18話「エンドレス・スナイプ」
ソラに場を任せ俺達は、如月を探す。
この広すぎる場所で何とかして探す、ありとあらゆる場所を…
と、裏路地を通りすぎようとするとそこから光源が走り抜けるのが見えた。
「ん?」
今なにかいたような…
裕貴は睦月に何かいるといい、光源を追う真っ直ぐに真っ直ぐに真っ直ぐにと、光源は行く。
(にしても、こんな長い裏路地ってあるんだな…)
と思ってるうちにやっと大通りに出た、ゾンビはいなく、ただ無人の街、まるでこの世界に2人だけみたいな気分だった。
ダァン……!!
裕貴の顔に銃弾が飛んでくる。それにすぐに反応し裕貴は避ける。
今の裕貴は時の巫女、そのお陰か反応速度が人間レベルではない、神レベル、とでも言うのだろう。
「さすが、もう、なっていたんですね。」
ビルの上から巨大なライフルを持ち現れた如月はそのビルからこちらに飛んでくる。
気配が一瞬のうちに俺の前にやって来る。
俺は急いで防御に徹する。
キィィィイイイイイイイ!!!!
豪速球のように飛んできたコンバットナイフをエナジーバリアでなんとか止める。
そこにすかさず、睦月が槍を降り下ろす、がそれを如月は生足の親指と人差し指のあいだに刃先を捉える。
そして左手からどこからともなく現れたハンドガンで迎撃する。
だが、このハンドガン、威力がおかしかった。
それを2、3発くらった睦月は、ガードレールに背中から突っ込みさらに洋服店に突っ込んでいった。
「睦月!!」
裕貴はすぐさまショットガンを手からだしバリアをとるとどうじに撃つ。
それに気付き如月はバリアが閉じる直前バリアを蹴飛ばし距離をとる。とんで移動をしているあいだにショットガンの散弾が当たる。
「………チッ!!」
タン……着地。
打たれたところをさりげなく服で隠す。
裕貴は睦月の飛んでいった洋服店を見る。
が、また視線をもとに戻す。
「許さない、」
「何をいっている?あいつもあんたの敵ですよ?時の巫女は全員が敵同士、見方なんていない」
「そんなことはない。あいつは裏切るようなことはしない…」
「…そうか、まぁどうでもいいか、ま、あなたはここで死ぬわけだから関係ないか」
と如月の両手からライフルが現れ、双眼鏡の様なものを如月が顔に掛ける。
こちらに二つの正確な弾丸が飛んでくる。
0、05秒間に一回、それが飛んでくる。
つまりはマシンガン並みの速さ、普通じゃあり得ない。
ミリオタ驚愕の出来事だ。
俺は避けることしか出来なかった。
が隙が生まれた。
玉切れだ。
この瞬間に何とかして距離を摘めようと近づくがすぐさま補充は終わり半分ほど近づいたところで如月は射撃を再開する。
そこでまた、避けているうちにもとの位置に戻される。
「どうしたらいいんだ…」
……っ!!
痛い、痛いよ、誰か、お母さぁん……助けて
暗闇のなかでうずくまる。
変身が解除され、なにも出来ず諦めてしまう、睦月。
だが、うっすら見えるそとの景色、そこには連続で飛んでくる弾を避けることに必死になる裕貴の姿。
(……助けたいけど…私にはどうすることも…出来ない、)
さっきだって私の方がよく知ってるのに結局、私は頼りないまま…
私にはなにもできない。
睦月は自分の不甲斐なさを嘆く、
「あぁ、これじゃノベルさんにも顔向け出来ない……」
「…そんなこと、ないんじゃないですか?」
と後ろから近づいてくる声。
ガララ…と瓦礫を持ち上げる音、光が差し込む。
その光の先にはソラの姿があった。
「まだやり直せますよ!むっちゃん!」
その笑顔、その言葉に睦月は泣きソラに抱きつく。
「わたっ…っし、やり直…せるの?」
「はい!もちろんですよ、裕貴さんを導きたいという気持ちがあるなら」




