ!」
「しましょう!お兄ちゃん!」
妹達に無理やり引っ張られたので、俺も無理やり睦月の手をつかみ巻き込んで、家の中を探検した。
ハーレム…叶ってるなぁ……
確かに憧れてはいたけども、本当に叶うとは…
楽しくなるかもな、これ。