16話「宣戦布告と決意と…」
――ここの世界に来て3日目、大分なれてきていた。
一人じゃなかったのもあるし、学校も男の姿が女になっただけで何も変わらないので俺もなれて今まで通り接していたが、やはり女として見てしまう自分もいる。
だが、それよりも、如月が気になる。
なにもしてくる気配がない。
昨日の帰りにみんなで警戒して帰ったがなにもしてくる気配はなかった。
だが、4日目の夜、俺達は、如月がなぜなにもしてこなかったのかを知る。
それは、ニュースでわかった。
『――新宿駅西口にて、大勢の人々による暴動が起きました。――』
その映像には、人々が噛みつきあい、噛みつかれた人はなぜか一瞬止まりその後、暴力的になり逃げ惑う人々に噛みつき始めていた。
だが、噛みつかれた人々は噛みついた人々には噛みつくどころか協力し噛みつかれていない人々を噛みつき始めている。
これは、いわゆるゾンビなのだろう。
なぜ、こうなったのかはわからないが、これは間違いなく如月が起こしたことだろう。
俺たちへの宣戦布告。
「…裕貴さん、これは如月さんからの宣戦布告…なのでしょうか?」
「…あぁ、そうだろうな、こんなことをしようとしてくる奴なんて、あいつしかいないだろう…多分…」
「…お兄ちゃん、僚御たちどうなるの?」
「大丈夫…だよ、俺がなんとかする。」
僚御の頭を撫で落ち着かせる。
すると、ソラが「…やりやがった…」と小声でボソッと言って「お兄ちゃん、むっちゃん…」とソラにしては珍しく真剣な表情でソラは言う。
(…むっちゃん?)と睦月
「あのままゾンビが仲間を増やし始めると、お兄ちゃんとりおっちがいた世界に影響がでる。というかすでに出てる。あの噛まれた人々、皆死んでる。あっちの世界では変死だろうけど。だから私がゾンビをなんとかするから、お兄ちゃんとむっちゃんは如月を探して殺して!」
(なんでそんなことわかるんだ?)
疑問に思ったが、ソラの言うことはどうも本当なのだろう。
ここは俺の世界の裏でただ人が皆女ってだけで、ここの人間は俺の世界の人間な訳でこっちの人間が死んでもあっちの人間が死んでも両方死ぬのだから。
だが、「それは出来ない、お前一人に任せられない、皆でやろう」
「なんで?私が信じられない?頼りない?」
「違う、だけどもし、仮に俺と睦月が如月を探しに行っても勝てないと思う、だって実際二人で偶然あいつにあったとき、二人相手で勝てなくてお前が来なかったら死んでたぞ?」
「それは、巫女になんなかったからでしょうが!」
「ソラさん!なぜ一人で行こうとするんです?皆で行けばいいじゃないですか、それに如月さんも巫女姿ではなかったですよ?」
「……っ!」
ソラはそのあと折れたのか「……わかった、なら、行こう皆で、でもりおっちはここにいて、…お願いだから妹を…危険な目に会わせたくない…」
実の妹のように言う。
「それを言うならお前も俺の妹なんだろ?
俺の立場どうなんだよ、俺だって妹危険な目に会わせたくないんだが…」
「……っ!私は別だよ!お兄ちゃん!りおっちには力、…ないからだからなんだよ?私は強いから…」
「かんけーねーよ、妹…なんだろ?なら守らせろよ、ってか僚御が一人でここにいても何かあったらどうすんだ、やっぱりお前も残れ。俺達で行く。二人で巫女になれば、ゾンビくらどーってことないだろ。」
「…そうだね、ならわかった、私はりおっちを守るよ」
そう言いソラは僚御の肩を抱き「おねーさんがまもってあげるぞ?」と無理矢理に笑い僚御にそう言った。




