少し変態のいる学校での事件
ある学校で一つの事件が起きた。
「おい、ミリーオン嬢が死んでるどぉ!」
一生徒が死んでいる。その情報は瞬く間に校内に広がった。
「凶器は? 鮮やかで魔法のよう? やべーぜ」
「トリックは? 背後から頭を一撃で? そして首がなくなった? ちょっと写真ある?」
「やべーし。おれ一回ヤリたかったのに……。意外とおっぱいでかいあ。Hくらいあるんでね?」
「あたしもー」
第一発見者と容疑者が集められた。
ペイル・リード一年女生徒。
イミン・トウリョー三年女生徒。
シトロル・オルト養護教諭。
そしてスバイラ・ノッシー。二年男子生徒で被害者のクラスメイト。彼女が発見されたのは教室で。つまり俺は第一発見者である。
「オレ一年の隠れ巨乳チャンが犯人に10ポルポソ」
「あたしはオルト先生ー。友達に聞いた話だけどさ、先生ミリーオンのパパとお食事してたの見た。ってー」
「おれっちはイミンたん推しだお。小人みたいでかわゆす。なによりちっぱい! そこがいい」
「トウリョーって東の小国の? そうだねちっさいよね。入らなそう」
「論点ずれてない? 僕は謎の暗殺者がミリーオン嬢を殺害したに一袋。しかしあいつも怪しい。謎の暗殺者を捕まえた僕は表彰され。
もし誤認だったら一気に僕の人生はどん底に。家族に認められ英雄に。光が恋しい、一生牢の中で。英雄に……」
「おまえまたハーブ吸ったのか。いいかげんにしとけよ。おまえのあそこハーブ漬けにしてカラッと揚げるぞ」
さっきから外野がうるさい。
「きいてー、あの超根暗なノシとかいう男子、粗チンなんだって。超ウケル。親指大かなー」
「いやいやさすがにもうちょっとでかいだろ。このくらい」
だまれ。目の前でいちゃいちゃするな。
そして公衆の面前でゴムを取りだし、膨らましたり伸ばしたりして騒ぐカップル。正直迷惑なのでやめてほしい。
暇な生徒に囲まれる中、証言が始まろうとしていた。校長と思わしきハゲが告げる。
「あなたはそのときなにをしていた? 包み隠さずに正直に答えよ」
ペイル・リードの証言
「わたしは、実験室で魔法薬を作ってました」
「その魔法薬とは?」
「服用し一時間で湿疹の症状が出始め、六時間後に発熱または嘔吐や下痢。最終的に脱水症状により死ぬる魔法薬です。飲み物に混ぜて使用するとより効果を発揮します」
「被害者との関係は?」
「ただの先輩です。しいて言えば、たまにおっぱい触らせてと実験妨害してくることを邪魔に思ったことがあります」
「現場付近にいた理由は?」
「実験が一段落ついたので。ジュースを買いに」
「この者を見た者は手を挙げよ」
三人が挙手する。たぶん彼女と同じ室内にいただろう、皆顔が真っ青だ。
「さっき実験室に置いてあったジュース飲んだんだけど、まさかアレ……?」
「……そうかでは次」
なにそれとっても怪しいね。
イミン・トウリョーの証言
「わっしはね寝ていましただ。なにも知らぬし、なにも存ぜぬよ」
「被害者との関係は?」
「知らんです。みりおん? 誰ですかその人」
「現場にいた理由は?」
「存ぜぬでえ。牛の乳飲んでえ、寝て起きたらいましたね。あ、あと小さいってなにがですかなー?」
「知らんでよい。最後にこの者を見た者は手を挙げよ」
二人手を挙げた。
シトロル・オルトの証言
「わたくしは保健室で男性の負った心の傷を癒していましたわ」
「具体的には?」
「男女の営みをしていましたわ」
外野が騒ぐ。先ほどのカップルはお構いなしにディープキスをしていた。うざい。
「静粛に。「被害者との関係は?」「現場にいた理由は?」
「最後にこの者を見た者は手を挙げよ」
一人が手を挙げた。あいつが教諭とヤった奴か。皆興味津々で見ている。
スバイラ・ノッシーの証言
「保健室のベランダで、オルト教諭のアダルトボイスをおかずにナニしてました」
俺も包み隠さずに正直に答えた。
「……現場にいた理由は?」
「空飛ぶパンティに誘われて。……すみませんティッシュを忘れたので取りに教室まで戻りまして。そこで発見しました」
「被害者との関係は?」
「いつか一回ヤらせてもらえないかな、って常日頃片思い中のクラスメイトです。それ以上でも、それ以下でもありません」
「……よかろう。最後に、こ奴を見たという者は手を挙げよ」
一つも上がらなかった。
「よし、決定じゃ。本日この時を持って、スバイラ・ノッシーにミリーオン殺害容疑、除籍処分を命ずる。ノッシーには容疑が判明次第、追って処罰が下されるだろう。
それまで牢に待機してもらう」
牢に連れていかれました。暗くて湿気が多く、なにより糞尿の異臭がする空間で吐き気がする。
その奥へ入る。白い清潔な空間で、死んだはずの彼女、ミリーオンが監視カメラで校内の様子を閲覧していた。
ミリーオンはこちらを振り向いてつぶやいた。
「あら、こんにちは。あなたがここに来たということは。おおむね計画通りだわ」
「あ、どうも。ところで計画とは? あと死んだんじゃなかったの」
「あれは侍女が作った、自分そっくりの精巧な人形よ。本当によく出来てるわ。この、首と胸」
あ、そう……。
「それと計画についてだっけ? 説明するより見たほうが早いわ。見なさい」
見る。そこには男女の営みをする教諭の様子だ。隅っこに俺がナニしている姿も見える。これは……。
「そう、校内の様子全て録画してあるわ」
彼女は監視カメラで校内の様子を閲覧していた。
「性行為にハーブに暴力。それと不正なお金のやり取りすべてに対して間然する兆しがこの学校から見受けられない。教育が不十分な学校は、まず校長を変えましょう。それでも不十分なら廃校にしてあげないと」
その数ヵ月後、彼女は校内から全ての不要者を消し去った。
後には、
「愛してるハニー。今日ゴム一箱買ったんだけど、もうオレ達にはいらないよね」
「あたしもよダーリン。まあ素敵ね! 十一人欲しいわあー」
真昼間から励むカップルや。
「イミンたんのパンチィ! 足蹴にされて幸せぬん。はあはあ」
「近寄るな変態! ……まあわっしのブラジャーならあげてもいいぞ」
変態か。
「わたくしは傷を癒すことに生きがいを感じておりますわ。さあ、あなたもわたくしの胸に飛び込んでは来ませんか?」
「よろこんで。……まるで天使のように優しい感触っ! さあ癒してくれっ」
またしても変態。
「あははは。宇宙がー、人類の終焉が見えるううう。僕の未来は絶望だ―」
「君のから揚げおいしかった。次はどこを揚げる?」
変態しか残らなかった。
「目指すは全国制覇ですね、ミリーオン様。全てあなた好みに統一したあかつきには、ぜひ俺と……」
「そうね。ではそれまで頑張ってくださいな。素晴らしい私の椅子」
俺も、その一人である。
昨日ラブコメ映画観たから衝動的に下ネタが書きたくなった。
全裸を推奨しているかのような気温が悪い。後悔はしていない。
……夜中から書いてたら朝になってたなう。