5話「その、スピードに勝れない。」
あっ…そう言えば、願いが叶ったとか言ったけど、これが俺の願いなのか?
と自己紹介を済ませたあとに思ったが、俺は、妹がほしかったのか?…って僚御がいるのにもう一人…だなんて思ってない。
なのになぜ、もう一人しかも僚御の妹、ではなく僚御の姉、なんだ?
そして、『ここでは…』とさっき睦月は言っていたが、何なんだ?ここは、俺がいた。世界とは違う……やっぱりまた、異世界、なのか?
「いい忘れてましたが、ここは、裕貴さんたちがいた世界ではなく、ここも異世界、というか裕貴さんの世界の裏なので裏世界ですね。なので、ソラさんは裕貴の妹なのです!」
「へ、へー……で?これが俺の願い…なのか?」
「そう、願ったのですか?」
と?という感じの顔をしながら俺に言う。
「いや、違う」
「なら、違いますよ。多分これは裕貴さんが願ったものの設定の一部ですね。」
設定の一部?なにそれここは、何なんだ?
ゲームか何かか?
「で、何を願ったんですか?」
「……え?、えーと願ってはいないけど、女の子を叶えるっていったからどんなのか、想像してただけだけど…」
「それですよ!裕貴さんが想像していたものをベースにこの世界は構築されています!なので、裕貴さんの妄想が現実となり楽しい生活が待っていますよ!」
とニコニコしながら俺に言う。
「ってか、何でこんなことしてくれんの?俺、君に何かいいことでもしたっけ?」
「いえ何も」
「じゃあ何で?」
なぜ、俺の願いを聞きそれを叶えたのだろう…
「それは、あなたが、時の巫女に呼ばれたからです。」
「時の巫女?」なんだそれ?
すると、睦月は、目を閉じた。パッ!と目を開く、パアァァァ…光が俺達を包み込み、その眩しさに目を瞑る。
目を開けると、そこは、宇宙空間のようなところだった。
そして、睦月はその中心にいた。
姿が変わっていた。
制服から、ノースリーブのセクシーな巫女姿になり、髪に蝶のような髪飾りをしていた。
「…時の巫女は、12人おり、彼女たちは、互いを知りません。そして出会ったら戦わなければなりません。ですが、12人同時に出会ってしまった場合、その世界、宇宙が消滅します。そして、11人を倒した時の巫女は、一つの世界を我が物にし自由に暮らすことが出来、そして、運の悪いことに生き永らえてしまった、者には永遠の苦しみを与えられます。」
そんなことが出来るのか、一つの世界を我が物に出来る……か。
「でも、互いを知らなかったらどうやって見つけるんだ?」
「それはですね、半径1メートル以内に入れば巫女のソナーのようなものが、反応し相手の位置を知らせてくれます」
「ソナーって、スゲーな」
「もしかしたらだけど、君も時の巫女?」
「……はい、そうです」
「!?…ならなぜ、俺を時の巫女が呼んでるっていったんだ?」
「ち、違います!私は、お姉様とは共同戦線を組んでいるので、私は敵ではありません!一生敵になんてなりません!!」
怪しいなぁ…
「時の巫女同士って戦わなければならないんじゃなかったけ?」
「内緒で、私達はやっているんで、問題ありません」
いや問題あるだろ。
……まぁなんにせよ、今は彼女が何かしてくるわけでもないだろうし、というか何もしないだろう。いっていることは、本当なんだろう。
とりあえず、彼女、睦月のことは、疑うのをやめ、妹たちを連れ、宇宙空間から出た後、睦月の後ろを追う。
宇宙空間からワープをしてきたんだが、ここは、別の世界のようだった。
荒廃したビル、街、道路は、何かに掘られたのかというほどの穴があり、そのしたには、人の死体がわんさかあった。
「やべーなここ、何かの映画の撮影?にしては、やり過ぎじゃねーか?」
「そんな訳無いじゃないですか、ここはですね、今さっき反応があったところなんですよ。」
反応?あー時の巫女のか
「でも、半径1メートル以内にいないとわかんないんじゃなかったの?」
「ワープしてる間にわかるんですよ、ちょうど同時にワープした時にだけ」
いい忘れてましたといって、前を先導する。
ザっ! っと聞こえたかと思えば、
バッ!!!っとビルから降りてくる音がした。
そこにいたのは、ショートで目が細く眼光強めのいかつい雰囲気の動かしやすい巫女姿の娘が現れ
「見つけた…」言って、肩に背負っていた、巨大なライフルを構えてきた。
そのライフルは、サイレンサーを備えレーザ照準搭載、そして、長距離でも見れそうなスコープを搭載した真っ黒いスナイパーライフルだった。
プツゥン………!!
その小さな音を発てた銃弾は、俺の頭を貫いた。
ヘッドショット、
やかましいわ……




