???② ~集結の時~
「わかったでしょう、真魔王様。奴がどれだけ残酷で、空気の読めない豚の吐瀉物以下の存在だと言うことが」
「そうですよ真魔王様。ウチがいうから、間違いないですって」
「だからね、機嫌直して下さい、ね? ほらペロペロキャンディあげますから。甘くて美味しいですよー」
「ウチも、楽しいやつ歌いますよ? 聞きます? 自信作なんですよ、『エルザisビール腹』」
「そ、それで魔王よ。新しい仲間を見つけたと言っていたが」
「ええ、まずはこの男。我々の崇高なる使命に共感して頂いた、人間界の危険人物です。何せ一人も殺さず一億もの賞金がかけられたのですから。さらに勇者に対する怨念も我々と比類できるぐらいなのです」
「その割には、愛らしい見た目をしているのう」
「本人の希望で、熊のぬいぐるみのような見た目に改造しましたので。こうすることで相手の気を引き油断させ……なるほどこの手があったか」
「おいお主、名はなんという?」
「ただ、リーダーとお呼びください」
「面白い顔だな、ちこうよれ」
「ヤッター」
「うわくさっ、おっさん臭っ。魔王こいつ雑巾臭いぞ」
「そうですね、次行きましょうか」
「彼女は、ええそうですね……正直意外だったと言いますか」
「そうかい? アタシは、前から本気の坊やと戦ってみたくてね。消化不良にならないぐらい、徹底的にね」
「まあ、互いに利害が一致しただけです」
「あんたのことはどうでもいいが、こっちも利用させてもらうよ、おチビちゃん」
「ふむ、不躾なやつじゃな」
「それとイノウエ、後で面貸しな。もっと面白い顔にしてやるよ」