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ここは、どこ?
私、さっきまで街にいた筈なのに、この一面の花畑はどういうこと?
風が騒がしいし、ここは花畑の筈で海の音もしないのにどうして変に磯臭いの?
ワケがわからなくてキョロキョロしてると、背が高くて髪が長いお兄さんが駆けてきた。
「おいお前、武器も持たずにこんなとこ来やがって、死にてえのか!ちっ、クラーケンの野郎もしつこい奴だな!」
凄く大きなイカがでた!っていうかイカは海の生き物なのになんでこんな陸地の花畑にいるの?
混乱してると、お兄さんが私の前に立ちはだかった。
「イカ野郎ァ!こんなチビ公相手するよか俺の相手をしやがれ!」
大きくジャンプしたお兄さんがそう叫ぶと、そのクラーケンとかいう大きなイカの目と目のあいだに凄く大きな剣を突き刺した。
するとクラーケンは、地響きが起こるくらいのとても大きな断末魔を上げて、そのまま地面に倒れた。
「・・・・・ひっ」
あまりの出来事に、思わず声が出た。
「どうやら喋る元気はあるみてえだな。俺はユリウス、ルドラ帝国の騎士団の兵長だ。お前は?」
その背の高いお兄さんことユリウスさんが、とても大きな手を差し伸べながら私に尋ねてきた。
「リリー・・・・・」
私の名前を言うと、ユリウスさんがニッコリと笑顔になった。
「リリー、か。可愛い名前じゃねえか。よろしくな。さっきはチビ公っつって悪かった。で、どこから来たんだ?」
・・・・・あれ?思い出せない?
私が首を横に振ると、ユリウスさんの笑顔が消えて、困ったような表情に変わってしまった。
「参ったなこりゃ。つまり行く宛もねえと」
困った表情を浮かべたままのユリウスさんが頭をボリボリ掻きながら、そうだな、どうすりゃいいよ、などと独り言をポツポツと漏らして、私に
「いいか、リリー。ウチもメシもくれてやるが、交換条件が一つあるんだ」
と言ってきた。
「交換条件って、なに?」
思わず問い掛けると、私の肩を掴んだユリウスさんが凄く言いづらそうに声を絞った。
「無茶を承知で言う。お前の事は戦災孤児で記憶喪失って事で国王に話をつけとく。だからそれに、お前も話を合わせろ。こんな事言いたかねえが、このあとクラーケンが生き返ったりとかこのあとの森でゾンビウルフとかに出食わそうもんならお前、死ぬぞ」
「・・・・・うぅ」
実際問題、このあとクラーケンとかユリウスさんのいうゾンビウルフとかに遭ったら生きて帰る自信がない。
だから私は頷いた。
此処から先、どうなるんだろう・・・・・。
やり方が解らなくて、話が分断されてしまったので此処はキャラ紹介のページにしますヾ(・ω・`;)ノ




