6話「その速さ、音速の域」
プツン………その音と共に俺の意識が飛ぶ。
辺りが暗闇に包まれた。
視界には、何も写らない、ただ、闇が俺を包んでいる。
――さん、……ひろ……―さん?…―で、……
「裕貴さんっ!?」
「お兄ちゃん!!?」
と3人の声が聞こえた。
目を覚ますと、なんだか身体の感覚がいつもと何かが違うことに気づいた。
なにか胸の辺りに重みを感じる。
そして、髪が長くなっている。
それもそうだが、何より、
体が凄く軽い、軽すぎるくらいに…
…と無意識に、俺は、俺を狙撃してきた少女に向かった。
新幹線のように早く、肉食動物のように俊敏に動く、その姿は、まるで…人成らざるもの…
少女もそれを、狙い狙撃を続ける。
正確な狙撃を…絶え間なく続ける。
プツン………プツン………
ファッ……ファッ……
っと静かに正確な弾丸とそれを静かに避ける。
それは、静寂の戦争
二人っきりの戦争だった。
『時の巫女が他の巫女にあった場合、戦闘が始まる……』
タタタタタタタタタタタッ!!
タタタタタタタタタタタタッ!!タタタタタタタタタタタタッ!!
音速が音速を越え、避ける。避ける。
地割れし、柱などが、崩れ落ちている、地形をうまく活用し、風のごとく…
電柱で避け。 地割れした道路をバク転し避け。
車で避ける。 そして、魔法陣で防ぐ。
すべて、無意識だ。
まるで、俺、師走裕貴の中には、別の存在がいるのだろうか?
今、俺は、この体から外を見つめているだけ。
勝手に動き少女の方へ向かう。
「え!?っ何で!?……姉さん!?何でそこにいるの!?」
その声にビクッとした。
「姉さん?」 姉さん…ってさっき言ってた、俺に会いたがってるって人?